LINE公式アカウントは、顧客とのコミュニケーションを円滑にするための強力なツールです。
しかし、その効果を最大化するにはアカウントの運用状況を的確に把握し、データを基に戦略を改善することが不可欠です。
本記事では、LINE公式アカウントの分析機能の概要をわかりやすく解説し、活用する際の注意点や便利な外部ツールについても詳しくご紹介します。
LINE公式アカウントの分析機能とは
LINE公式アカウントの分析機能とは、アカウントの運用状況や顧客とのやり取りに関するデータを収集・可視化する仕組みです。
詳しい機能については以下で解説しますが、例えばメッセージ配信の効果測定や友だち数の推移、属性データの分析など、LINE公式アカウントを運用するうえで把握しておきたいさまざまなデータを確認できます。
アカウントの状況をデータとして数値化、分析することで改善に役立て、マーケティングの効果を向上させることができます。
LINE公式アカウント分析機能の一覧
では、LINE公式アカウントの分析機能はどのような項目について分析できるのか、それぞれ解説いたします。
ダッシュボード
ダッシュボードは、LINE公式アカウント全体のパフォーマンスを一目で確認できる画面です。
友だち追加数、ブロック数、メッセージ配信の反応率など、運用状況の概要をグラフや数値で確認できます。
これにより、アカウント運用の全体的な成果を素早く把握し、必要に応じて詳細なデータ分析に進むことが可能です。
友だち
「友だち」の項目では、「概要」「属性」「追加経路」と3つのカテゴリー分けされた分析データを確認できます。
「概要」で確認できる分析データ
- 友だち追加:友だち数の推移
- ターゲットリーチ:友だち追加数-ブロック数-属性不明(行動から属性を定義できなかったアカウント)の数値
- ブロック:友だち登録したユーザーからのブロック数の推移
「属性」で確認できる分析データ
ターゲットリーチの属性情報(年齢、性別、地域など)を確認できます。なお、ターゲットリーチの数が少ないと、データが「不明」になる場合があります。
「追加経路」で確認できる分析データ
ユーザーが友だち追加およびブロックした経路の確認ができます。
これらのデータは、特定のキャンペーンでどれだけ友だちを増やせたのか、ブロック数が増加した原因は何か、などを把握するための重要な指標となります。
また、友だちの属性を分析することで、ターゲット層に対する施策の有効性を検証することが可能です。
プロフィール
「プロフィール」の項目では、プロフィールがユーザーに表示された回数や表示したユーザー数を確認可能です。
このデータを分析することで、広告出稿や特定のキャンペーンを実施した場合など、どの程度のユーザーが興味をもち、プロフィールを閲覧したのかを把握できます。
メッセージ配信
「メッセージ配信」の項目には「概要」と「詳細」があり、概要では配信したメッセージ一覧と、それぞれの開封数、クリック数などのデータを確認できます。
詳細では、各メッセージの開封数・開封率・クリック数・クリック率・動画再生数といったデータの推移を、時系列でグラフとともに確認できます。
ここで確認できるデータは、メッセージ内容や配信タイミングがターゲットに適しているかを測る重要な指標です。これをもとに、効果的な文言や配信時間の最適化を進めるとよいでしょう。
メッセージ通数
アカウントから送信したメッセージの通数を分析します。これにより、メッセージが多すぎて友だちの離脱を招いていないか、あるいは情報提供が不足していないかを評価できます。
メッセージ通数と反応率を比較して、効果的な配信頻度を見つけることが可能です。
ステップ配信
ステップ配信は、友だち追加後の行動に応じて自動でメッセージを送る機能です。この配信の到達率、開封率、クリック率を分析できます。
どのステップでユーザーが離脱するのか、効果的なステップ設計ができているかを検証する際に役立ちます。
あいさつメッセージ
「あいさつメッセージ」とは、友だち追加時に自動送信できるメッセージのことです。このあいさつメッセージのクリック数や表示回数といった反応を確認できます。
