企業や店舗などに勤めながらも、自分の収入をより増やしたい、空いている時間を有効活用したい…このような理由から副業を検討される方もいらっしゃることでしょう。
しかし、副業をおこなう場合にはいくつか注意点もあります。副業をするメリット・デメリットとあわせてご紹介していきます。検討されている方は参考にしてみてください。
副業をする時の注意点
まず、副業を検討する際に把握しておきたい注意点について説明していきます。
副業禁止ではないか就業規則を確認する
正社員の場合、最初に確認すべきは就業規則で「副業禁止」ではないかどうかです。禁止されているようであれば、やめておくほうがよいでしょう。
企業側は従業員の勤務時間外の行動を制限する権利はありません。しかし、従業員が副業をすることで顧客情報やノウハウなど機密情報が漏れる可能性があり、禁止している企業は実際にあります。
就業規則で禁止されていても副業をしたいのであれば、発覚した際に解雇されるなどの可能性があることを覚悟したうえで実施しましょう。
副業が許可制のときは申請書を提出する
企業によっては就業規則で副業を許可制としており、申請書の提出が必要な場合もあります。申請書は企業により異なりますが、おもに次のような内容を記載します。
副業先の会社名・業種など
別の企業に勤務するのであれば、その会社名や所在地、業務内容といった内容を記入します。個人事業主として働くのであれば、そのように記載してください。
副業先の勤務体系・雇用形態など
正社員、パート・アルバイトなどの雇用形態などの働き方を記入します。個人事業主であれば雇用形態などの入力項目は省きます。
副業をしたい理由
単純に収入を上げたいというのが理由であっても、たとえば「親の介護費用が必要」「資格試験の費用が必要」など、具体的な理由を書くことで認められやすくなります。
誓約への同意
たとえば、以下のような項目に該当しない副業であることに同意をする必要があります。
- 本業の勤務に支障をきたさない
- 会社の信用を落とさない
- 会社を利用して副業をおこなわない
- 会社の顧客情報、機密情報を外部に漏えいしない
- 会社に悪影響を与える、損失を与えるなどしない
年間の収入が20万円以上であれば確定申告が必要
副業の年間収入が20万円を超える場合は、確定申告が必須になります。その場合、翌年の2月16日~3月15日までの間に、本業と副業の源泉徴収票を用意し、税務署で申告をおこないます。
申告書の作成や申告は国税庁のホームページからおこなえます。費用は掛かるものの、税理士に委任することも可能です(税理士以外への委任はできません)。
本業に支障が出ないようにする
副業をすると休日や自由な時間が削られます。そのため、自分の体力や休息の時間を考慮したうえで、健康面に影響がないようにスケジュール管理・調整することが重要です。
副業に時間を割きすぎて睡眠時間が足りなくなる、体を壊すなどして、本業に支障が出ないように注意してください。
競合他社での副業は避ける
同業種の他社に所属する、競合となるビジネスを自分ではじめる、といった副業は本業の会社の利益を侵害するおそれがあります。そのため、避けたほうがよいでしょう。
競合他社での副業は就業規則で禁止されている場合も多く、会社に無断でおこなっていた場合、懲戒免職などの罰則を受ける可能性もあります。
とくに、本業の会社の顧客リストやノウハウを利用していた場合は、懲戒免職どころか損害賠償請求、不正競争防止法違反での刑事罰を受ける場合があるので、おこなってはなりません。
副業のメリット
つづいて、副業をすることで得られるメリットについてご紹介します。
収入の増加が見込める
当然ですが、副業をおこなえば本業のほかにさらなる収入を得ることができるのが最大の魅力です。本業のほかにも収入源を得ることができ、金銭面で余裕が出てくれば生活や心にゆとりも生まれます。
また、本業の収入だけでは月々の支出が厳しくなったという場合や、臨時の出費がある場合にも、副収入でカバーすることができます。
好きな時間に働ける
副業は業種などにもよりますが、基本的に自分の好きな時間でマイペースに進めることができます。そうなると、身体的・精神的な負担も本業よりは少ないことでしょう。
また、いままで空いた時間は無意味に時間を潰していたという場合、その時間を有効活用して収入に充てられるという点も魅力です。
副業で得た知識を本業に活かせる
本業と関連した業種で副業をおこなえば、その副業で得たスキルを本業に活かすこともできます。反対に、本業で得た知識を副業で活かすこともできます。
ノウハウを悪用するのではなく、たとえば業務効率を上げる手法やツールの使い方を知るなどの面で、本業と副業の相乗効果を狙うとよいでしょう。
新しい分野のスキルや経験を得ることができる
副業をすると、これまで本業では経験しなかった業務をおこなうことになり、新しい分野のスキル・経験を得たりできる場合もあります。
これにより新たな知識を身につけられるほか、視野が広がることで新たなアイデアやサービスを思いつく可能性もあるでしょう。また、人脈が広がる効果にも期待できます。
仕事の選択肢が増える
本業と違う業務を経験することで、自分に合う職業を新しく発見できる可能性があります。そうすれば、転職を検討している際も選択肢が増えることになります。
本業では身につかなかったスキルが身につき、経験を積めば、転職時も有利になります。仕事の選択肢を増やすために、副業で未経験の業種にトライしてみるのもよいでしょう。
副業のデメリット
副業にはデメリットもあります。どのようなものがあるかご紹介していきましょう。
税金対策が必要
前述のように、副業での年間収入が20万円を超えていた場合は確定申告が必須です。確定申告をおこなわないと脱税になります。ちなみに申告するのは収入ではなく「所得」です。
所得とは収入から経費などを引いた額になります。バイトなどであれば無関係ですが、Webでのフリーランスなど雇用関係にない場合は、経費を差し引いて所得額を下げることができます。
ワークライフバランスを保つのが難しい
副業をすると、休息に使っていた空き時間を仕事に使うこととなります。最初は大丈夫と思っていても、実際に仕事で疲れて帰ってから仕事をしようとなると、厳しいと感じる可能性もあります。
睡眠時間を削ったり、自由時間がなくなったりして、疲労から副業が続かない人もいるようです。自分は本当に時間を犠牲にして仕事できるか、考えたほうがよいでしょう。
思っていたほど稼げないことがある
副業が儲かるとは限りません。アルバイトやパートなどで勤務するなら確実な収入を得ることはできますが、時給換算のため本業ほどは稼げません。
また、Webでのフリーランスとして働くとなると、単価の安い仕事も多く、毎日作業しても月収1万円未満ということもザラです。
自由な時間をすべて副業に費やすのであれば、ある程度は稼ぐことができるかもしれませんが、自由な時間を確保しつつ、であれば月5万円も厳しいかもしれません。
まとめ
副業をおこなう際の注意点やメリット・デメリットをまとめてご紹介しました。副業は空いた時間を金銭に替えることができ、スキルアップにもなる点が魅力的です。
しかし、自由な時間を削って、あまり稼げないとなると残るのは疲労だけになってしまいます。現状として副業をすることは可能か、またどのような副業が適しているか、よく考えてみてはいかがでしょうか。