保管スペースを気にすることなく契約書の管理ができる「契約書管理システム」。契約書の電子化が進むいま、導入を検討されている企業も多いと思います。
契約書の管理だけでなく、契約書作成・発行できる製品が多く、契約書に関わる業務の効率化が可能です。
今回は、契約書管理システムの概要とおすすめ7選、さらに選ぶときのポイントやメリットなどについてご紹介します。
契約書管理システムの概要
契約書管理システムとはどのようなシステムなのか、どんな機能を備えているのかについて解説します。
契約書管理システムとは
契約書管理システムとは、紙で締結した契約書、電子締結した契約書を一元管理できるシステムです。そのほかにも契約書の作成、締結状況の確認、契約期限の把握などをおこなえます。
さらに、契約書のタイトルや締結相手、フリーワードなど様々な方法から検索でき、契約書管理の手間を大幅に削減することができます。
契約書管理システムの主な機能
契約書管理システムに搭載されている主な機能を紹介します。
バージョン管理
変更する前のバージョンを残しておく機能です。契約書を誤って上書きしても、変更を加える前のバージョンに戻すことができます。万一の場合に備えて、あると非常に役立つ機能です。
文書の検索
契約書の種類、取引先、契約締結日、契約更新日などに加え、フリーワードで文書を検索できる機能です。
文書の電子化
紙で契約した契約書や関連する書類などを電子化し、保管する機能です。書類をスキャンしてPDF化し、管理することができます。
更新期限通知
契約書の更新や解約時期が近づいたらアラート通知で知らせてくれる機能です。見落としがなくなるため、契約書の更新管理がしやすくなります。
契約書管理システムの選定ポイント
契約書管理システムの導入を検討する際に、確認すべきポイントをご紹介します。
どのような機能が備わっているか
契約書管理システムの細かな機能は製品ごとに異なります。紙の契約書のデータ化やワークフロー、認証機能、アクセス制限など様々な機能があります。
そのためシステムを導入する目的、解決したい課題を明確にし、必要な機能を選定することが重要です。
セキュリティ対策は万全か
契約書の管理は、顧客情報など重要性の高いものが記載されているので、セキュリティ対策が重要です。
そのためアクセス制限や操作ログ管理、自動バックアップ機能など、契約書を安全に守ってくれるシステムを選びましょう。
クラウド型 or オンプレミス型
契約書管理システムには、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つがあります。
クラウド型は、インターネット上のサーバーで契約書を管理します。サーバー運用の手間がなく、利用料も安価なものが多いです。
オンプレミス型は、自社サーバーで契約書を管理します。自社でサーバーメンテナンスをおこなう必要がありますが、カスタマイズしやすくセキュリティに強いと言えます。
サポート体制は充実しているか
導入前や導入後のサポートの有無は、システムを運用する上でとても重要な要素です。 システムにトラブルが発生したときに迅速に対応してもらえるか、社内体制が変更したときに機能変更の相談はできるかなど、サポート体制の有無がシステム運用に影響します。
契約書管理システムおすすめ7選
おすすめの契約書管理システムを7つご紹介します。
NINJA SIGN
NINJA SIGNは、契約書の作成、締結、管理まで、契約業務の煩雑なプロセスをこれ1つでオンライン完結するワンストップ型の電子契約サービスです。
過去の契約書も一括保管でき、検索や有効期限のリマインドなど、電子契約システムならではの便利な機能が満載です。
特徴
- 過去の契約書もPDF化して一元管理
- よく使用する契約書のひな形をテンプレートとして登録
- 社内承認をクラウド上で完結
- 印刷・押印・郵送が不要
LegalForceキャビネ
LegalForceキャビネは、締結済みの契約書を放り込むだけで、全文テキストデータ化し、AIが管理台帳を自動生成する「AI契約書管理システム」です。
自社の体制に合わせた契約書管理を可能にする様々な機能を搭載できます。そのため、契約書の検索時間と管理工数は限りなくゼロになり、スマートな契約書管理が可能です。
特徴
- 契約書の基本情報を自動で抽出・登録
- 契約書の全文から自由にキーワード検索
- 契約の更新期限や終了日を一目で把握
WAN-Sign
WAN-Signは、システムで締結した電子契約・電子印鑑だけでなく、書面契約も登録可能です。そのため既存契約も一元管理できます。
書面契約のPDFデータ保管やスキャン代行もおこなっていて、原本は情報管理センターで預かってくれます。
特徴
- 既存の書面契約と電子契約をかんたん一元管理
- 契約件数と管理データ件数に応じた料金プラン
