LINE公式アカウントのメッセージ配信は、企業や店舗が顧客と直接コミュニケーションを取るための効果的なツールです。
LINEユーザーにタイムリーかつパーソナライズされたメッセージを送ることで、顧客の関心を引き、より深い関係性を築くことができます。
本記事では、LINE公式アカウントのメッセージ配信の仕組みや、効果的な配信をおこなうための設定方法について詳しく解説します。
LINEを活用したマーケティングや顧客サポートの強化を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
LINE公式アカウントのメッセージ配信とは
LINE公式アカウントのメッセージ配信は、企業や個人事業主がLINEアプリを通じてフォロワーや顧客に対して一斉にメッセージを送信できる機能です。
この機能を使うことで、LINEでキャンペーン情報や商品・サービスのお知らせ、クーポン、アンケートなどを直接ユーザーに届けることができます。
メッセージ配信はLINEマーケティングの中心的な機能で、ターゲットに応じたパーソナライズされた内容の配信が可能です。
LINE公式アカウントのメッセージ配信のメリット
高い開封率とリーチ
日本国内で広く利用されているLINEは、ほかのプラットフォームに比べて高い開封率を誇ります。これにより、情報を確実にユーザーへ届けることができます。
顧客との双方向コミュニケーション
メッセージ配信を通じて顧客と直接対話が可能で、ユーザーからフィードバックを得たり、問い合わせに個別対応をしたりすることもできます。
リアルタイムの配信
キャンペーンやセール、イベント情報など、タイムリーに情報を届けたい場合にも迅速にメッセージを送ることができ、リアルタイムのマーケティングに適しています。
LINE公式アカウントのメッセージ配信は、企業と顧客のつながりを強化し、売上やロイヤリティ向上に貢献する重要なツールです。
メッセージの種類
LINE公式アカウントのメッセージ配信では、さまざまなメッセージ形式を活用することができ、ユーザーに対して効果的に情報を伝えることが可能です。
それぞれのメッセージ形式について解説します。
テキストメッセージ
テキストメッセージは、最もシンプルで基本的なメッセージ形式です。短い文章で商品やサービスの案内、イベント告知など、ストレートに情報を伝えるのに適しています。LINEユーザーに手軽に配信でき、迅速なコミュニケーションを実現します。
配信側のメリットとしては、シンプルな形式で即座に作成・配信ができる点が挙げられます。また、少ないリソースで広範囲にリーチが可能です。
活用例
セール情報や新商品の簡単な告知、イベントリマインダー、短い挨拶メッセージなど。
リッチメッセージ
リッチメッセージは、画像全体がリンクとして機能するメッセージ形式です。画像の一部をタップすることで、指定したページやコンテンツにユーザーを誘導できます。
視覚的に訴求力が高いため、キャンペーンやプロモーションの訴求に適しています。
配信側のメリットとしては、画像全体にリンクを設定でき、ユーザーの視線を集めやすいこと。またタップ率が高く、販促効果が期待できます。
活用例
新商品紹介の画像、セールやイベントのバナー、特定のページへの誘導(ECサイトやキャンペーンページ)。
リッチビデオメッセージ
リッチビデオメッセージは、動画をメインにしたメッセージ形式です。動画視聴後に、ボタンやリンクで追加情報に誘導できるため、よりインタラクティブな体験を提供できます。
視覚と音声を活用して、より強力なメッセージを伝えることができます。
配信側のメリットは、動画の視覚・聴覚的な要素によって、テキストや画像よりも強い印象を与えられる点です。情報をリッチに伝え、ユーザーのエンゲージメントを高められるでしょう。
活用例
新商品のプロモーション動画、イベントのダイジェスト、ブランドイメージの強化、商品の使用方法紹介動画など。
カードタイプメッセージ
カードタイプメッセージは、複数の画像やテキストをスライド形式で表示できるメッセージです。各カードにリンクやボタンを設定でき、複数の商品やサービス、コンテンツを一度に紹介する際に便利です。
