現在、多くの企業や店舗が「LINE公式アカウント」を導入しています。その活用効果を最大化するには、まず「友だち」の数を増やすことが不可欠です。
しかし、単に数を追うだけではなく、友だちとなったユーザーとの関係を強化し、長期的な関係を築くことが重要です。
この記事では、LINE公式アカウントの友だちを増やす具体的な方法から、得られるメリット、注意点までをわかりやすく解説します。
LINE公式アカウントの「友だち」とは
LINE公式アカウントにおける「友だち」とは、ユーザーが企業や店舗のLINEアカウントをフォローし、接点を持った状態のことです。
LINE公式アカウントでは、友だち登録したユーザーに対してのみメッセージを配信できるため、Webサイトにおけるメールマガジン登録に近い仕組みといえるでしょう。
ユーザーが友だち追加をする方法はさまざまで、店頭でのQRコード読み取りやWebサイト上のボタンから、SNS・広告経由での誘導などがあります。
一度追加されたユーザーには、メッセージ配信やクーポン配信、アンケートの実施、ステップ配信など、さまざまなアプローチが可能です。
友だちを増やすことの重要性
LINE公式アカウントの友だちは、すでにサービスや商品を認知していたり、来店・利用経験があったりするユーザーが多く、行動喚起につながりやすいという特徴があります。
そのため、友だちを増やすことは、集客や売上増加に直結する重要な取り組みです。
2022年、マクロミルが実施したアンケート調査「企業・店舗のLINE公式アカウントと友だちになって実践したこと」では、以下のような結果が出ています。

出典:マクロミル・インターネット調査(2022年7月実施/全国15~69歳のLINEユーザーを対象/サンプル数2,060)
この調査によると、58.3%のユーザーが配信されたクーポンでサービスを利用し、34.7%のユーザーが実際に店舗やWebサイトで商品を購入したことがわかります。
このようにLINEは、ユーザーの購買行動に強い影響力を持つメディアといえるでしょう。
しかし、LINEはほかのSNSと異なり、ユーザーが企業からの投稿を自由に閲覧できる仕組みは基本的にありません。ユーザーが「友だち追加」をしなければ情報が届かないという特性があります。
つまり、多くのユーザーに友だち追加してもらうことが、情報配信のスタート地点となるのです。
LINEをビジネス活用する上で友だちを増やすことは、成果を最大化する土台作りであり、反応率の高いユーザーとの接点を増やすための重要な施策なのです。
LINE公式アカウントの友だちを増やす方法
LINE公式アカウントの運用を効果的に進めるには、継続的に友だちを増やす施策が欠かせません。ここでは、代表的な手法を5つご紹介します。
なお、それぞれの施策は業種やターゲット層に応じて使い分けることも重要です。
店頭POPやポスターを設置する
実店舗を持つ企業や事業者にとって、店頭でのプロモーションは有効なアプローチ手段です。
LINE公式アカウントのQRコードや「友だち追加でクーポン配布中」といった特典を記載したPOPやポスターを設置し、来店中のお客様に友だち追加を促します。
特に、レジ周辺や出入口、待機スペースなど、お客様の目に入りやすい場所に掲示は、自然な流れでの登録が期待できます。視認性の高いデザインや、メリットが伝わるキャッチコピーが成果を左右する点にも注意しましょう。
店頭で友だち追加を呼びかける
スタッフによる口頭での友だち追加の案内も、登録数の増加に直結する効果的な方法です。
会計時やサービス提供後など、お客様と直接やり取りするタイミングで「今ご登録いただくと〇〇が受け取れます」といった具体的なベネフィットを伝えることで、登録への心理的ハードルを下げられます。
また、操作が不安な方に対してその場でQRコードの読み取り方法をサポートできるため、シニア層の取り込みにも効果的です。
WebサイトやSNSから誘導する
オンライン上の導線を活用する方法も欠かせません。自社のWebサイト、ブログ、SNSアカウントにLINEの友だち追加リンクやボタンを設置することで、既存のデジタル接点から自然に誘導できます。
特に、InstagramやX(旧Twitter)といったSNSでは、投稿やストーリーズ内でキャンペーン情報と併せて友だち追加を促すことで、興味関心の高いユーザーに直接訴求できます。
定期的にリンクを案内することで、登録のタイミングを逃さない設計が可能です。
キャンペーンを実施する
「友だち追加で◯◯をプレゼント」といったインセンティブ型のキャンペーンは、短期間で多くの友だちを獲得したいときに非常に有効です。具体的には、以下のような企画が挙げられます。
- 初回登録で割引クーポン配布
- 抽選でプレゼントが当たるキャンペーン
- スタンプカードとの連動施策 など
キャンペーンの実施により一時的な友だち数は増えますが、ブロックされてしまわないために、その後の継続的な価値提供が重要です。
