近年、働き方改革やコロナウイルスの流行もあり、テレワークを導入する企業が増え、それに伴いWeb会議システムの利用も急速に増加しています。
Web会議システムを利用すると、テレワークで離れている社員同士が、自宅など好きな場所から気軽に会議をおこなえるなど、さまざまなメリットがあります。
しかし、Web会議システムは数多くあり、自社で利用するにはどれがよいのか分からない、という企業さまもいらっしゃることでしょう。
そこで、当記事ではおすすめの製品10種類と選び方のポイント、導入メリットなどをまとめて解説いたします。製品選びの参考にしてみてください。
Web会議システムとは
Web会議システムとは、インターネットを経由してリアルタイムでビデオ通話ができるシステムです。コロナウイルス流行の影響を受け、個人・企業問わず利用が急増しています。
2021年、MM総研が国内企業2,640社を対象に実施した調査では、各種コラボレーションツールのなかで、もっとも導入の多かったツールがWeb会議システムで、51%の企業が導入していました。
Web会議システムは1対1でのビデオ通話はもちろん、複数人で同時接続もでき、録画機能やチャット、パソコン画面を相手に共有する機能なども搭載されているのが一般的です。
パソコンやスマホ、タブレットなどインターネットに接続可能な端末があれば、いつでもどこでも利用できるため、遠隔地にいる相手とも気軽に対面で会議ができます。
Web会議システムの導入メリット
Web会議システムを導入するとどのようなメリットがあるのか、詳しく解説いたします。
交通費と移動時間の削減
対面で会議をおこなうとき、社内で実施する場合は参加者それぞれが出社する必要があります。また、遠方の客先に出向くとなれば、より多くの交通費や移動時間がかかるでしょう。
しかし、Web会議システムを利用すれば参加者それぞれの自宅からでも、気軽に会議がおこなえます。これにより、交通費や移動時間のコストを削減することが可能です。
インターネット環境があればどこでも利用できる
Web会議システムは、インターネットに接続できるパソコンやスマホ、タブレットなどがあれば場所を選ばず利用できます。
通常、対面で会議をおこなう場合は会議室の空きを確認して予定を合わせたり、場所を押さえたり、貸し会議室の場合は利用料金も発生しますが、このような面倒もありません。
低コストで運用できる
Web会議システムはテレビ会議のようにモニターや専用回線などが必要なく、クラウド型であれば専用サーバーも必要ないため、初期費用が安く抑えられます。
また、無料で利用できる製品もあり、Webカメラやマイクつきのイヤホン、もしくはそれらを搭載したパソコンやスマホがあれば、すぐに会議がおこなえます。
スピーディーな意思決定が可能
従来の会議は、同じ場所と時間に参加者が集合する必要があり、早く決める必要のある議題であっても、参加者の予定が合わなければ話し合えませんでした。
しかし、Web会議なら時間を合わせる必要はあるものの、どこでも参加できるため、出張中の社員であっても空き時間を利用して、柔軟に予定を決めてスピーディーな意思決定が可能になります。
Web会議システム選びのポイント
数多くのWeb会議システムから、自社の環境に最適なものを選ぶにはなにを比較すればよいのか、確認すべきポイントについてご紹介いたします。
同時接続数
Web会議システムには「同時接続数」といって、同時にアクセスできる人数に上限が設けられています。この人数はプランで変動することが多いです。
会議を開催する場合に何人で利用するのか、今後増加する可能性はあるか、またウェビナーなど大人数に配信する場合もあるのか、などを検討し、それに見合った製品、プランを選ぶとよいでしょう。
また、参加人数が固定なのか、大きく変動することが多いのであれば、接続数が増えたときだけ課金するタイプの製品を選ぶと無駄がありません。
映像や音声の品質・安定性
スムーズに会議を進めるためには、映像や音声の品質と安定性は重要です。これらに問題があると、映像や音声が頻繁に途切れたり、フリーズして接続が中断されたりする場合があります。
映像や音声の品質や安定性は、参加者のインターネット回線の速度、パソコンやスマホのスペックが影響しますが、Web会議システムの品質にも左右されます。
そこで、システムを選定する際は、帯域の自動制御やデータ圧縮技術を搭載した製品がおすすめです。また、ブラウザよりもアプリのほうが安定している場合が多いです。
操作性
とくに、Web会議システムをはじめて利用する場合は、勝手の分からないことも多いため、機能性よりも操作性を重視するとよいでしょう。