- 充実のセキュリティ対策と内部統制機能
- 相手先や重要度に合わせて締結方法を選べる
ホームズクラウド
ホームズクラウドは、契約書の作成、締結、更新、管理といった、契約にまつわる業務を集約し、契約業務の効率化を実現できるクラウド型サービスです。
過去の契約書の取り込み、企業で管理している契約管理台帳の情報をCSVで一括登録できます。また、アクセスできるメンバーを指定し、契約書単位で閲覧制限を設定できます。
特徴
- 契約書のワークフローを企業に合わせた柔軟な形で設定可能
- 関連書類や過去のやり取り、担当者などの情報やステータスを可視化
- 法務相談を契約書に紐付けて同一システムで管理
BtoBプラットフォーム契約書
BtoBプラットフォーム契約書は、紙で締結した契約書、電子締結した契約書すべてをクラウドで一元管理することができます。ファイルサーバでの保管とは異なり、契約書システムを利用することで運用の手間を省くことが可能です。
契約種別・ステータス・取引先などの項目により、検索・表示ができ、契約書の処理状況や進捗を管理できます。
特徴
- 紙でやり取りしていた文書もクラウド上に保管できる
- ユーザーごとに参照権限を付与し閲覧制限することが可能
- クラウド上で取引先が契約書を受領し契約締結が可能
- 契約書に関連する他の契約書を紐付けることができる
クラウドサイン
クラウドサインは、契約締結から契約書管理まで可能な電子契約サービスです。クラウドサインで締結した契約書だけでなく、紙で締結した書類をアップロードして保管することができます。
契約にかかわる業務がクラウドサイン上で完結できるため、押印のための出社や契約書の保管スペースを削減できます。
特徴
- 紙の契約書をスキャン、PDF化しアップロード可能
- シンプルなUIでITに不慣れな方でも簡単に操作可能
- 100以上の外部サービスと連携できる
- AIによる書類の自動入力
MoneyForward クラウド契約
MoneyForward クラウド契約は、紙の契約と電子契約もクラウドで一元管理が可能です。契約書の原本を倉庫に探しに行かなくても、クラウド上で検索して、内容をすぐに把握できます。
契約の更新や解約時期を知らせてくれるアラート機能があり管理が楽になります。また、契約書に閲覧権限を設定することが可能です。
特徴
- 紙の契約と電子契約を一元管理ができる
- 契約の更新・解約時期を知らせてくれるアラート機能
- 取引先名や担当者名等で契約書を検索可能
契約書管理システムの導入メリット
契約書管理システムを導入することで得られるメリットを紹介します。
業務の効率化
紙の契約書で保存している場合、目的の契約書を探す手間や時間がかかります。契約書管理システムの検索機能を使えば、目的の契約書をすぐに探し出すことができます。
またクラウド上に保管しているので、出張先やテレワークのため家で仕事をしていても、必要なときにすぐ契約書を閲覧できるなど、業務の効率化が可能です。
コストの削減
紙の契約書はインク代や用紙代、郵送代、保管スペースが必要です。事務所に保管スペースがない場合は、倉庫を借りることもあるでしょう。
契約書管理システムを導入することで、上記の費用や郵送・保管に伴う手間を削減することができます。また電子契約では印紙税は非課税になるので、節税も期待できます。
セキュリティ強化
契約書管理システムは、所属組織やユーザー毎に契約書の閲覧権限を設定できます。そのため、経理部門のみが閲覧できる契約書、営業と管理部門で共有する契約書といったような設定が可能です。
また、ログも記録されるので、誰がいつどの文書を閲覧したのか分かるようになっています。さらに、IPアドレスで制限をかけることができ、社外からのアクセスに対するセキュリティ対策も十分です。
契約書管理システムの導入デメリット
契約書管理システムを導入する際のデメリットを紹介します。
システムの使い方を覚えるまでに時間がかかる
新しいシステムの導入は、使い方を覚えるまでに時間がかかります。そのため、最初のうちは作業負担が減らず増える可能性があります。
契約書管理システムを導入する際は、サポート体制が充実しているシステムや、操作がわかりやすくて使いやすいシステムを選ぶことが重要です。
導入コストがかかる
契約書管理システムの多くは、初期費用と毎月または年払いのコストがかかります。そのため、月々の費用と経営状態を考慮してプランを選ぶ必要があります。
契約書管理システムを導入することで得られるメリット、費用対効果を明確にし、導入を検討しましょう。
まとめ
契約書管理システムは、契約書の保管場所の問題だけでなく、関連業務を効率化できるツールです。
導入する際は、費用対効果や運用方法などをよく検討し、自社の課題を解決してくれる製品を選びましょう。