民間企業のテレワーク導入事例(情報通信業:インフラ構築)
情報通信業(インフラ構築)
世界最先端の技術を取り入れた情報通信インフラの構築を行っているB社は、経営のトップが働き方改革を重要な経営戦略と位置付け、生産性の向上、社員満足度・顧客満足度の向上を目指して、テレワークとICT活用を組み合わせた働き方改革に取り組んでいます。
人事戦略
働き方改革を推進する上で、テーマに合った戦略を立案し、それらを実現するための制度改革、活動の推進を実行しています
なくす | 過重労働、ムリ、ムダ |
減らす | 時間基準の意識、報酬 |
増やす | 成果基準の意識、報酬 |
創る | ワークスタイルイノベーション、ワークライフバランス |
中核となる人事制度
働き方改革を加速させる戦略として、次の人事施策を実施しています。
- 働く場所を工夫するテレワーク制度で移動を減らして集中する時間を増やす
- 働く時間を工夫するフレックスタイム制度で1か月単位で柔軟に働く時間を調整できるようにする
- 働く時間帯を工夫するシフト勤務制度で24時間365日、夜間対応もある中、働く時間を選べるようにする
テレワーク制度
概要
テレワークの形態は、在宅勤務・モバイルワークとし、完全在宅勤務は原則行っていない。
対象者 | 全従業員 |
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申請方法・利用条件 | ・前日までにテレワーク中のタイムスケジュール、仕事内容(創出する成果)を上司に メール等で申請し、承認された場合のみテレワークを実施 ・終業時は、実際のタイムスケジュール、仕事内容(創出した成果)を上司にメール等で報告 |
労働時間 管理 | ・テレワーク実施日は所定労働時間(7.5時間)勤務したものとみなし、働く時間のシフトや断続勤務(隙間時間の活用)が可能 ・原則、残業は禁止しているが、上司の指示に基づき残業を認めるフロー(勤怠管理システム)を運用している |
導入時の工夫
部門横断型のプロジェクトチームを編成
テレワーク制度導入時には、部門横断のワークスタイルイノベーションプロジェクト(人事部、プラットフォーム部、ビジネス推進本部、広報部)を編成。ワークスタイル変革の推進を目的に、従来の情報システム部と総務部(ファシリティ)の機能をプラットフォームに統合したことで活動が加速。現在は、人事部と情報システム部、広報室を同一の経営企画本部内に併設し、それぞれが密接にコラボレーションしながらテレワークの推進を図っている。
従業員の教育・研修機会の提供
経営トップ自らが働き方改革を促すほか、ガイドブックの策定、意見交換会、研修をおこなっている。
- テレワーク制度の活用ガイドブックを策定し、不安の大きい評価、コミュニケーション、マネジメントに関する運用ガイドラインを定め、社内説明会を実施
- マネージャーとの意見交換会
- ワークスタイル調査を毎年実施し、結果報告。新しい有効事例や改善事項を定期的に周知・教育を実施
- マネージャー研修のメニューにテレワークの有効活用を追加。ワークショップ形式で有効事例の横展開や指導方法の共有を図る
形を変えることで意識変革を加速
人事制度やオフィス環境、組織体制を変えて、目に見える形を変えることで従業員の意識改革を促した。
効果の一例
〇生産性の向上
- 売上の伸長にもにもかかわらず、残業削減効果を上げている
- 効率の良い方法で働けることで、高いアウトプット満足度を維持している
- 過重労働者比率も重視している
- 社員の半数以上が在宅勤務を活用している
- 全社員の在宅勤務総日数は5年間で4.5倍。