会計ソフトは、システム上であらゆる勘定科目の仕訳や集計ができ、賃金台帳や試算表の作成も簡単におこなえ、会計業務の効率を大幅に高めてくれます。
なかでも、クラウド型の会計ソフトは初期費用も安価なものが多く、パソコンやサーバーにインストールする手間もないため、比較的気軽に導入できるのが魅力です。
では、クラウド型の会計ソフトにはどのような機能、特徴をもつ製品があるのか、おすすめ5選をご紹介いたします。
クラウド会計ソフト選びのポイント
クラウド会計ソフトには多くの製品がありますが、どれが自社の利用環境に適しているのか、どの部分を比較すればよいのか、選ぶときのポイントについてご紹介いたします。
経理体制に適したものを選ぶ
クラウド会計ソフトによっては、利用するユーザー数や処理可能な仕訳伝票数などでプランが分けられていることもあります。
たとえば、利用人数が少ないにも関わらず、ユーザー数や伝票数が無制限というソフトだと、費用が高額になりやすいです。
自社で会計ソフトが必要な人数を再確認し、また会計規模とあわせて最適なプランのあるものを選ぶことで、運用コストを削減できます。
また、契約税理士も利用できるのかどうか、すでに会計ソフトを利用しているのであれば、データ移行がスムーズにできるか、という部分も確認しておくのがおすすめです。
セキュリティ対策で選ぶ
クラウド会計ソフトは、各種クレジットカード番号や銀行口座の情報など、重要な会計データをクラウド上に保管するものです。
たとえば、利用IP制限や権限の設定、二段階認証といった機能が搭載されているかどうかなど、セキュリティ対策が万全なソフトであるかも重要なポイントになります。
サポート体制の充実度で選ぶ
クラウド会計ソフトの導入効果を最大限に活かすには、利用する従業員が操作方法を理解しやすく、疑問が生じたときもすぐ解決できるサポート体制があることも重要です。
サポートの手段はソフトの提供企業によって大きく異なり、チャットやメールのほか、電話や画面共有などで分かりやすく解説してくれるところもあります。
どのようなサポートがあるのか、はじめてのソフト導入や経理のプロに相談したい場合は、手厚い有料サポートはあるか、などもチェックしておくとよいでしょう。
クラウド会計ソフトおすすめ5選
ここでは、クラウド会計ソフトのおすすめ製品を5つ、特徴とあわせてご紹介いたします。
マネーフォワード クラウド会計
導入企業の満足度ナンバーワン、継続率99%のクラウド会計ソフトです。中小企業から上場企業まで幅広く、豊富な導入実績があります。
銀行やクレジットカードはもちろん、電子マネーやPOSレジ、Amazonはじめネットショッピングサイトなど3,000以上のサービスと連携でき、日々の取引データを自動取得できます。
連携した銀行やクレジットカードに対応する仕訳候補を自動で作成できるほか、一度登録した仕訳の内容をAIが学習するため、使うほど自動仕訳の精度が向上します。
特徴
- 30日間無料トライアルあり
- 3,000以上のサービスと連携可能
- AIが自動入力、自動仕訳
- 決算書を自動で作成
- 金融機関レベルの安全性
弥生会計オンライン
会計ソフトとしてシェアナンバーワン、WindowsだけでなくMacでも利用できるソフトです。1年間無料でたっぷりトライアルができます。
「スマート取引取込」機能では銀行口座の明細を自動取り込みできるほか、レシートや領収書のスキャンデータやスマホアプリで撮影したデータを自動仕訳が可能です。
ベーシックプランでは電話、メールでの操作サポートだけでなく、仕訳や経理業務の相談にも答えてくれるなど、サポートも手厚いです。
特徴
- 1年間無料トライアルあり
- 銀行口座、見積・請求サービス、POSレジなどと連携可能
- レシートや領収書はスキャナーで取り込むだけで自動仕訳
- 弥生PAP会員の会計事務所とのデータ連携もスムーズ
- 登録した取引から決算書を自動作成できる
クラウド会計ソフト freee
シェアナンバーワンのクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードと同期でき、明細を自動取得、登録できるため、入力の手間も省けます。連携金融機関も3,200以上です。
確定申告も〇×形式の質問に答えるだけで簡単に書類を作成でき、クラウドならでは、つねに最新の税制にも対応しています。
すでに別の会計ソフトを利用している企業さま向けに、会計データの移行を代行する「移行おまかせサービス」も提供しており、手間なく乗り換えができます。
特徴
- 30日間無料トライアルあり
- 銀行口座やクレジットカードと同期可能
- 確定申告書の作成と提出が可能
- 写真からの領収書の取り込みが可能
- 移行おまかせサービスあり
勘定奉行クラウド
2020年版、中堅・中小企業のITアプリケーション利用実績と評価レポートにおいて、ナンバーワンの会計管理ソフトです。導入実績も66万社にのぼります。
API&CSV連携により外部システムや独自業務アプリ、POSレジなどと連携できるほか、奉行シリーズ製品と連携することで、支払管理や申告業務の効率化もおこなえます。
拡張アセンブリという拡張機能により、オリジナル帳票作成や、今後は資金繰り・資金予測、仕訳伝票項目追加にも対応予定とのことです。
特徴
- 30日間無料トライアルあり
- API&CSV連携も可能
- グループ運用にも対応
- データ移行もカンタン、最短1日で可能
- 随時、新機能が追加される
ジョブカン会計
シリーズ累計12万社突破のジョブカン製品です。クラウドながら軽快な操作性、金融機関連携や決算書の作成、よく使う項目の入力を省けるなど、必要な機能はすべて揃っています。
サポートは無料、制限なしでメールとチャット、電話で対応しています。また、定期的に無料の利活用セミナーも実施されており、操作に関しても安心して利用できます。
無料トライアルでは、会計だけでなくジョブカンシリーズ各種すべての機能を30日試せるため、連携の使い勝手もあわせて確認できます。
特徴
- 30日間無料トライアルあり
- 銀行やクレジットカードと連携、明細を自動取り込み
- ショートカット機能により時短操作が可能
- 部門を階層構造で5階層まで登録可能
- 決算書・株主資本変動計算書・個別注記表を作成可能
クラウド会計ソフトの導入メリット
クラウド会計ソフトを導入すると業務上どのようなメリットが得られるのかについても解説いたします。
インターネット環境があれば外出先でも利用できる
クラウド会計ソフトはクラウドで利用できるため、インターネットに接続できれば、パソコンだけでなくスマホやタブレットでも利用できます。
そのため、外出先でのモバイルワーク、自宅でのテレワークでも、場所も選ばずいつでも作業をおこなえます。
簿記の知識がなくても利用できる
会計業務というと簿記の知識が必須に思われがちですが、会計ソフトを使う場合にこのような知識や専門用語はほとんど必要ありません。
多くのソフトが誰でも操作しやすいように考えられており、クレジットカードやネットバンキングと連携すれば入出金データも自動入力、計算されるため、複雑な計算処理も不要です。
常に最新のシステムを利用できる
クラウド会計ソフトはベンダーが保有するサーバー上で稼働するため、パソコンや自社サーバーにインストールする必要がありません。
このため利用者側はなにもしなくても、メンテナンスにより自動で不具合修正や新しい法令に対応した最新バージョンにアップデートされるため、更新の手間や漏れがありません。
まとめ
今回はおすすめのクラウド型会計ソフトをご紹介しました。
どのソフトも知名度があり、もちろん機能も優れていて導入社数が多いものばかりです。導入を検討されている際は、選び方の項を参考にして製品を比較してみてください。