WordPress入稿用原稿
| 仕様確認基準日:2026年9月11日。ECサービスの機能、料金、API、対応プラン、利用条件は変更される可能性があります。実際に導入・開発する際は、必ず各サービスの最新公式情報をご確認ください。 |
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ネットショップの受注処理で、毎朝同じ作業を繰り返していないでしょうか。
管理画面を開く。新しい注文を確認する。注文番号、商品名、数量、金額、配送先などをExcelやスプレッドシートへコピーする。その後、在庫表や出荷表、販売管理システムにも入力する。
このような作業を減らしたいと考えたとき、「Shopifyなら自動化できるらしい」「BASEでは難しいのでは」「APIが使えるカートへ移行した方がよいのでは」と考える方もいます。
しかし、最初からカートを乗り換える必要はありません。
まず確認したいのは、現在使っているECカートから受注データをどの方法で取り出せるかです。
ECの受注データを外へ出す方法には、CSV、API、Webhook、アプリ・プラグインなど複数あります。そしてAPIを使えなくても、CSVを起点にExcelやスプレッドシートへの転記をかなり減らせるケースがあります。
反対に「API対応」と書かれていても、利用申請やシステム開発が必要で、小規模EC事業者が管理画面でスイッチを入れるだけでは使えない場合もあります。
この記事では、Shopify、WooCommerce、MakeShop、futureshop、BASE、STORES、カラーミーショップ、EC-CUBEについて、受注CSV、API、Webhook、外部連携という観点から比較します。さらに楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどのモールについても整理し、最後に「連携機能が足りない場合にAIをどこへ使うのか」まで解説します。

結論|EC受注の自動化は「CSV・標準連携・API・Webhook」の順で確認する
EC受注の手作業を減らしたい場合、いきなりAPI開発を検討する必要はありません。
少人数で運営しているEC事業者なら、基本的には「CSVで取り出せるか → 標準アプリや外部サービスでつながるか → APIが使えるか → Webhookでリアルタイム処理が必要か」の順番で確認すると整理しやすくなります。
重要なのは、「APIがあるサービスほど優れている」と考えないことです。たとえば、1日10件程度の注文を処理しているショップであれば、1日1回CSVを取得し、その後の加工・転記を自動化するだけで十分な場合があります。
一方、1日に数百件の注文が入り、注文直後に倉庫や在庫管理システムへ反映しなければならないなら、APIやWebhookを利用する価値が高まります。つまり、必要な仕組みは受注量や業務フローによって異なります。
APIがある=簡単に自動化できる、ではない
「API対応」という表記を見ると、簡単にスプレッドシートなどへ自動転記できるように感じるかもしれません。しかしAPIは、基本的にはシステム同士が情報をやり取りするための仕組みです。
実際に使うには、認証設定、アクセストークン、取得する項目の指定、エラー処理、重複防止などの設計が必要になることがあります。
BASEは注文情報を取得できるAPIを公開していますが、BASE Developersへの利用登録と利用許可が必要です。STORESも開発者向けAPI連携機能を提供していますが、自社または制作会社・システム会社による機能開発を想定しています。(出典:BASE API)(出典:STORES API連携)
そのため、比較表では単純に「APIあり=○」で終わらせず、実際に中小企業が使いやすいかまで見る必要があります。
CSVしか使っていなくても改善できるケースは多い
CSVは古い方法に見えるかもしれませんが、小規模EC事業者にとって非常に実用的です。CSVに注文番号、商品コード、商品名、数量、金額などが含まれていれば、そのデータをExcel、Googleスプレッドシート、販売管理システムなどへ渡せます。
問題は「CSVをダウンロードすること」より、その後に人が毎回同じ加工をしていることです。
- CSVを開く
- 不要な列を削除する
- 商品コードを置き換える
