新型コロナウイルスへの対策などで、人々が通勤・出社し同じ場所で仕事をするのではなく、自宅などでのテレワーク(リモートワーク)による働き方が推奨されています。
テレワークで都心のオフィスへ毎日勤務する必要がなくなった人の中には、地方に移住するケースも出てきています。
そこで今回は、地方にテレワーク移住する際に活用できる補助金や支援事業などについて解説します。
【地方創生】テレワーク移住に活用できる補助金
地方創生に向けての支援として、東京からテレワークを目的とした地方移住、または東京圏以外で起業を目的とした移住の際に利用できる補助金があります。
それは「地方創生移住支援事業」と「地方創生起業支援事業」の2つです。それぞれの概要について解説していきます。
地方創生移住支援事業
地方創生移住支援事業とは、東京23区に在住または通勤する人が、東京圏外へ移住して就業や起業をするとき、都道府県と市町村が共同で交付金を支給する事業です。
対象者
以下3つすべての条件を満たす人が対象です。
- 【移住元】東京23区の在住者または東京圏から東京23区へ通勤している者
- 【移住先】東京圏以外の道府県又は東京圏の条件不利地域への移住者(移住支援事業実施都道府県・市町村に限る)
- 【就業等】地域の中小企業等への就業やテレワークにより移住前の業務を継続、地域で社会的起業などを実施
詳細は、地方創生「移住支援金」をご確認ください。
金額
100万円以内(単身の場合は60万円以内)で都道府県が設定する額
地方創生起業支援事業
地方創生起業支援事業とは、地域の課題解決に貢献する社会的事業を新たに起業する方を対象に、効果的な起業を促進し、地域課題の解決を通して地方創生を実現することを目的とした事業です。
事業分野は、地域の課題に応じて、地域産品を活用する飲食店・子育て支援・買い物弱者支援・まちづくり推進など、幅広く想定されています。
対象者
以下3つすべての条件を満たす人が対象です。
- 東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域において社会的事業の起業を行うこと
- 公募開始日以降、補助事業期間完了日までに、個人開業届又は法人の設立を行うこと
- 起業地の都道府県内に居住していること、又は居住する予定であること
詳細は、地方創生「起業支援金」をご確認ください。
金額
最大200万円
地方自治体の移住支援
移住を促すための支援金制度を設けている、地方自治体もたくさんあります。
移住を考えている方は、ぜひ各自治体の「移住相談員」に聞いてみてください。支援金の他、移住に役立つ情報や地域についてなど、様々な話を聞けます。
移住や地方との交流を推進する団体もあり、自治体との交流会開催など様々な活動を行っています。
そのような団体の公式サイトでは、それぞれの自治体の特徴なども紹介されているため、移住先探しなどに便利です。仕事や空き家の募集情報、イベント情報や移住者へのインタビューも閲覧できます。
活用できる支援は色々あるので、様々な情報を比べながら移住先を探してみてください。
テレワークで地方移住するメリット
通勤の移動時間がなくなる、オフィスの家賃や社員の交通費が浮くなど、従業員・企業ともにメリットのあるテレワーク。地方移住でのテレワークには、次のようなメリットがあります。
生活費が安い
地方では家賃も物価も安いので、生活にかかる費用が都心よりも少なく済みます。浮いた生活費を他のことに使えるため、金銭的に楽になり、自由度が上がる可能性が高いです。
都心ではワンルームマンションでも家賃が6万円以上、駐車場にも約2万円かかることが多いですが、地方なら家族の住める広いマンションや庭のある家が駐車場つきで8万円以下で借りられるエリアもあります。
家を建てるときも、広い敷地の土地が都心より安いため、希望の間取りを実現し広々とした住宅を建てやすいです。
自然が多い
近くに木々や川があることで、窓からの景色も良く開放感があり、空気がきれいでリラックスするなど、心身にプラスの効果があります。緑の多い場所は静かで、人や車の騒音も少なく、業務にも集中しやすいでしょう。
自然が体に良いことには科学的根拠もあります。自然に囲まれた生活は適度な運動も促進するため、都市部での生活よりもストレスホルモンのコルチゾールが低くなることが明らかになっています。近場でスキーや川遊びなどのアクティビティや森林浴ができる環境は、免疫力の増加にも効果的です。
庭つきの家なども多く、家庭菜園やガーデニングなども始めやすいため、体に良い食生活にもつながりやすい環境です。
補助金など支援制度を利用できる
都心在住のときと同じ仕事を続けながら、上述で紹介した補助金や各自治体の補助金を受け取れることは、大きなメリットです。
国も地方自治体も地方移住をうながしているため、様々な支援制度も使えるのです。
このように支援を受けられるため、将来的なお金や移住後の不安が軽くなり、ストレスが減る可能性があるでしょう。
テレワークで地方移住する際の注意点
メリットの多いテレワーク移住ですが、注意点も知っておきましょう。
ITツールの整備
対面せず、打ち合わせや契約の合意といった仕事をスムーズに進めるには、必要なITツールを整え、効果的に使いこなすことが重要です。
チャットやビデオ会議ツールはもちろん、それらを安全に使うためのセキュリティ導入など、必要なITの整備をしっかり行います。
離れた場所にいることが仕事やコミュニケーションの支障にならないよう、新たな便利ツールは積極的に取り入れましょう。
オフィスに出社する際の時間や費用
仕事が完全なテレワークではなく、たまに出社する必要がある場合、移動にかかる時間と費用が負担です。
頻度の少ない出社であっても、定期的に何時間もかけて行くとなると、ストレスになってしまう方もいます。
新幹線や飛行機に乗るなどあまりに遠いと、積み重なった移動や宿泊の費用がかなりの額になることもあります。
まとめ
地方にテレワーク移住する際に活用できる補助金について解説しました。
新型コロナウイルスの流行などで、今までの価値観から、より柔軟な新しい考え方へシフトする場面が増えています。東京一極集中の解消など、テレワークには社会的なメリットも多く、仕事場所に縛られないテレワーク移住もその1つです。
今までと同じ仕事を続けながら、好きな場所で生活するための一歩として、補助金制度はとても便利です。この機会に、テレワークや移住について前向きに考えてみてはいかがでしょうか。