「Lステップ」と「L Message(エルメ)」は、どちらもLINE公式アカウントを効果的に活用し、マーケティング活動や顧客管理をサポートするための強力なツールです。
LINEを通じた顧客とのコミュニケーションを強化したいと考える企業にとって、これらのツールは不可欠といえますが、どちらが自社に適しているのか悩んでしまうこともあるでしょう。
本記事では、LステップとL Messageの機能や価格を徹底的に比較し、それぞれの強みと弱みを明らかにしていきます。
これからLINEマーケティングを強化したい企業や、既存の運用方法を見直したい方はぜひ最後までご覧ください。
LステップとL Message(エルメ)の基本情報
LINE公式アカウントを活用したマーケティングや顧客管理において、「Lステップ」と「L Message(エルメ)」は多くの企業に利用されているツールです。
それぞれの違いや強み・弱みを把握することは、効果的なマーケティング戦略を立てる上で非常に重要です。
違いを理解するために、まずはLステップとL Messageの基本情報をわかりやすく紹介します。
Lステップとは
Lステップとは、LINE公式アカウントを高度に活用できるマーケティングオートメーションツールです。
LINEのメッセージ配信機能を最大限に活用し、顧客とのコミュニケーションを円滑化、売上の向上や顧客管理を効率化する目的で使用されます。
Lステップは、LINEの基本的な機能に加え、シナリオ設計やステップ配信、タグ管理など、より詳細なマーケティング戦略を実行できるさまざまな機能を備えています。
Lステップの特徴
Lステップは、次のような特徴があります。
①シナリオ設計が可能
Lステップの最大の特徴として、顧客の行動に応じたメッセージ配信のシナリオを細かく設定することができます。
これにより、顧客の行動データにもとづいてパーソナライズされたメッセージを自動で送信でき、効率的な顧客管理やリードの育成が可能となります。
②タグ管理機能
顧客ごとにタグを付与してセグメント化でき、ターゲティング精度を高めたマーケティング施策の実施も可能です。
例えば、URLのクリックや商品購入など、特定の行動を起こした顧客に対して、適切なタイミングでリマインダーやフォローアップのメッセージを送信できます。
③アンケートやクイズ機能
Lステップでは、簡単にアンケートやクイズを作成・配信が可能で、顧客の興味やニーズを把握できます。これにより、より深い顧客理解を得られ、マーケティング施策に反映させられます。
④チャットボット機能
チャットボットを使った自動応答も充実しており、顧客対応の自動化が可能です。スピーディーな回答で顧客満足度の向上に寄与するほか、カスタマーサポートの効率が向上し、人手不足の解消にもつながります。
⑤詳細なレポート機能
メッセージの開封率やクリック率など、各種データを細かくレポートする機能があり、マーケティング活動の効果をリアルタイムで分析し、次の施策に反映させられます。
L Message(エルメ)とは
L MessageはLINE公式アカウントにおいて、シンプルで直感的に使えるメッセージ配信ツールです。無料プランでも幅広い機能を利用できる特徴があります。
とくに中小企業やLINEマーケティングを始めたばかりの事業者向けに設計されており、複雑な設定を必要とせず、誰でも簡単に顧客とのコミュニケーションを強化できます。
L Messageの特徴
つづいて、L Messageの特徴を紹介します。
①手軽な操作性
L Messageはユーザーフレンドリーなインターフェースで、専門的な知識がなくても簡単に操作しやすいことが大きな特徴です。
マーケティング担当者以外の従業員でも、短時間でLINE配信業務をスタートできるため、導入のハードルも低いといえるでしょう。
②基本的なシナリオ配信機能
Lステップほどの細かいカスタマイズはできませんが、L Messageもシナリオ配信機能を備えています。
簡単なステップ配信や時間指定によるメッセージ配信が可能で、顧客とのエンゲージメントの向上が図れます。
③高いコストパフォーマンス
L Messageは比較的低価格で利用でき、また契約期間の縛りがありません。中小企業やスタートアップにとっては、マーケティングコストを抑えながらもLINEを活用した顧客対応や販促活動をおこなえるため、コストパフォーマンスに優れています。
④シンプルな分析機能
L Messageでは、基本的なメッセージの配信状況や反応を確認できる簡易的な分析機能が搭載されています。
Lステップほど詳細なデータ分析はできませんが、ある程度の顧客の反応を確認できるため、施策に役立てることが可能です。
⑤スモールビジネス向けのサポート
L Messageは、スモールビジネスやLINEを初めて活用する企業向けに設計されており、シンプルな機能でありながらも基本的な顧客対応やマーケティング施策を手軽に実行できます。
LステップとL Message(エルメ)の違いを比較
上記の特徴を踏まえ、LステップとL Messageの違いについて、「価格」「機能」「サポート」の3点について比較し、解説いたします。
価格で比較
まず、両者の価格について比較して解説します。
Lステップは月額5,000円~
Lステップは、多機能かつカスタマイズ性が高いため、価格も月額5,000円~とやや高めに設定されています。
メッセージの月間配信数と機能数に応じて3つのプランが用意されており、各料金は以下のとおりです。ここに別途、LINE公式アカウントのメッセージ配信費用(従量課金制)もかかります。
スタートプラン | スタンダードプラン | プロプラン | |
初期費用 | 0円 | ||
初月料金 | 0円 | ||
月額(税込) | 5,000円 | 21,780円 | 32,780円 |