- 列の順番を変更する
- 受注管理表へ貼り付ける
このような作業を毎日行っているのであれば、この後半部分から自動化を検討できます。
CSV・API・Webhookの違いを簡単に理解する
CSV|最も始めやすい受注データの取り出し方法
CSVは、表形式のデータを保存するファイル形式です。Excelやスプレッドシートで開けるため、専門的なシステム開発をしなくても扱いやすいのが特徴です。
受注CSVには、注文番号、注文日時、商品名、商品コード、数量、金額、支払方法、配送先などが含まれます。
Shopifyでは管理画面の注文ページから注文情報をCSV形式でエクスポートできます。MakeShopでも注文一覧の検索結果から注文CSVをダウンロードできます。BASE、STORES、カラーミーショップ、futureshop、EC-CUBEにも受注データをCSV等で出力する仕組みがあります。(出典:Shopify 注文CSV)
CSVの弱点は、多くの場合「ダウンロードする」という操作が残ることです。ただし、受注件数がそれほど多くないECでは、この1操作だけ残して、その後を自動化する方が費用対効果が高いことがあります。
API|システムから直接受注データを取得する
APIを使うと、管理画面からCSVをダウンロードしなくても、別のシステムから注文情報を取得できます。たとえば「ネットショップ → API → 受注管理システム」という連携ができます。
人が管理画面を開かなくてもデータを取得できるため、受注量が増えたときに有効です。一方で、APIの認証方法や利用制限はサービスごとに違います。「APIがあります」という情報だけで導入判断をせず、利用条件まで確認しましょう。
Webhook|注文が入った瞬間を外部へ知らせる
APIと一緒に出てくることが多いのがWebhookです。APIが「注文がないか確認しに行く仕組み」だとすれば、Webhookは「注文が入ったので処理してください、とEC側から知らせてもらう仕組み」と考えると分かりやすいでしょう。
WooCommerceでは注文作成・更新・削除などをトリガーとしたWebhookを設定できます。Shopifyにも注文関連のWebhookがあります。(出典:WooCommerce Webhooks)
リアルタイム性が必要な処理では便利ですが、注文数が少なく1日1回集計できれば十分な会社では、必ずしも必要ではありません。
主要ECカートの受注CSV・API・Webhook・外部連携比較
2026年9月11日時点で確認できる公式情報をもとに、実務目線で整理すると次のようになります。
| ECカート | 受注CSV | API | Webhook | 外部アプリ・連携 | 少人数ECでの考え方 |
|---|---|---|---|---|---|
| Shopify | ○ | ○ | ○ | ◎ | 標準機能・アプリ・APIを段階的に選びやすい |
| WooCommerce | △ | ○ | ○ | ◎ | プラグイン・WordPress環境を含めた管理が必要 |
| MakeShop | ○ | ○ | 要仕様確認 | ○ | CSVから始め、必要なら次世代APIを検討 |
| futureshop | ○ | ○ | 要仕様確認 | ○ | CSVは使いやすい。APIは申込・開発条件を確認 |
| BASE | ○ | ○ | 要仕様確認 | ○ | CSVは手軽。API利用は登録・開発を伴う |
| STORES | ○ | ○ | 要仕様確認 | ○ | CSVは手軽。APIは開発用途として考える |
| カラーミーショップ | ○ | ○ | 提供予定情報あり | ○ | CSV・API双方を使える。Webhookは最新状況を確認 |
| EC-CUBE | ○ | △ | 実装による | ◎ | 自由度は高いが自社改修・制作会社対応を前提に考える |
※「△」は利用できないという意味ではありません。標準機能だけで完結しない、拡張機能・バージョン・開発環境などの確認が必要という意味です。
※Webhookは仕様変更が比較的起きやすいため、導入時には各社の最新開発者情報を確認してください。
Shopify|CSVからアプリ・API・Webhookまで段階的に自動化しやすい
Shopifyは、受注データ連携の選択肢を段階的に増やしやすいECプラットフォームです。管理画面から注文データをCSVでエクスポートできるため、最初はCSVを使った集計から始められます。