単発の特典だけで終わらせず、友だちが興味を持ちそうなコンテンツを発信し続けるなど、アカウントの魅力を感じてもらうための運用が求められます。
友だち追加広告を利用する
直接の接点がない、より広い層へリーチしたい場合は、LINEが提供する「友だち追加広告(LINE広告)」の活用が効果的です。
LINE上のタイムラインやトークリストに広告を表示し、広告をタップしたユーザーをそのままアカウントの友だち追加へと誘導する仕組みです。
広告配信では、年齢・性別・地域・興味関心といった細かいターゲティングが可能なため、自社のターゲットに合致した層へ効率的にアプローチできます。
店舗単位での集客から全国規模の認知拡大まで、目的に応じた柔軟な広告設計が魅力です。
LINE公式アカウントの友だちを増やすメリット
LINE公式アカウントの運用において、友だちの数は顧客接点の母数とも言えます。
友だちを増やすことで得られる効果は一時的な集客にとどまらず、中長期的な売上・ブランド価値の向上に役立ちます。ここでは、主なメリットを4つご紹介します。
多くの人に情報発信ができる
友だちの数が増えることで、情報発信のリーチが拡大します。LINEはメルマガやSNSと比べてメッセージの開封率が高く、配信した情報が埋もれにくいため、キャンペーン情報や新商品・サービスの案内など、伝えたい内容を確実に届けやすい媒体です。
特に、プッシュ型で直接配信できる特性を活かすことで、「知ってもらう」から「行動につなげる」までの導線をスムーズに設計できます。
リピート率を上げられる
LINE公式アカウントでは、クーポン配布やステップ配信などの機能を活用することで、既存顧客のフォローやリピート促進が容易になります。
例えば、一定期間来店のないユーザーに再来店を促すメッセージを自動配信するなど、タイミングを見計らったアプローチが可能です。
さらに、LINEの親しみやすいコミュニケーション特性を活かすことで、ユーザーとの心理的距離が縮まり、ロイヤルカスタマーの育成にもつながります。
効果的なキャンペーン施策を打てる
友だちが一定数以上いる状態では、LINEを活用したキャンペーン施策の効果が高まります。
例えば、「LINE限定のクーポン配布」や「友だち限定セール」などは、既存ユーザーへの訴求力が高く、販促施策の効率を大幅に高めることができます。
また、キャンペーン実施後の反応(クリック率、クーポン利用率など)も可視化できるため、次回施策の改善にも活かしやすい点も大きなメリットです。
顧客分析ができる
LINE公式アカウントでは、ユーザーに「タグ付け」や「オーディエンス設定」をおこなうことで、セグメント別の分析や配信が可能になります。
これにより、年齢層・来店頻度・興味関心といった軸でユーザーを分類し、よりパーソナライズされたコミュニケーションを実現できます。
このようなデータドリブンなマーケティングにより、配信効率の最大化と同時に、ユーザー満足度の高い運用が可能です。
LINE公式アカウントの友だちを増やす際の注意点
友だちを増やす施策は、単に数を増やせばよいというものではありません。ここでは、LINE公式アカウントを安全かつ効果的に運用するために、注意すべきポイントを解説します。
ブロック率を高めない運用を心がける
友だちが増えても、すぐにブロックされてしまっては本末転倒です。高頻度での一方的な配信や、ユーザーのニーズに合わない内容の送信は、ブロック率を上げる主な原因となります。
ブロックを防ぐには、以下のような運用が有効です。
- 配信頻度は週1〜2回程度に抑える
- ターゲットごとに内容を最適化する(セグメント配信)
- 役立つ情報や限定特典など、ユーザーにメリットのある内容を心がける
また、配信後のブロック率やクリック率などを定期的に確認し、必要に応じて運用を見直すことも大切です。
LINE公式アカウントのガイドラインを守る
LINEはユーザーの信頼を守るために、公式アカウント運用に関する各種ガイドラインやポリシーを定めています。
例えば、過剰なメッセージ配信や誤解を招くキャンペーン表現、ユーザー情報の不適切な取り扱いなどは禁止事項に該当します。
これらに違反すると、アカウント停止や広告配信制限といったペナルティを受ける可能性があるため、十分な注意が必要です。
運用前には必ず「LINE公式アカウント運用ガイドライン」や「広告掲載基準」などを確認し、ルールに沿った運用を徹底しましょう。
まとめ
LINE公式アカウントは、企業や店舗が顧客と直接つながる強力なマーケティングチャネルです。その効果を最大限に引き出すには、まず「友だち」を増やすことが不可欠です。
しかし、大切なのは「ただ友だちの数を増やす」のではなく、継続的に関係を築けるユーザーとの接点を増やすことです。
そのためには、ユーザー視点に立った価値ある情報発信と、丁寧なコミュニケーション設計が求められます。
自社のLINE公式アカウント運用を見直し、効果的な集客や販促につなげたい方は、ぜひ本記事の内容を参考に、実践的な施策に取り組んでみてください。