ビジネスの成長やターゲットごとの情報発信を考えると、LINE公式アカウントを複数所有したいと思う場合があるかもしれません。
例えば、店舗ごとに異なるキャンペーンを配信したい場合や、サービスごとに情報を分けて届けたい場合など、複数のアカウントを使い分けることができれば、より効果的なマーケティングが可能になります。
しかし、「LINE公式アカウントは複数作成できるのか?」、「どうやって管理すれば効率的なのか?」といった疑問をもつ方も多いはずです。
この記事では、LINE公式アカウントを複数作成することは可能か、作成の手順、そして効率よく管理するためのコツについて詳しく解説します。
LINE公式アカウントは複数アカウントの作成が可能
LINE公式アカウントは、1つのビジネスに対して複数のアカウントを作成することが可能です。特別な条件もなく、LINEのルール面でも問題ありません。
複数アカウントに分けて運用すると、店舗ごとやサービスごと、またはターゲットごとに情報を分けて発信できるため非常に便利です。
例えば、全国展開のチェーン店が地域ごとに異なるキャンペーンを配信したり、ECサイトが商品カテゴリーごとに異なるプロモーションをおこなったりするケースが考えられます。
LINE公式アカウントを複数作成する方法
では、LINE公式アカウントを複数作成する手順について、Webサイトとアプリからの場合とでそれぞれ解説いたします。
Webサイトで複数アカウントを作成する方法
まず、Webサイトで複数アカウントを作成する方法についてご紹介します。
①『LINE official Account Manager』から管理画面にログインし、左メニューの「作成」を選択します。

②アカウント情報を入力し「確認」ボタンをクリック。内容を確認して問題なければ「完了」ボタンを選択すると作成できます。

スマホアプリで複数アカウントを作成する方法
つづいて、スマホアプリから作成する方法もご紹介します。
①LINE公式アカウントのアプリにログインし、左上の「≡」を選択します。