その後、受注件数や業務量が増えたらアプリを利用し、さらに必要ならAPIやWebhookを使った独自連携へ進むことができます。
Shopifyでも最初からAPI開発する必要はない
たとえば毎朝20件程度の注文をスプレッドシートへコピーしている会社なら、最初から独自APIを開発するより、CSV出力後の処理を自動化する方がシンプルです。
- 必要項目だけ抽出
- 商品コード変換
- 管理表形式へ整形
- 担当者確認
Shopifyの強みは「APIを使わなければならない」ことではなく、業務量が増えたときに次の手段へ進みやすいことにあります。
WooCommerce|自由度は高いがWordPress側の管理も必要
WooCommerceはWordPress上で動くECシステムです。REST APIでは注文データを取得・更新でき、Webhookも利用できます。公式開発者ドキュメントでは、注文の作成・参照・更新・削除などを行うOrders APIが公開されています。
そのため、独自システムとの連携自由度は高いといえます。ただし、少人数事業者にとって注意したいのが、「WooCommerce本体だけ」を見て判断しないことです。
CSV出力はプラグイン構成まで確認する
WooCommerce Marketplaceには、注文・顧客などをCSVやXMLへ出力できる専用拡張機能が提供されています。WooCommerceの場合は、WooCommerce本体+利用テーマ+プラグイン+WordPress+サーバーを含めて運用を考える必要があります。
MakeShop|CSV中心から次世代APIへ拡張できる
MakeShopでは注文一覧から注文CSVをダウンロードできます。日次で受注CSVを販売管理表へ反映する運用であれば、まずCSVを活用するのが現実的です。
一方、API連携も用意されています。2026年2月更新の公式マニュアルでは、旧APIは廃止予定とされ、次世代APIの利用登録が案内されています。そのため、新たに連携を構築する場合は、過去の記事や古いAPI仕様をそのまま参考にせず、現在の次世代APIを基準に確認した方が安全です。
futureshop|CSVは使いやすく、APIは利用条件まで確認する
futureshopでは、受注管理画面から検索結果をCSVとしてダウンロードできます。配送サービス等に合わせた複数形式も案内されています。
さらにAPIv2では、商品データや受注データを取得できるAPIが提供されています。受注検索APIでは条件に一致する受注を最大100件取得でき、受注取得APIでは指定した受注の詳細情報を取得できます。
ただし、APIを利用するには申込みや接続情報の発行などが必要です。公式マニュアルでは、クライアントID発行に固定IPが必要であることなども案内されています。
「APIがあるからすぐ使える」と考えるより、CSVで足りるのか、物流・基幹システムとの常時連携が必要なのかを先に整理しましょう。
BASE|CSVは手軽、APIは利用登録・開発を前提に考える
BASEは「簡単にネットショップを作れるサービス」という印象が強いため、受注データの外部利用が難しいと思われることがあります。しかし、注文データダウンロードAppを使えば注文情報をCSVで取得できます。
さらにBASE APIでは、注文情報一覧や注文詳細を取得できるAPIが公開されています。ただし、API利用にはBASE Developersへの利用登録と利用許可が必要です。
つまり、BASEでもAPI連携は可能ですが、小規模店舗が管理画面だけで簡単に設定する機能とは別物と理解するとよいでしょう。
STORES|オーダーCSVを使える。APIは開発用途として考える
STORES ネットショップでは、オーダー情報をCSV形式で一括出力できます。オーダー番号、ステータス、支払方法、注文日、商品名、注文個数、品番、金額、配送先、購入者情報などを含むデータを出力できます。
注意したいのがプラン差です。「CSVが出せるか」だけでなく、自社が必要としている列まで出せるかを確認しましょう。
STORESには開発者向けAPI連携機能もあります。ただし、自社または制作会社・システム会社へ依頼して、在庫管理、受発注管理、会計管理などの機能を開発する用途として案内されています。