配信側のメリットは、1つのメッセージで複数のコンテンツを訴求できることです。ユーザーが興味のある内容を個別に選んでアクセスできるため、効率的な情報提供が可能になります。
活用例
複数の新商品ラインナップ紹介、異なるカテゴリの情報をまとめて案内、店舗メニューの紹介など。
クーポン
クーポンは、LINE公式アカウントを通じて、ユーザーに割引や特典を提供する形式のメッセージです。
クーポンを送ることで、来店や購入を促進し、顧客ロイヤルティの向上に貢献します。
配信側のメリットには、直接的な販促効果が期待できる点があります。ユーザーに特典や割引を提供することで、購買意欲を喚起できるでしょう。
活用例
期間限定の割引クーポン、次回購入時の特典クーポン、来店促進のためのキャンペーンクーポンなど。
リサーチ(アンケート)
リサーチ機能は、ユーザーにアンケートを送信し、意見やフィードバックを収集できるメッセージ形式です。選択式の質問を設定でき、ユーザーの興味や満足度を把握するのに役立ちます。
これにより、配信側は顧客の意見やニーズを直接収集できます。マーケティング戦略や商品開発に役立つでしょう。
活用例
新商品のフィードバック調査、顧客満足度調査、イベント参加者の感想収集、キャンペーン内容の改善点など。
メッセージ配信の仕組み
LINE公式アカウントのメッセージ配信には、さまざまなプランやルールがあり、配信の仕組みが細かく設定されています。
ここでは、「配信できるメッセージ数」「1通のメッセージに設定できる吹き出しの数」「メッセージ通数のカウント方法」について詳しく説明します。
配信できるメッセージ数はプランによって異なる
LINE公式アカウントでは、利用するプランによって月に配信できるメッセージの数が異なります。基本的には、以下の3つのプランがあり、それぞれで配信可能なメッセージ通数が決まっています。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費 (税別) | 0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数(月) | 200通 | 5,000通 | 30,000通 |
追加メッセージ料金 (税別) | 不可 | 不可 | ~3円/通 |
コミュニケーションプラン
月額無料で利用できるプランです。月に配信できるメッセージ数は200通までに制限されています。追加でメッセージを送信することはできません。
ライトプラン
月額5,000円の費用がかかりますが、配信数が増加するプランです。月に5,000通までメッセージを送信可能です。こちらも追加でメッセージを送信することはできません。
スタンダードプラン
より大規模な配信をおこないたい場合に適したプランです。月に30,000通まで配信でき、それ以上の配信は1通あたり~3円の追加料金が発生します。
月ごとのメッセージ数を超過した場合、スタンダードプランのみメッセージ数の追加が可能。なお、配信単価は配信数によって次のように変動します。
追加メッセージ配信数 | 単価 | 配信単価(目安) |
~50,000 | 3.0円 | 3.00円 |
50,001~100,000 | 2.8円 | 3.00~2.90円 |
100,001~200,000 | 2.6円 | 2.90~2.75円 |
200,001~300,000 | 2.4円 | 2.75~2.63円 |
300,001~400,000 | 2.2円 | 2.63~2.53円 |
400,001~500,000 | 2.0円 | 2.53~2.42円 |
500,001~600,000 | 1.9円 | 2.42~2.33円 |
600,001~700,000 | 1.8円 | 2.33~2.26円 |
700,001~800,000 | 1.7円 | 2.26~2.19円 |
800,001~900,000 | 1.6円 | 2.19~2.12円 |
900,001~1,000,000 | 1.5円 | 2.12~2.06円 |
1,000,001~3,000,000 | 1.4円 | 2.06~1.62円 |
3,000,001~5,000,000 | 1.3円 | 1.62~1.49円 |
