デジタル化基盤導入枠の概要
「デジタル化基盤導入類型」及び「複数社連携IT導入類型」の2類型を設け、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けつつも、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等を支援するとともにインボイス制度への対応も見据えつつ、企業間取引のデジタル化を強力に推進するため、「通常枠」よりも補助率を引き上げて優先的に支援します。
デジタル化基盤導入枠に申請するためには、【会計・受発注・決済・EC】の4つの機能のいずれかを保有するソフトウェアであることが求められます。今回は【EC】についてご説明いたします。
【必須要件】EC機能が備わっていること
共P-02に含まれるWEBサイト上で商品を販売する電子商取引の機能が含まれるウェブサイト
ECサイトはスクラッチ開発のため、通常枠(A・B類型)セキュリティ対策推進枠においては補助対象外となりますが、令和5年(2023年)10月1日より施行される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)に対応する取り組みを支援する目的でデジタル化基盤導入類型においては補助対象となります。
EC機能を簡単に言うと
いわゆるネットショップのことです。いくつかの商品の中からカートに入れて決済をする仕組みのことです。
スーパーマーケットがインターネット上にあるイメージです。
【必須要件】新たにECサイトを制作する場合が対象
既存のホームページをリニューアルすることで新たにEC機能を実装する場合、新規で導入された部分のみが対象となります。既存のECサイトのデザインをリニューアルするのみで、電子決済機能が新たに導入されない場合は対象外となります。
【必須要件】モール出店形式について
ショッピングモールへの出店については、新規出店の場合のみであり、ショップサイトの制作を伴うものに限り対象となります。商品の出品のみや出店済みのサイトのリニューアル等は対象外となります。
【必須要件】ECサイトの価格登録について
ECサイトの価格の申告は、制作費用とCMS・カート利用料を一つのITツールにまとめて登録します。
(例:制作にかかる制作請負費用をソフトウェア価格欄へ設定、CMS利用料/カート利用料をライセンス価格に設定)
【必須要件】サブスクリプション形式のCMS利用料について
交付申請においては、サブスクリプション形式のCMS利用料/カート利用料は最大2年分申請することができます。ただし、CMS利用料の契約・支払いがIT導入支援事業者と補助事業者の間で取り交わされる場合のみが補助対象です。
【必須要件】実績報告の際に成果物(URL、キャプチャ)の提出が必要
実績報告の際に、IT導入支援事業者によって制作され、補助事業者へ納品されたECサイトの成果物(URL、管理画面の画面キャプチャ等)が確認できるものを提出します。
BtoB向けECサイトなどでID・PW等がなければサイト内を確認できないものは、テストID・PWを発行して対応します。
事務局の検査により以下の要件をいずれか1つでも満たしていないと判断した場合、導入が完了していないとみなし、補助対象外(交付決定取消)となるので注意が必要です。
【重要】補助対象外(交付決定取消)要件
- 電子決済機能(クレジットカード・デビットカード・キャリア決済等)が実装されていない場合
(銀行振込・代引き決済のみは不可) - SSL(Secure Socket Layer)や TLS(Transport Layer Security)を用いたHTTPS通信が導入されていない場合
- 納品がすべて完了していない場合(制作途中のもの)
- 交付決定前・契約前に制作がされたもの、または着手されたサイトの場合
共P-02とは
決済・債権債務・資金回収に関するプロセスです。
主に経理・財務・経営企画部門が利用するソフトウェアです。
決済(POSレジ、ECサイト用カート、多通貨対応) 決済で使用したり、POSレジ、ECサイト用カート、受注管理・仕入管理等で利用するソフトウェアが入ります。
詳しくはこちらをご参照ください。
ECサイトとは
ECサイトとは、インターネット上で商品やサービスを販売するウェブサイトのことです。
ECサイトには、営業時間や休業日の概念が一切ありません。「いつでも・どこでも・誰とでも」取引を行い、利益を上げることが可能です。もちろん時差も関係なく、世界中の国や地域とビジネスができることから「越境EC・クロスボーダーEC」という言葉も生まれ、海外へ販路を拡大したい事業者の注目を集めています。
スクラッチ開発とは
スクラッチ開発とは、ソフトウェアやコンピュータシステムをゼロの状態から作り出す開発手法のことです。
「スクラッチ」には「最初から」という意味があり、既存のプログラムやパッケージソフトを使わず、完全オーダーメイドでシステム作り上げることからそのように呼ばれます。
CMSとは
CMSとは、初心者でも簡単にホームページを作成・更新できるシステムのことです。
CMSとはコンテンツ・マネジメント・システム(コンテンツ管理システム)の略称で、簡単にいえばHTMLなどのWeb専門知識がない方でも、簡単にホームページの作成・更新・運営ができるシステムのことです。
ECモールとは
ECモールとは「楽天市場」や「Amazon」のような、ECサイト上に多くの事業者が出品・出店しているインターネット上のショッピングモールのことです。
サブスクリプションとは
サブスクリプションとは「定期購読、継続購入」を意味し、商品やサービスを所有・購入するのではなく、一定期間利用できる権利に対して料金を支払うビジネスモデルを指します。