RPA資格「RPA技術者検定」とは | 資格内容や取得することのメリット
単純作業の業務自動化に効果的なRPA(Robotic Process Automation)。働き方改革もあり、多くの企業が関心を持っています。
RPAには、NTTデータがヒューマンリソシアと協業して作った「RPA技術者検定」という資格があります。これは「WinActor」に関する技術取得レベルを測れる試験です。
ここでは、RPAの資格内容や資格を取得することのメリットについて解説します。
RPA資格「RPA技術者検定」とは
RPA技術者検定とは、RPAソリューションである「WinActor(ウィンアクター)」ユーザーの技術レベルを、客観的に評価する検定です。日本企業のRPA活用スキルの底上げが狙いでもあり、2018年5月1日に開始しました。
対象は、WinActorにより業務の自動化に取り組むユーザーや、WinActorを提供する側の技術者などです。RPA技術者検定に合格することで、WinActorへの理解を深め、スキルアピールにつながります。
コスト削減や生産性向上に必須のため、RPAの重要性はどんどん増し、使いこなす人の価値も高まるでしょう。
WinActorとは
2010年に生まれたWindows操作ロボットです。Windows端末から操作可能なあらゆるアプリケーションの操作手順を学習し、自動実行するソフトウェア型ロボットになります。
イメージとして、Excelのマクロと似たものがあります。RPAが優れているのは、Excel内だけでなく、パソコンで動くどんなソフトも自動化できる点です。
たとえば、問い合わせメールに24時間いつでも自動返信する、検索エンジンから特定の情報を取得するといった単純な反復作業を自動化できます。
すると、従業員がコア業務に注力できるようになり、人的ミスを減らし、人件費カットなどにつながるメリットがあります。
ただ、RPAはAI(人工知能)ではないため、手順が毎回変わる、判断が必要といったルール化できない作業には適しません。処理方法やルールが明確な作業に有効です。
RPA技術者検定のレベルは3段階
RPA技術者検定のレベルは次の3つに分かれており、それぞれの特徴を紹介します。
注意点として、受験するには本人確認書類を試験当日に提示する必要があります。キャンセルしても受験料は返金されません。
アソシエイト
WinActorの基本が身についており、独力で複雑なシナリオを構築できる程度の技術が目安です。WinActorの基礎知識を体系的に学びたい方、基本知識のある方が対象です。
受験日 | 365日 |
試験形式 | 多肢選択式 50問 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
受験資格 | 特になし |
受験会場 | CBT試験会場 |
受験料 | 6,500円(税込) |
なお、アソシエイトよりも簡単な「RPA入門講座」もあります。インターネットで無料の講習動画を見てから、択一式の20問に答える形式で、正答率80%以上で合格です。
試験範囲は「WinActorの基本機能を利用したシナリオの新規作成と修正」です。次のような知識が必要になります。
エキスパート
WinActorに関する深い知識を有し、シナリオ構築において何か障害があったとしても、別の手段により構築できる程度の技術が目安です。WinActorを業務上の改善ツールとして活用経験のある方、シナリオ変更やトラブル対応経験のある方が対象です。
受験日 | 年間4回 |
試験形式 | 実技試験 5問 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 正答率60%以上 |
受験資格 | 特になし |
受験会場 | 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇 |
受験料 | 15,000円(税込) |
- WinActorのシナリオ開発ができるレベルのアルゴリズムとプログラミング知識
- WinActorのシナリオの設計・製造・テストまでができるレベルのシステム開発技術
- WinActorの動作に必要なMicrosoft Windows 知識およびWinActorと連携させるソフトウェア知識
エキスパート以上の試験に合格すると、名刺などへ記載してスキルをアピールできます。
プロフェッショナル
WinActorに精通し、他の人が作ったシナリオの解析・修正やライブラリの開発ができる程度の技術が目安です。
受験日 | 年間1回 |
試験形式 | 実技 + 面談 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 検討中 |
受験資格 | エキスパート合格者 |
受験会場 | 東京 |
受験料 | 検討中 |
RPA技術者検定を取得するメリット
RPA技術者検定を取得すると、技術者として次のようなメリットがあります。
WinActorへの理解を深めることができる
資格取得のために勉強するため、WinActorの知識・技術がアップします。
RPAを使いこなすことで仕事を効率化でき、大事な業務に集中できるため、役立つ場面は多いです。
合格という目標ができることで、スキル向上のモチベーションも上がります。
専門分野での権威性を高めることができる
スキルをアピールできる客観的な指標になるため、昇格や転職で有利になります。名刺にも記載できます。
また、企業側のメリットとしてはRPAを活用できる人材を社内に定着させることで、主体的な働き方改革の促進と、継続した活躍が期待できます。
ただ、専門的な分野の資格になるので、自分のビジネスにおいて資格取得にどのくらいの効果があるのかしっかり考えてから挑戦するのがおすすめです。
まとめ
RPA技術者検定は、WinActorの知識を深めるだけでなく、業務効率化の足掛かりとなる資格です。
RPAについて、深く理解したいという方は、受講を考えてみてはいかがでしょうか。