新規友だちに対する第一印象を左右する重要なメッセージの効果を測定し、改善することで離脱率を下げることが可能です。
リッチメニュー
「リッチメニュー」とは、トークルームの下部に表示できるメニューのことです。この各ボタンのクリック率や使用頻度を分析します。
どのメニューが人気があるのか、ユーザーがどの情報にアクセスしたいのかを把握し、メニュー設計を最適化することができます。
チャット / 自動応答
チャット機能や自動応答の利用状況を分析します。
例えば、ユーザーの問い合わせ件数、応答時間、満足度を測定できます。これにより、顧客対応の改善点やAIボットの精度向上に役立てることができます。
クーポン
配信したクーポンの発行数、使用数、使用率を分析します。どのクーポンが効果的で、どのようなキャンペーンが成功したのかを確認することで、次回の施策を改善できます。
ショップカード
ポイントカード機能でのカード発行数、ポイント付与数、交換数などを分析します。ユーザーの再訪率やリピート購入を促す施策の成果を測定するのに役立ちます。
予約
予約機能の利用状況やキャンセル率、来店率を分析できます。予約サービスと連携することで、予約後の顧客行動を詳細に把握し、顧客対応の向上や施策の改善に活用できます。
LINE Tag
「LINE Tag」とは、LINE外のサイト上におけるユーザーの行動を追跡できる機能です。
例えば、自社のWebサイトへの訪問者がどのLINEキャンペーンから来たのか、商品購入につながったのかなど、コンバージョンを含む詳細なデータを確認できます。
これにより、LINEアカウントと外部施策の連携効果を最大化できます。
LINE公式アカウントの分析機能の注意点
LINE公式アカウントの分析機能を利用するうえで、注意点もあります。確実にデータを分析するために、以下のポイントは把握しておくことをおすすめします。
分析結果の反映日と確認可能日数は項目によって異なる
LINE公式アカウントの分析機能では、各データがいつ反映されるか、またどの期間まで遡って確認できるかが、分析項目ごとに異なります。
例えば、メッセージ配信の開封率やクリック率はリアルタイムで反映されることもありますが、友だち追加やブロック数のデータは数時間から1日程度のタイムラグが生じることがあります。
また、データ保存期間にも制限があり、例えば「過去30日間分」など一定期間を超えたデータは確認できなくなることが一般的です。
これを理解していないと、必要なデータを見逃してしまう可能性があるため、定期的なデータチェックが重要です。
予約の分析確認は予約サービスとの連携が必要
LINE公式アカウントでの予約機能を活用する場合、予約データの詳細な分析をおこなうには、LINEが提供する公式の予約機能や外部の予約管理ツールと連携する必要があります。
予約サービスと連携していない場合、予約のキャンセル率や予約後の来店率など、重要なデータを把握できない可能性があります。
また、適切な連携設定を行わないと、分析機能自体が動作しないこともあります。予約機能を運用する際は、初期設定や連携状況をしっかり確認しましょう。
友だち個別の分析はできない
LINE公式アカウントの分析機能は、個別のユーザーごとに詳細なデータを確認することはできません。
取得できるのは、全体やセグメント別の統計データです。これはプライバシー保護の観点から、個人を特定するような情報を集計しない設計となっているためです。
そのため、「特定のユーザーがどのメッセージを開封したか」「どのリンクをクリックしたか」を直接追跡することは不可能です。
代わりに、属性ごとのデータを活用し、ターゲットグループ全体の傾向を把握して施策をおこなうことが求められます。
ショップカード停止日以降の分析数値は確認できない
ショップカード機能を停止した場合、それ以降の利用データ(カード発行数、ポイント付与数、交換数など)は分析画面で確認できなくなります。
これにより、停止後におこなわれたキャンペーンやポイント施策の効果を測定することができなくなります。停止する場合は、事前に必要なデータをすべてエクスポートし、記録しておくことが重要です。