操作が分かりにくいと結局使わなくなったり、一部の人に依存したりすることも考えられます。
無料で利用できる製品やトライアル期間のあるものを実際に利用してみて、画面がシンプルで分かりやすく、直感的に操作できるものを選ぶのがおすすめです。
セキュリティ対策
会議では社外秘・部外秘の機密情報についてやり取りする場合も考えられるため、情報漏えいなどセキュリティ対策の機能が搭載されたシステムを選ぶことも重要です。
たとえば通信内容の暗号化、二段階認証やIP制限などのアクセス制限の機能などがあり、セキュリティ面の安全を謳っている製品がおすすめです。
また、セキュリティ対策を重視する場合は、無料の製品より有料のものを利用するとよいでしょう。
サポート体制
導入に際してや、操作について不明点があるとき、またトラブル発生時にもすぐ相談できるサポート体制があると安心して利用できます。
電話やメール、チャットなどどのような方法で相談できるのか、どこまでサポートしてもらえるのかを確認しておくとよいでしょう。
また、海外製品の場合、日本語でのサポートにも対応しているかも調べておくのがおすすめです。
Web会議システムおすすめ10選
では、おすすめのWeb会議システム10種類と、その特徴についてご紹介していきます。
Zoom
知名度が高く、企業の導入数がもっとも多いといわれるWeb会議システムです。登録は無料、グループミーティングは1回40分までという制限がありますが利用も無料です。
企業の規模ごとにプランが4種類用意されており、それぞれライセンス数、ミーティング参加人数の上限やクラウドストレージの容量などが異なっています。
機能としては、無料プランでも画面共有や100名以上参加のミーティングも可能で、ホワイトボード機能やホストコントロールも利用できます。
特徴
- 無料で登録、利用が可能
- 1対1ミーティング無制限
- 全プランで録画可能
- 有料プランでは参加者最大500名をホスト可能
- 有料プランではシングルサインオンが利用可能
Google Meet
Googleの提供するWeb会議サービスです。グループウェアとして利用可能な組織向けアプリケーションセット「Google Workspace」に登録すると利用できます。
Google Workspaceを利用すれば、全プランでGmail、カレンダー、ドキュメントなど各種サービスの利用と連携が可能になるため、これらをよく使う企業におすすめです。
通信が暗号化されているほか、各種の不正防止機能がデフォルトで有効なため、セキュリティ面でも信頼できます。
特徴
- 14日間無料トライアルあり
- Google アカウントさえあれば、100 人までミーティングに参加できる
- ミーティングは最長 60 分間
- 会議中の自動字幕起こし機能あり
- ミーティング開催回数は無制限
Microsoft Teams
会議・チャット・通話・共同作業をすべてひとつでおこなえる、Microsoft社のWeb会議システムです。有料版はMicrosoft365のサービスに含まれます。
Zoomに次ぐ導入数を誇り、Word、PowerPoint、ExcelなどOffice製品と連携、共有や共同作業ができるのも魅力です。
最大人数は1,000人、ブロードキャストは最大10,000人と、大規模なミーティング、ウェビナーやイベント開催にも利用できます。
特徴
- 無料で登録、利用が可能
- Microsoft365ユーザーは追加費用なしで有料版を利用できる
- Office製品と連携してデータ共有や共同作業が可能
- 有料版では会議のレコーディングと文字起こしが可能
- 最上プランではウェビナーの開催、出席者登録とレポートツールが利用可能
Skype
無料通話やチャットのできるツールとして知られていますが、ビデオ通話やビデオメッセージ、ファイル送信などの機能があり、Web会議にも利用できます。
Microsoft officeアカウントと接続でき、また画面共有やレコーディング機能もあるため、Web会議に利用する企業も増えています。
アプリ版もありますが、ブラウザからも利用できるため、手間なくすぐに会議をおこなうことが可能です。
特徴
- 無料でも利用できる
- 最大100人のグループ通話も無料
- Microsoft officeアカウントで利用できる
- Office製品との連携も可能
- 画面共有やレコーディング機能もあり
Cisco Webex Meetings
UIがシンプルで使いやすく、それでいて機能も充実しているWeb会議システムです。グループウェアであるWebexのアプリのひとつでもあります。