月間配信数 | ~5,000通 | ~30,000通 | ~50,000通 |
このほか、50,001通以上の大量送信をおこないたい企業向けの「大量送信プラン」も用意されており、こちらはLステップの全機能が利用できます。
L Messageは無料プランあり
一方で、L Messageはよりシンプルで中小企業や個人事業主向けに設計されており、無料プランも用意されているなど、Lステップに比べてコストが抑えられています。
なお、こちらも別途LINE公式アカウントのメッセージ配信費用がかかります。
フリープラン | スタンダード | プロプラン | |
初期費用 | 0円 | ||
月額(税込) | 0円 | 10,780円 | 33,000円 |
月間配信数 | 1,000通 | 制限なし | |
チャット履歴閲覧・ 検索期間 | 180日間 | 制限なし | |
総友だち数上限 | 5万人 | 10万人 |
機能で比較
両ツールともに、LINEのメッセージ配信機能を活用して顧客対応やマーケティングをおこなうツールですが、その機能の幅広さや詳細な設定可能性には大きな違いがあります。
Lステップのみの機能
まず、Lステップのみに搭載されている機能について紹介します。
カスタム検索管理機能
Lステップでは、LINEの友だちの属性や行動データ、登録日、アンケート結果など、さまざまな情報をもとにカスタム検索が可能です。
これらの特定の条件を設定して友だちを絞り込み、該当するユーザーにのみメッセージを一斉送信できます。
L Message(エルメ)のみの機能
つづいて、L Messageにのみ搭載されている機能を紹介します。
① スマホアプリ
L Messageは、iOS・Androidに対応したスマホアプリを提供しており、PCだけでなくスマートフォンからも簡単に管理や操作が可能です。
これにより、外出先や移動中でもメッセージ配信の設定や顧客管理がリアルタイムにおこなえます。急なメッセージ配信の変更やキャンペーンの調整などにも、柔軟に対応できます。
②ポップアップ
運営しているホームページに、ポップアップ形式のバナーを設置する機能です。ポップアップは「離脱表示」「経過時間表示」「指定位置表示」を選択して設定できます。
③決済機能
「Stripe」「UnivaPay」による決済サービスが利用でき、LINE上で商品・サービスの販売から決済までが完結できます。
1回のみの商品販売はもちろん、サブスク型の決済にも対応しており、オンラインスクールの運営などにも適しています。
④友だち紹介時アクション
ユーザーが「友だち紹介」をおこなった際に自動で特定のアクションを実行できる機能です。
紹介者や新しく紹介された友だちに対してクーポンなどの特典を提供したり、メッセージを自動で送信したりなどのアクションを設定できます。
⑤アフィリエイト機能
LINE公式アカウントを第三者(アフィリエイター)に紹介してもらい、そこから友だち追加された際に報酬を支払う機能です。
LINEの友だちを効率的に増やしたい場合や、自社でのみの集客が難しい場合に有効な手段です。現状、プロプランでのみ利用できます。
サポートで比較
Lステップは、とくに導入時に手厚いサポートが用意されています。初期設定からシナリオの設計方法、運用に至るまで専任のサポートチームが対応するため、はじめてのユーザーでも安心して使用を開始できます。
また、Lステップはその機能が多岐にわたるため、ユーザー向けのウェビナーや講習会なども定期的に開催されており、より効果的な活用方法を学ぶことができます。
L Messageは、基本的なサポートが提供されていますが、Lステップほどのカスタマイズサポートは少なめです。
シンプルな操作性を活かして自力で運用するケースが多いですが、初期設定や基本的な操作についてはサポート窓口で対応してもらえます。中小企業向けに簡便であるぶん、必要最低限のサポートが充実しています。
迷ったら無料プランやトライアル期間を活用する
Lステップにはトライアル、L Messageには無料プランが用意されています。どちらの利用が最適か判断に迷う場合は、それぞれ試用してみるのがおすすめです。
顧客とのコミュニケーションの流れや、メッセージの反応率を測ることで、どちらのツールが自社にとって最適かを判断しやすくなります。
Lステップのトライアル
Lステップでは、一部の機能を無料で試せるトライアルプランが用意されています。これを活用することで、実際のシナリオ設計や自動配信の仕組み、顧客のタグ管理など、細かな操作や設定を試せます。
Lステップは高度な機能をもつぶん、最初は操作に慣れるまで時間がかかることもありますが、トライアル期間中に実際のマーケティング施策を試しながら最適な設定を学ぶことも可能です。
L Messageの無料プラン
一方、L Messageは、シンプルな使い勝手が特徴ですが、無料プランや低価格のプランで実際にメッセージ配信や基本的なシナリオ配信を体験できます。
導入コストをかけずに試してみることで、自社のニーズに合った運用が可能か確認できます。とくに操作性の確認やメッセージ配信の基本的な効果測定には、L Messageの無料プランが手軽で便利です。
まとめ
LINE公式アカウントを活用するためのツール、LステップとL Message(エルメ)の違いについて詳しく比較しました。
それぞれ目的やニーズに応じた強みをもっており、Lステップは高度なシナリオ設計やデータ分析に優れ、L Messageは手軽さとコストパフォーマンスが魅力です。
自社の規模やマーケティング戦略、リソースに合わせて最適なツールを選択することで、顧客との関係をより強化し、効果的なLINEマーケティングを実現できるでしょう。
いずれかの導入を検討しているということであれば、無料プランやトライアルを活用して、実際の使い勝手や自社との相性を確認してみることをおすすめします。