近年、多くの企業や店舗が活用している「LINE公式アカウント」。その中でも「認証済アカウント」は、信頼性やブランド力を高める重要なステータスとして注目されています。
しかし、「認証済アカウント」とは具体的にどのようなものなのか、一般的なアカウントと何が異なるのでしょうか?
本記事では、「認証済アカウント」の特徴やメリット・デメリット、さらに申請時の注意点について詳しく解説します。
LINEをビジネスに活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
認証済アカウントとは
LINE公式アカウントの「認証済アカウント」は、LINEが公式に認証したアカウントのことです。
このステータスを取得することで、利用者や顧客に対して信頼性を示すことができ、LINE上でのビジネス活動がさらに効果的になります。
認証済アカウントと未認証アカウントの違い
LINE公式アカウントには「認証済アカウント」と「未認証アカウント」の2種類があり、それぞれ特徴や利用可能な機能が異なります。
認証済アカウントは、LINEヤフー社の審査を通過したアカウントで、青色の認証バッジが付与されるほか、LINEアプリ内での検索表示や友だち追加広告の利用が可能です。これにより、信頼性を高めながら新規顧客を獲得しやすくなります。
一方、未認証アカウントは個人や法人問わず審査なしで作成でき、アカウント開設後すぐに利用を始められるのが特徴です。ただし、検索表示や広告機能には制限があります。
まずは未認証アカウントで運用をスタートし、必要に応じて認証済アカウントへの移行を検討するのがおすすめです。審査は無料で申請可能なため、目的に応じて最適なアカウント種別を選択しましょう。
認証済アカウント:信頼性を重視し、広告や高度なマーケティング機能を活用したい場合におすすめです。
未認証アカウント:まずは手軽にLINE公式アカウントを試したい場合や、小規模なビジネス運用に最適です。
認証済アカウントのメリット
では、認証済アカウントとなることで、アカウントの運営にどのようなメリットがあるのかについてご紹介いたします。
認証済アカウントのバッジ(青色)が付与される
認証済アカウントには、アカウント名の横に青色の認証バッジが表示されます。このバッジは、LINEによる公式認証を示すもので、ユーザーに安心感を与えます。
とくに、詐欺や偽アカウントが懸念される環境では、この公式性が信頼性の証となり、アカウントへの好感度や信頼度が向上します。
LINEアプリ内の検索対象になる
認証済アカウントは、LINEアプリ内での検索結果に表示されるため、ユーザーが簡単にアカウントを見つけることができます。
検索結果での優先表示により、新規顧客の獲得やブランド認知の向上が期待できます。一般アカウントでは検索対象にならないため、この機能は大きな差別化ポイントです。
「友だち追加広告」を利用できる
認証済アカウントは、トークリストやLINE NEWS、LINE VOOMなど、LINEアプリ上に友だち追加を促す広告を出稿できます。
通常、友だち追加を促す方法としては店舗でのチラシ設置や、ホームページ上にリンクを設置するなど、すでに店舗やサービスを認知しているユーザーに呼びかける方法しかありません。
しかし、友だち追加広告であれば、LINE上でもターゲットとなる新規ユーザーにアカウントを直接宣伝し、「友だち追加」につなげられるため、より効率的にファンや顧客を増やすことが可能になります。
「請求書決済」を利用できる
認証済アカウントは、BtoB掛売り・請求書決済サービス「Paid」による「請求書決済」機能を利用できます。
これにより、顧客に請求書を発行し、LINE上でスムーズに支払いを完了してもらうことが可能です。とくにBtoBビジネスや個別対応が多い業種で役立ちます。
「メンバーシップ」を利用できる
LINE公式アカウント上でサブスクリプションサービスを作成できる「メンバーシップ」機能が利用できるようになります。
メンバーシップ機能は、ポイントカードや会員制度を提供できます。これにより、顧客との長期的な関係を築き、リピーターの獲得や顧客ロイヤルティの向上に期待できます。
「リサーチ」「アカウント満足度調査」機能で自由回答を選択できる
LINE公式アカウントは、友だちに対して「リサーチ」「アカウント満足度調査」などのアンケートを実施できますが、認証済アカウントはこの際に自由回答形式を利用できます。
ユーザーからより具体的なフィードバックを得ることが可能となり、マーケティング戦略やサービス改善に役立ちます。
LINEアプリ内にアカウント情報やクーポンを掲載できる
認証済アカウントは、LINEアプリ内の「LINEチラシ」などの機能を使って、アカウント情報やクーポンを掲載できます。これにより、集客を強化し、直接的な販促活動が可能となります。
有料ノベルティを購入できる
LINEの提供する有料ノベルティを購入し、キャンペーンやプロモーションに活用できます。オリジナルグッズや限定アイテムを提供することで、顧客満足度を向上させ、リピーターの獲得につなげられます。
案内用ポスターを無料でダウンロードできる
LINEが提供する案内用ポスターを無料でダウンロードできます。案内用ポスターにはLINE公式アカウントのIDと、友だち追加リンクのQRコードが表示されます。
店舗やイベントでの掲示に利用でき、オフラインでも効率的にLINE公式アカウントの「友だち追加」促進に有効です。