小規模ECならまずCSVと既存外部サービスを確認し、それでも不足する場合にAPI開発を検討する方法が現実的です。
カラーミーショップ|CSVとAPIの両方を使える
カラーミーショップでは、管理画面から各種データをCSVでダウンロードできます。公式ヘルプには「受注一括データ」がダウンロード対象として掲載されています。
APIも公開されており、外部サービスとの連携や独自アプリ開発が可能です。API利用料金は無料と案内されていますが、技術的なサポートは行わず、ショップ側で開発する前提とされています。
2026年8月6日には、受注作成時に外部へ通知するWebhookを2026年9月に提供予定と発表しました。ただし2026年9月11日時点では、正式提供開始の確認が取れないため、導入時に最新の公式開発者情報を確認してください。
EC-CUBE|CSV連携はしやすいが、独自改修を含めて考える
EC-CUBE4では受注CSV、配送CSV、商品CSV、会員CSVなどを出力できます。さらに、CSVに出力する項目や並び順を設定できるため、外部の販売管理システムや会計システムに合わせてデータ形式を調整できます。
一方でEC-CUBEは、自社サーバー、制作会社、プラグイン、独自カスタマイズなどによって環境が大きく異なります。そのため、現在のバージョンや改修内容を確認した方が確実です。
既に制作会社へ保守を依頼している場合は、新しいツールを探す前に「現在のEC-CUBEから受注情報をどの形式で外へ出せるか」を制作会社へ確認してみましょう。
主要サービスの公式確認先
- Shopify 注文CSV
- WooCommerce Orders API
- WooCommerce CSV Export
- MakeShop API
- futureshop APIv2 受注データ
- BASE API
- STORES API連携
- カラーミーショップ API
- カラーミーショップ Webhook告知
- EC-CUBE4 CSV出力
楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなどモールの受注データはどう考える?
自社ECだけでなく、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングにも出店している会社では、問題が少し複雑になります。自社ECだけ自動化しても、残りのモールから人が受注をコピーしていれば、手作業は残るからです。
複数モールを運営する場合は、各モールのCSVやAPIを個別に見るだけでなく、最終的にどこへ受注を集約するかを先に決めましょう。
楽天市場|RMSからデータを取り出せる
楽天市場のRMSにはCSVデータダウンロードサービスがあり、受発注・配送に関するデータを抽出し、配送伝票や自社販売管理システムとの連動などに利用できると公式に案内されています。複数モールを運営している場合は、楽天だけ独自処理するより、受注管理システムへまとめる方法も比較対象になります。
Amazon|レポートとSP-APIを用途で分ける
Amazonでは、受注情報を扱うSelling Partner API、いわゆるSP-APIが提供されています。Orders APIなどを利用できますが、一部の注文情報や個人情報に関わる操作では権限・ロールの確認が必要です。小規模店舗の場合は、日々の集計でAPI開発まで必要なのかを先に判断することが重要です。
Yahoo!ショッピング|注文関連APIを利用できる
Yahoo!ショッピングでは、注文ステータス別件数、注文検索、注文詳細などの注文APIが公開されています。ただし、本番環境で注文関連APIを利用する場合は別途利用申請が必要です。ここでも「APIがある」と「すぐに使える」は分けて考えましょう。
複数モールでは「各サイトの自動化」より「集約先」を決める
Shopify、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの4店舗を運営している会社で、それぞれ別のExcelを作ると管理先が増えるだけです。必要なのは、「4種類の受注データを最終的にどこへ集約するか」という設計です。
- 注文番号
- 販売チャネル
- 注文日時
- 商品コード
- 数量
- 販売価格
- 配送状況