②表示されたメニューから「+アカウントを作成」を選択

③アカウント名・メールアドレスをはじめとする必要項目を入力し、「次へ」を押して進めていきます。

④最後に確認画面が表示されたら「アカウントを作成」ボタンを選択すると完了です。

LINE公式アカウントを複数作成する4つのメリット
LINE公式アカウントを複数作成することで、ビジネスの成長や効率的なマーケティングが実現できます。ここでは、具体的な4つのメリットについて詳しく解説します。
ブロック率を抑えられる
複数のアカウントを使い分けることで、フォロワーが必要としている情報のみを提供できるため、不要なメッセージによるブロックを防ぐことが可能です。
地域ごとの情報を分ける
全国展開の店舗では、地域ごとに異なるキャンペーンやイベント情報を配信できます。関係のない地域の情報を受け取らないため、ユーザーの不満を軽減できます。
興味・関心に応じた情報配信
商品カテゴリーごとにアカウントを分けることで、ユーザーが興味のある情報のみを受け取れます。これにより、関心のないメッセージが届かず、ブロック率を低く抑えられます。
無料のメッセージ数が増える
LINE公式アカウントはプランに応じて、毎月送信できる無料メッセージ数が設定されています。
そのため、複数アカウントを運用することで、それぞれの無料枠を利用できるため、コストをかけずに効率よく情報を配信できます。
アカウントA:店舗の最新情報を配信
アカウントB:セール・キャンペーン情報を配信
アカウントC:会員限定の特典情報を配信
それぞれのアカウントで無料枠を使い切ることで、1つのアカウントで送信する場合と比べて、より多くのメッセージを配信できます。
チャットの管理がしやすくなる
問い合わせ内容や顧客対応をアカウントごとに分けることで、チャット管理の効率が向上します。
例えば、商品の注文や配送に関する問い合わせは「カスタマーサポート専用アカウント」で対応し、店舗情報や来店予約に関する質問は「店舗情報アカウント」で対応する、といった使い分けが可能です。
専門スタッフによる対応が可能
問い合わせ内容に応じて、専門知識を持ったスタッフに担当させることができます。これにより、顧客満足度の向上が期待できます。
対応のスピードアップ
問い合わせの内容が整理されているため、オペレーターが迅速に対応できます。情報が混在しないため、対応漏れも防げます。
コストを抑えられる
必要な機能だけを持ったアカウントを作成することで、無駄なコストを削減できます。例えば、情報配信用のアカウントは無料プランにして、顧客対応が必要なアカウントだけ有料プランにすることで、全体の運用コストを抑えることが可能です。
プロモーション専用アカウントを無料プランにする
定期的にキャンペーン情報を配信するだけのアカウントなら、無料プランで十分運用可能です。
カスタマーサポート専用アカウントを有料プランにする
チャット対応の効率化や、応答率の向上を図るため、必要な機能を備えたプランを選択することで、コストを最適化できます。
LINE公式アカウントを複数作成する3つのデメリット
LINE公式アカウントを複数作成することで、マーケティングの幅が広がり効果的な情報発信が可能になります。
しかし一方で、デメリットも存在します。ここでは、代表的な3つのデメリットについて詳しく解説します。
運用管理の手間が増える
複数アカウントを管理することで、運用にかかる手間や時間が増加します。アカウントごとにログインして確認・対応をおこなう必要があるため、運用担当者の負担が大きくなります。
また、投稿内容の企画やスケジュール管理、メッセージ配信のタイミング調整など、各アカウントに合わせた戦略を立てる必要があるため、運用管理が複雑化する可能性があります。
メッセージ配信の管理が煩雑になる
各アカウントで異なるターゲットに向けたメッセージを配信するため、誤配信や配信漏れのリスクが高まります。また、キャンペーンの開始・終了日時の管理も複雑になります。
スタッフの配置が必要
アカウントごとに管理担当を分ける必要があり、スタッフの配置や教育に時間とコストがかかります。
分析・改善が難しくなる
複数アカウントの効果測定をおこなう場合、それぞれのデータを個別に収集・分析しなければなりません。
これにより、データの統合や結果の比較が難しくなり、マーケティング施策の効果検証が煩雑になります。
各アカウントで集客する必要がある
複数アカウントを作成すると、それぞれのアカウントにフォロワーを集めるための施策が必要です。
1つのアカウントであれば、一貫した集客施策が可能ですが、複数アカウントでは、それぞれのターゲットに応じた集客戦略を立てなければなりません。
また、各アカウントでフォロワーを増やすための広告費用やプロモーション費用がかかるため、集客コストが増加する可能性があります。
店舗ごとのアカウント運用
複数店舗を展開する企業が店舗ごとにLINE公式アカウントを運用する場合、それぞれの店舗に対して独自の集客施策を行う必要があります。
例えば、地域に特化したキャンペーンやクーポン配布など、店舗ごとのマーケティング戦略が必要です。
ブランドごとのアカウント運用
複数のブランドを展開している企業がブランドごとにアカウントを作成した場合、各ブランドの認知度を高めるための広告やPRが必要になります。
配信メッセージ数によっては料金が割高になる
複数アカウントを運用することで、配信メッセージ数が増え、料金が割高になる可能性があります。
LINE公式アカウントでは、プランごとに無料メッセージ数の上限が設定されており、それを超えると追加料金が発生します。
複数アカウントで個別にメッセージを配信すると、1つのアカウントでまとめて配信するよりも多くのメッセージを送信することになり、結果としてコストがかさむことがあります。
同じ内容を複数アカウントで配信する場合
共通のキャンペーン情報を複数アカウントで配信する場合、フォロワーが分散しているため、それぞれのアカウントで同じ内容を送ることになり、メッセージ数が倍増します。
ターゲットごとのカスタマイズ配信
ターゲットごとに異なるメッセージを配信することで、全体の配信数が増加し、無料メッセージの上限を超える可能性が高くなります。これにより、追加の料金が発生します。
複数のLINE公式アカウントを管理するコツ
LINE公式アカウントを複数運用する場合、管理が煩雑になりやすいため、適切な運用体制を整えることが重要です。
ここでは、スムーズに複数アカウントを管理するための2つのコツについて詳しく解説します。
役割分担を明確にする
運用チーム内で役割を分担し、それぞれの担当を明確にすることで、管理の負担を軽減し、作業の効率化を図ることができます。
とくに、複数のアカウントを1人で管理すると作業が煩雑になり、ミスが発生しやすくなるため、適切な分担が重要です。
代表的な業務として、メッセージ配信、チャット対応、データ分析などがありますが、それぞれの担当を決めることで、運用の手間を削減し、効果的な管理が可能になります。
役割分担の例
■工程ごとに担当者を配置する
業務の工程ごとに担当者を決めることで、作業の重複や漏れを防ぎ、スムーズな運用を実現できます。
担当者 | 役割・業務内容 |
---|---|
コンテンツ担当 | 配信するメッセージや投稿内容を企画・作成 |
配信担当 | 各アカウントの配信スケジュールを管理、適切なタイミングでの情報発信 |
チャット対応担当 | 顧客からの問い合わせ対応、迅速なサポートの実施 |
データ分析担当 | 配信の効果分析、次回施策へのフィードバック |
■アカウントごとで担当者を分ける
「A店舗は担当者A」「B店舗は担当者B」というように、アカウントごとに担当者を設定することで、責任の所在を明確になり、円滑な運用が可能になります。
このように担当者を固定することで、混乱を防ぎ、スムーズな対応ができるようになります。
各アカウントの目的を明確にする
複数のLINE公式アカウントを作成しても、運用目的が曖昧なままでは、情報の重複や混乱を招き、効果的な管理が難しくなります。
そのため、アカウントごとの目的を明確にし、ターゲットに適した運用方針を決定することが重要です。
アカウントの目的設定の例
以下のように、目的別にアカウントを運用すると、情報の重複を防ぎ、ユーザーに最適な情報を届けやすくなります。
アカウントの種類 | 目的・運用内容 |
---|---|
店舗別アカウント | 各店舗のキャンペーン情報、営業時間の変更など、地域に特化した情報を発信 |
商品カテゴリー別アカウント | 例:化粧品ブランドなら「スキンケア専用アカウント」と「メイクアップ 専用アカウント」に分け、それぞれの興味を持つユーザーに最適な情報を提供 |
カスタマーサポート専用アカウント | 問い合わせ対応やアフターサービスを専門におこない、他のアカウントとの 差別化を図る |
ガイドラインの設定
アカウントごとに配信内容のガイドラインを設定することで、運用の一貫性を保ち、情報の混乱やブレを防ぐことができます。例としては以下のようなものがあります。
項目 | 設定例 |
---|---|
配信頻度 | 週に◯回までメッセージを送る |
投稿内容のバランス | 画像付き投稿を全体の◯割にする |
配信タイミング | キャンペーン情報は毎週〇曜日に配信 |
適切なガイドラインを設定し、それを運用チーム内で共有することで、ユーザーにとって統一感のあるアカウント運用を実現できます。
まとめ
複数のLINE公式アカウントを活用することで、ターゲットに応じた効果的な情報発信が可能になり、マーケティングの精度を高めることができます。
一方で、運用管理の手間やコスト増加といった課題もあるため、目的を明確にし、適切な運用体制を整えることが重要です。
本記事で紹介したメリット・デメリットを踏まえ、自社のビジネスに最適な運用方法を検討し、LINE公式アカウントを活用して効果的な情報発信を行いましょう。