5,000,001~7,000,000 | 1.2円 | 1.49~1.40円 |
7,000,001~10,000,000 | 1.1円 | 1.40~1.31円 |
1通のメッセージに最大3つの吹き出しを設定できる
LINEのメッセージでは、1通のメッセージ内に最大3つの吹き出し(バルーン)を設定できます。吹き出しとは、テキスト、画像、スタンプ、リッチメッセージなど、1つのコンテンツを表示する際の単位です。
例えば、1つ目の吹き出しでテキストの「セール情報」、2つ目の吹き出しで商品画像、3つ目の吹き出しに「詳しくはこちら」のリンクボタンを設置する、といった組み合わせが可能です。
複数の情報を1つのメッセージ内でコンパクトにまとめ、1回の配信で多くの情報を伝えられます。視覚的に整理されたメッセージは、ユーザーの閲覧体験を向上させます。
メッセージ通数のカウント方法
LINE公式アカウントのメッセージ通数は、以下のルールでカウントされます。
1通の定義
メッセージ配信1回につき「1通」としてカウントされます。ただし、1通に最大3つの吹き出しを設定した場合は、これも1通とカウントします。
ユーザー数と通数の関係
メッセージ通数は、配信するメッセージのユーザー数に応じてカウントされます。例えば、同じメッセージを100人に送った場合、それは100通となります。
セグメント配信時のカウント
セグメント配信を利用して一部のユーザーにのみメッセージを送る場合、そのメッセージが送信されたユーザーの数だけカウントされます。例えば、500人のフォロワーのうち200人に限定してメッセージを送信した場合、その配信は200通となります。
メッセージ配信の設定方法
それでは、LINE公式アカウントでメッセージ配信をおこなう際の設定方法についてご紹介します。
まず管理画面にログインし、ホームで「メッセージ配信」→「メッセージを作成」を選択してください。すると、以下の画面が表示されます。
1. 配信先の設定
設定項目の一番上、「配信先」を選択する部分です。メッセージの配信先を「すべての友だち」か「絞り込み」にするか選択します。
2. 配信日時の設定
「配信日時」の設定では、メッセージを「今すぐ配信」か「予約配信」するか選択できます。予約配信を選択した場合、日時の入力をおこないます。
3. 高度な配信設定
「高度な設定」の項目は選択しなくても配信可能ですが、必要に応じてチェックをつけておくことで、配信に関する便利な機能を4つ利用できます。
LINE VOOMに投稿
LINE VOOMとは、LINE内でショート動画などを楽しめるサービスです。LINEトップの下部メニュー中央からアクセスできます。
ここにあわせて投稿をおこなうことで、友だち以外のユーザーにもメッセージを届けられます。
配信メッセージ数の上限を指定
配信費用は配信メッセージの件数で変わります。このため、予算などに合わせてメッセージ数の上限を設定しておくこともできます。
指定できる件数は、その時点で配信可能な数以内です。配信先は配信時点で登録されている友だちの中からランダムで選ばれます。
A/Bテストを作成
複数のメッセージを作成し、ユーザーを特定の割合のグループに分けて配信することで、効果測定をおこなえる項目です。
A/Bテストメッセージは、メッセージの配信が可能な友だち「ターゲットリーチ」が5,000人以上必要になります。
キャンペーンを設定
キャンペーンとは、メッセージ配信の分析に関する機能です。
通常、分析はメッセージ単位でおこなえますが、作成したキャンペーンとメッセージを連携することで、複数のメッセージを横断してキャンペーン単位で分析・集計が可能になります。
4. メッセージを作成する
メッセージの入力欄では、上部のメニューボタンを選択することで、テキストのほかに画像や動画などを挿入できます。
「+追加」ボタンを押すと、吹き出しを最大3件まであわせて配信できます。3件までは配信回数が1回とカウントされるため、文章が長くなる場合などは区切るとよいでしょう。
5. 「配信」「下書き保存」「テスト配信」から選択
メッセージの作成が完了したら、「配信」「下書き保存」「テスト配信」のボタンがあるため、配信するのであれば「配信」を選択して完了です。
メッセージ配信の効果を高めるコツ