共通の受注管理表へ項目を統一して保存すれば、その後の集計や出荷確認がしやすくなります。
ここで各サービスの項目名の違いを吸収する部分は、AIが役立つ場面でもあります。
「連携がない」ときにAIで補完できる業務
AIは、APIの代わりとして何でも操作させるものではありません。EC受注業務では、定型処理は通常の自動化、表記ゆれや判断が必要な部分はAIという役割分担が適しています。
CSVの列名や形式をそろえる
複数ECからCSVを取得すると、同じ意味の項目でも「商品コード」「品番」「SKU」「商品管理番号」のように名前が違うことがあります。AIを使えば、各CSVの項目を確認し、「自社受注表のどの列に対応するか」を整理する補助として利用できます。一度対応関係が決まった後は、通常のプログラムや表計算処理で自動化した方が安定します。
商品名や得意先独自の表記を変換する
EC上の商品名と社内の商品コードが一致していないケースもあります。たとえばECでは「秋限定ギフトセット 大」、社内では「GIFT-A-L」という管理コードを使う場合です。こうした表記変換が大量にある場合、AIに候補を出させ、人が確認した変換ルールをマスタ化する方法があります。
毎回AIに完全判断させるのではなく、AIでルール作成を補助し、確定したルールは通常処理に戻す方が安定します。
注文通知メールから必要情報を整理する
APIやCSV連携が難しいサービスでも、注文時にメール通知が届くケースがあります。そのメールから注文番号、商品名、数量、希望納期などの必要項目を抽出し、管理表へ転記する仕組みも考えられます。
| 注文通知には氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が含まれる可能性があります。生成AIへ注文メールをそのまま入力する前に、使用するAIサービスのデータ利用条件、会社のセキュリティルール、個人情報の取扱方針を確認してください。 |
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AIに管理画面を読ませればAPIはいらないのか
AIエージェントなどを使えば、人の代わりにブラウザを操作し、EC管理画面から情報を取得できる場合があります。ただし、これを最初の選択肢にするのはおすすめしません。
理由は、管理画面のレイアウト変更、ログイン認証、二段階認証、通信エラーなどの影響を受けやすいためです。EC側にCSVやAPIが用意されているなら、まず正式なデータ取得手段を利用した方が安定します。
基本的な優先順位は「公式API・標準連携 → CSV → 必要な範囲でAI補完」です。AIによる画面操作は、他の取得手段が使えない特殊な工程を補う方法として検討するとよいでしょう。
AIの読み取り結果をそのまま出荷へつなげない
EC受注データの自動化で最も避けたいのは、処理速度を上げる代わりに誤出荷を増やすことです。特にAIで商品名の変換、数量の読み取り、住所の判定、配送方法の分類などを行う場合は、人の確認工程を残しましょう。
おすすめなのは、注文番号などEC側で一意に識別できる情報をキーにすることです。AIが作った出荷候補データについて、元の注文番号・商品コード・数量などを元データと照合し、一致したものだけ次へ進めます。
AIを「正解を出す機械」として扱うのではなく、人が確認するための一次処理を速くする仕組みとして使う方が安全です。
自社に合うEC受注連携を4段階で判断する

レベル1|CSVで受注データを取り出す
まず現在のカートから何を出せるか確認します。受注件数が少なく、リアルタイム反映は不要で、担当者が毎日確認する会社なら、CSVを起点にした改善から始めやすいでしょう。
レベル2|CSVを取り出した後の作業を自動化する
不要列削除、商品コード変換、日付形式統一、管理表への転記、店舗別集計などです。ここは中小EC事業者で改善効果が出やすい部分です。毎日30分かかっている作業なら、月20営業日で約10時間になります。
レベル3|アプリ・外部サービスで直接つなぐ
受注件数や販売チャネルが増えたら、既製の連携サービスを確認します。既製サービスで必要な処理ができるなら、自社専用APIを開発するより保守負担を抑えられる可能性があります。
レベル4|API・Webhookで独自連携する