高度なノイズ除去と音声強調機能、自動文字起こしなどの機能が搭載されているため、雑音や筆記を気にせず、会話に集中できるのが特長です。
ほかのツールにはないような、ハンドサインやジェスチャーを認識して感情表現できる機能がある点もコミュニケーションの一助となりユニークです。
特徴
- 無料でも利用できる
- 最大100人のグループ通話も無料
- Webexのほかの機能とも連携できる
- 会議にパスワード設定が可能
- 数人ごと区切って会議をおこなう「ブレイクアウト」に対応
LiveOn
通常の会議だけでなく、ウェビナーやオンラインイベントの用途にも使える、国産のWeb会議システムです。
独自の技術でデータ量を圧縮することで音声の途切れ、遅延をなくし、フルHDの高画質、高音質を実現。
クラウド版と、シェアナンバーワンのオンプレミス版があるため、利用の手軽さやカスタマイズ性、セキュリティ面などを比較し、自社の環境に最適なほうを選べます。
特徴
- 14日間無料トライアルあり
- クラウド版は細かな機能ON/OFFが選択可能
- 独自の技術でデータ量を圧縮、通信の途切れと遅延を回避
- 音質はCDに近い32KHzと高音質
- 共通鍵暗号方式『AES(Rijndael)』と独自プロトコルによるセキュリティ対策
Fresh Voice
2003年のリリース以来、一般企業・官公庁・教育機関など、国内導入実績5,000社以上という国産Web会議システムです。
LiveOnと同様にクラウド版とオンプレミス版が用意されており、とくにオンプレミス版は導入数が2000社と豊富な実績があるため、さまざまな要望に応えてもらえることでしょう。
ドキュメント共有・デスクトップ共有や録画など基本的な機能はもちろん、複数拠点同時発言が可能で音声が途切れないなど、品質の高さも魅力です。
特徴
- 無料トライアルあり
- 最大250拠点で同時接続が可能(フラットプラン)
- 契約数の範囲であれば複数会議の開催可能
- 多拠点接続で全拠点の全画面表示が可能
- ハッキング被害に一切遭っていない高いセキュリティ性
V-CUBE ミーティング
世界最新・最高レベルの映像・音声技術を採用しており、HD対応の高画質な映像と、高い接続性を誇る、高品質が特長のクラウド型Web会議システムです。
MicrosoftのOffice 365と連携でき、このアカウントによるシングルサインオンや、Outlook 予定表への会議予定反映もできます。
必要最低限のボタンを配置した分かりやすいUIで、国産製品のため、日本語で操作が分かりやすいうえに、外国語会議でリアルタイム翻訳の機能も利用できます。
特徴
- 世界最新、最高レベルの映像音声技術
- Office365と連携可能
- テレビ会議や電話との連携可能
- リアルタイム翻訳機能あり
- 画面デザインやレイアウト・自社アプリとの連携など高いカスタマイズ性
jinjerミーティング
IT製品の比較・資料請求サイト「ITトレンド」の年間ランキング2020にて「Web会議システム」部門1位を獲得した、リーズナブルな国産製品です。
初期費用20万円、月額1ID 1,500円が定額で通話無制限となっており、説明会・個別レクチャーなど導入支援が充実しているため、最短翌日から利用できます。
ブラウザ通話に対応しており、アプリなしでも利用できるほか、スマホアプリから通話したい相手を呼び出し、会議できる機能も開発中とのことです。
特徴
- 7日間無料トライアルあり
- 録音、録画ができURLでシェアも可能
- 通話後のアンケート機能あり
- 通信インジケータ機能で相手の通信状態が分かる
- 表示中の資料にペンツールで書き込んで共有できるホワイトボード機能
BIZMEE
推奨人数は2〜4人、少人数での利用に特化した、アプリ・会員登録不要で手軽に利用できるWeb会議システムです。
好きな会議室名(URL)を半角英数で入力して設定し、先に主催者が会議室に入ってからそのURLを相手に伝えるだけで会議がおこなえます。
Web会議システムがはじめてで、まずお試しで使ってみたい場合にもよいでしょう。有料版のカスタマイズパッケージもあります。
特徴
- アプリや会員登録不要で利用できる
- 任意の文字列で会議室URLを発行できる
- ホワイトボード機能あり
- 会議室にロックも設定できる
- 議事録も作成できる
まとめ
今回は、おすすめのWeb会議システム10選を紹介しました。
紹介した製品のうち、もっとも利用されているツールは知名度も高いZoomですが、従業員数の多い企業ではMicrosoft Teamsの導入数も多いです。
このように、自社の規模や求める機能など、ご紹介した選び方のポイントを参考に、比較してみてはいかがでしょうか。