LINE公式アカウントを活用して効果的にメッセージ配信を行うためには、メッセージ内容や配信のタイミング、ターゲティングの精度を工夫することが重要です。
以下に、メッセージ配信の効果を高めるための具体的なコツを詳しく説明します。
配信する頻度と日時に考慮する
配信の頻度や日時を適切に設定することで、ユーザーの興味を引き、メッセージの開封率や反応率を向上させられます。
過剰な配信やタイミングを誤った配信は、逆にユーザーの離脱やブロックにつながる可能性があるため、慎重に計画する必要があります。
適切な頻度
メッセージ配信の頻度は、業種や目的に応じて異なりますが、基本的には週に1〜2回が適切とされています。
多すぎると煩わしさを感じさせ、少なすぎるとブランドやサービスが忘れられる可能性があります。重要なのは、配信の目的や内容に応じてバランスを取ることです。
配信日時の考慮
配信のタイミングは、ユーザーのライフスタイルや行動パターンを考慮して設定することが重要です。
例えば、ビジネスマンをターゲットにしている場合、平日の午前中やお昼休憩後など、スマホを操作することの多いタイミングが効果的です。
逆に、一般消費者をターゲットにしている場合は、夕方から夜、週末が効果的な場合もあります。また、月末や給料日の直後など、購買意欲が高まる時期も狙い目です。
試行と分析
配信頻度や時間帯については、最適なタイミングを見つけるためにA/Bテストを行い、反応率をデータで確認することが推奨されます。
ユーザーの行動を観察し、もっとも効果的なタイミングを見極めることが重要です。
セグメント配信(絞り込み機能)と組み合わせる
LINE公式アカウントでは、フォロワーをセグメント分けして特定のグループにメッセージを送る「セグメント配信」機能が利用できます。
この機能を活用することで、ターゲットに合わせたメッセージを送信でき、配信の効果を大幅に向上させることが可能です。
セグメント配信のメリット
セグメント配信を行うことで、興味やニーズに応じたパーソナライズされたメッセージを送ることができます。
例えば、購買履歴や地域、年齢、性別などに基づいてターゲットを絞り込み、ユーザーに最も適した内容を届けることが可能です。
このように、ユーザーの属性に応じた情報を提供することで、開封率やクリック率が向上し、結果としてコンバージョンが増加します。
長文にならないようにする
LINEは他のプラットフォームに比べて手軽に利用できるコミュニケーションツールであり、ユーザーは短くて簡潔な情報を好む傾向があります。
そのため、メッセージが長文になると読まれる確率が下がり、重要な情報が伝わりにくくなります。
簡潔で分かりやすいメッセージ
メッセージは簡潔にまとめ、要点を絞って伝えることが重要です。とくに、第一段階でユーザーに興味を持ってもらうために、もっとも重要な情報を冒頭に配置しましょう。
また、必要であれば、詳細な情報はリンクやボタンを使って外部サイトや別のページに誘導することで補足します。
視覚的に分かりやすいレイアウト
テキストが長くなる場合、段落を短く分けたり、箇条書きやリスト形式で情報を整理することで、視覚的に分かりやすくなります。
画像やリッチメッセージを組み合わせて、情報の受け取りやすさを向上させることも有効です。
アクションを促すシンプルなメッセージ
ユーザーに行動を促すCTA(Call To Action)も簡潔にしましょう。「今すぐチェック」「限定クーポンを入手」など、ユーザーが次に取るべき行動を明確に示すことが効果的です。
まとめ
LINE公式アカウントのメッセージ配信は高い開封率とリーチを誇り、顧客との双方向コミュニケーションに活用できるうえ、リアルタイム配信でタイムリーな情報を配信できるなど、多くの特長があります。
また、メッセージもテキストだけでなく画像にリンクを設置することも可能で、配信設定も日時だけでなく配信先のユーザーを絞り込むこともでき、分析機能もあるなど、ビジネスで非常に役立ちます。
メッセージ配信の効果を最大限に引き出すには、ユーザーがいつ、どのような情報を求めているのかをよく理解し、配信の適切な日時と頻度、内容をよく検討し、配信後も分析してブラッシュアップしていくことが重要といえるでしょう。