認証済アカウントのデメリット
認証済アカウントは、信頼性や機能の面で大きな利点がありますが、認証手続きのハードルや運用コスト、責任の増加などのデメリットも考慮する必要があります。
認証済アカウントとしてLINEアカウントを運用する場合のデメリットについてご紹介いたします。
認証手続きのハードルが高い
認証済アカウントとなるには、LINEによる審査を通過しなければなりません。この審査では、以下の情報を求められます。
- 事業者情報(企業名、所在地、連絡先など)
- 登録者の本人確認書類
- アカウント運用の目的や内容の詳細
このため、審査に必要な書類を準備する手間がかかり、基準を満たさない場合は認証が下りません。また、審査には時間がかかることがあります。
運用コストが高くなる可能性がある
認証済アカウントが利用できる「友だち追加広告」や「請求書決済」などの機能を利用するには、広告費や利用手数料が必要です。
機能の運用には専門知識が必要
認証済アカウントで利用可能な高度な機能(例えばリサーチ、メンバーシップ、友だち追加広告など)を効果的に活用するには、マーケティングやLINEプラットフォームの専門知識が求められます。
認証後の運用ルールの厳格化
認証済アカウントはLINE公式の基準を満たしていることを示しますが、その一方で、運用中の行動にも一定のルールが適用されます。LINEのガイドラインに違反すると、アカウント停止または削除されるリスクがあります。
認証済アカウントの申請方法
では、認証済アカウントを申請する方法について、新規アカウントを作成する場合と、すでにアカウント作成済の場合とあわせて解説いたします。
|新規アカウントを作成する場合
LINE公式アカウントを作成し、作成完了の画面で下部にある「アカウント認証をリクエストする」をクリックすることで申請がおこなえます。
|すでにアカウント作成済の場合
1.LINE公式アカウント管理画面(LINE Official Account Manager)にアクセスし、「設定」をクリック(Web版は右上、アプリ版はメニュー内の設定をタップ)
2.「アカウント認証をリクエスト」をクリック
3.
必要な項目を入力し、「確認する」をクリックすると申請完了です。
認証済アカウントを申請する際の注意点
認証済アカウントを取得するためには、LINEの審査基準を満たし、正確な情報を提供することが重要です。以下に、申請時に特に注意すべきポイントを詳しく説明します。
アカウント名は店舗の正式名称を設定する
LINE認証済アカウントでは、アカウント名がユーザーに表示されるため、店舗の正式名称を設定することが求められます。
アカウント名を省略形やニックネーム、申込者氏名と同一にすると、審査で拒否される可能性があります。なお、認証審査申請後にアカウント名の変更はできません。
申込者情報を正確に入力する
申請時に入力する情報がLINEの審査で重要視されます。特に、申込者や事業者に関する情報は正確であることが必須です。氏名欄にはフルネームを入力してください。
登記簿謄本や契約書などの提出資料と申込情報が一致していることが求められます。不一致があると審査が遅れたり、認証が下りない可能性があります。
また、電話番号やメールアドレスといった連絡先に誤りがあると、LINEからの連絡を受け取れず、審査に影響する可能性があります。
審査には5~10営業日かかる
申請後、LINEの審査には5~10営業日が必要です。LINEに審査状況を問い合わせても対応していません。
キャンペーンやイベントに合わせて認証済アカウントを活用したい場合、余裕を持ったスケジュールで申請しておく必要があります。
また、提出書類に不備があった場合、審査期間が延びる可能性があります。提出前に書類を慎重に確認することが重要です。
開設できない業種・サービスがある
LINEでは一部の業種やサービスに対して認証済アカウントの開設を制限しています。LINEのガイドラインでは、以下のような業種が制限されています。
- 医療系:医薬品などの商品、サービス
- 出会い:出会い喫茶、テレクラなど出会いの機会・場所を提供するもの
- アダルト:性風俗店、アダルトショップなどアダルト関連店舗・サービス
- ネット関連ビジネス:情報商材、能力開発商材、リアルマネートレードなど
- 無限連鎖販売取引・連鎖販売取引:ねずみ講、マルチ商法・MLM、ネットワークビジネス
- ギャンブル:換金可能なカジノ・オンラインカジノサービス
このほか、悪質商法や個人情報の売買など詐欺や、犯罪に使用されるおそれのある商品を扱うサービスはアカウント開設ができません。
また、一部の業種では追加の情報や書類提出を求められる場合があります。申請前にLINEの公式ガイドラインを確認し、自社の業種が開設可能かどうかを確認する必要があります。
まとめ
LINE公式アカウントの認証済アカウントは、信頼性の向上や多様な機能を活用することで、ビジネスに大きなメリットをもたらします。ただし、申請時の注意点や運用にかかるコストを十分に理解した上で、自社のニーズや戦略に合った活用方法を検討することが重要です。
LINEをビジネスで効果的に活用するための第一歩として、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。認証済アカウントを取得し、LINEを通じた新たな可能性を広げましょう。