注文件数が多くCSV処理では間に合わない、注文後すぐに倉庫へ指示を出したい、自社基幹システムとの連携が必要、複数ECから継続的に情報を取得したい、リアルタイム反映が必要、といった場合に優先度が高まります。
カート移行を検討する判断ライン
「今のECカートでは自動化しにくい」と分かったからといって、すぐにShopifyなどへ移行する必要はありません。AI導入や受注自動化のためだけに、カート移行を前提条件にする必要はないからです。
まず現在のカートのCSV・外部連携・APIを調べる
- 必要な受注情報をCSVで出せるか
- 既存の受注管理・物流サービスへ連携できるか
- APIが用意されているか
- 現在の手作業をCSV+自動化で減らせないか
これだけで問題が解決するのであれば、カートを移行する必要はありません。
カート移行には受注連携以外の影響もある
- 商品ページ
- 商品URL
- 顧客データ
- 会員情報
- 決済方法
- 定期購入
- ポイント
- クーポン
- SEO
- 広告計測
- 物流連携
受注コピペを10分減らすために大規模な移行を行うのであれば、費用対効果が合わない可能性があります。
移行を比較してよいケース
- 現在のカートでは必要データを取得できない
- 複数の重要システムへ連携できない
- 受注件数増加で手作業が限界
- 今後さらにEC規模を拡大する予定
このような場合は、将来の運用まで考えてカート移行を比較する価値があります。ただし、「APIが多いから」という理由だけではなく、受注・在庫・物流・顧客管理を含めた全体で判断してください。
仕様・料金・API条件は必ず公式サイトで確認する
ECサービスの連携機能は変更されます。特に次の項目を確認してください。
- 現在利用しているプラン
- CSVに含められる項目
- API利用申請の要否
- API利用料金
- 固定IPなどの接続条件
- APIの呼び出し制限
- Webhookの対応イベント
- 外部アプリの利用料金
- 個人情報を取得するための権限
- APIの旧版・新版・廃止予定
実際、MakeShopでは旧APIの廃止予定と次世代APIへの移行が案内され、futureshopでも旧APIとAPIv2が存在します。カラーミーショップでも2026年9月にWebhook提供予定という新しい動きが発表されています。数年前のブログ記事だけを見て「このカートではAPIが使えない」「Webhookがない」と判断しないようにしましょう。
まとめ|カートを変える前に「今取り出せる受注データ」を確認する
Shopify、WooCommerce、MakeShop、futureshop、BASE、STORES、カラーミーショップ、EC-CUBEでは、それぞれ受注データを外へ取り出す方法が異なります。重要なのは、機能数だけで優劣を決めないことです。
少人数EC事業者なら、「CSVで取り出す → CSV後の加工・転記を自動化する → 標準アプリや外部サービスを確認する → 必要ならAPI・Webhookを利用する → 非定型処理だけAIで補完する」という順番で考えると、無理のない改善につながります。
BASEやSTORESのような手軽なECサービスでも、受注CSVだけでなくAPIが提供されています。一方、APIが存在していても、利用申請や開発が必要な場合があります。
逆に、APIを使わなくてもCSVとスプレッドシートを組み合わせるだけで、毎日の受注コピペを大幅に減らせる会社もあります。
まずは現在利用しているカートで「何のデータを出せるのか」「どこへの転記に時間がかかっているのか」「リアルタイム連携が本当に必要なのか」を整理してみてください。カート移行は、その後でも遅くありません。
現在使っているECカートを変更しなくても、CSVや既存の連携機能を使って受注後の手作業を減らせる場合があります。
「自社のカートではどこまで自動化できるのか」「API開発まで必要なのか」「AIを使うならどの工程なのか」が分からない場合は、現在の受注フローを整理したうえで確認してみてください。
相談時には、利用しているECカート・モール名、利用プラン、月間のおおよその注文件数、現在使っているCSV、転記先のExcel・スプレッドシート・販売管理システムなどが分かると、改善方法を整理しやすくなります。
注意:ECサービスの機能、API、料金、対応プラン、利用条件は変更される場合があります。実際の導入時には各サービスの公式情報を確認してください。