また、停止予定がある場合は、データの収集や分析を早めに済ませておくことで、施策の効果測定をしっかりおこなうことができます。
LINE公式アカウントの分析に役立つマーケティングツール
ここでは、LINE公式アカウントの分析に役立つ、外部のマーケティングツールについて利用者が多く便利なものをまとめてご紹介いたします。
L Message(エルメ)
導入実績50,000件突破、集客から決済・分析までLINE公式アカウントを自動化できるシステムです。
完全無料で契約期間の制限もなく利用できるフリープランもあるため、気軽に利用をスタートさせやすいのも魅力です。無料でも月間1,000通を送信できます。
主な機能
- アンケートフォームを作成し⾃動で情報収集、顧客情報へ反映できる。Googleスプレッドシートと⾃動連携も可能。
- 予約受付をLINEで⾃動化、リマインド配信やGoogleカレンダー連携可能。
- LINE内で商品販売から決済まで一括で自動化
Lステップ
累計導入社数が3年連続ナンバー1、有料利用者数38,000件以上、サポート満足度90.6%を誇る、さまざまな事業課題の解決に特化したマーケティングオートメーションツールです。
機能が非常に充実していることが特長で、AIが判断して自動でメッセージを返信するAI応答メッセージ機能や、友だちごとにリッチメニューを出し分けるなど、個性的な機能もあります。
主な機能
- 事前に設定したタイミングと順番で一連のメッセージやリッチ画像など自動でシナリオ配信が可能
- アンケートの回答結果やリンククリックなどアクションに応じて正確に属性を設定し、宛先を絞ってのセグメント配信が可能
- イベント開催日など特定の日から逆算し、リマインダーステップメッセージを配信できる
Liny(リニー)
ツールの継続率98.2%、サポート満足率90.1%、大手企業含め3,500社が導入しているLINE公式アカウントの配信・運用・管理ツールです。
もともとWEBマーケター向けのMAツールとして開発されたものですが、あらゆる業種に向けたアップデートを重ね、現在はマーケティングのみならず、カスタマーサポートや採用、自治体及び官公庁など幅広い場面で利用できるツールとなっています。
主な機能
- 性別、年代、購入商品など事前にタグを設定しておき、友だちの反応により自動でタグを付与し、カテゴライズできる
- 複数のブロックを組み合わせることで、初心者でも簡単にデザイン性の高いレイアウトのメッセージを配信できるフレックスメッセージ
- スタッフ権限の付与やIP制限、reCAPTCHA、二要素認証などセキュリティ対策機能もあり
MicoCloud(ミコクラウド)
BOXIL SaaSセクションの「LINEマーケティング部門」で1位受賞、売上最大化・運用コスト削減を実現するLINEマーケティングツールです。
「通知メッセージ」「LINEログイン」など、LINEヤフー社公認テクノロジーパートナーのみが扱える機能を提供している点が特長で、プライバシーマーク・ISO 27001(ISMS)も取得しており、大手金融機関での導入実績もあるためセキュリティ面も安心です。
主な機能
- LINEログイン機能により会員登録を簡略化しハードルを下げ、同時にLINE IDの紐付けができる
- Webサイトに訪問した熱感の高いユーザーに対しLINEでアプローチできるWebサイトポップアップ機能
- API・データ連携ツール、CSVにより自社データベースと連携できる
まとめ
このように、LINE公式アカウントの分析機能を活用することで、顧客の行動や施策の成果を数値で把握し、データに基づいた改善が可能になります。
友だち数やメッセージ配信の効果測定から、リッチメニューやクーポン、予約機能の活用状況まで、幅広い項目を分析することで、アカウント運用を最適化できます。
また、あわせてLINEと連携できるマーケティングツールもご紹介しました。これらのツールを利用することで、さらに詳細な分析がおこなえるだけでなく、アカウント運用の自動化や利便性の向上も実現可能です。
適宜、データ分析と運用方法の見直しをおこない、LINE公式アカウントを強力なマーケティングツールとして最大限活用し、顧客との関係をより深めていきましょう。