この記事の結論
登記申請そのものは専用ソフトに任せ、案件・顧客・進捗の管理は汎用ツールで組む事務所が最も多い構成です。
比較の軸は「登記ソフトとの連携」「依頼者連絡」「AI連携」「補助金の対象になるか」の4つで足ります。
専用ソフト型・汎用プラットフォーム型・ドキュメント型は優劣ではなく、事務所の同時進行案件数と業務構成で向き不向きが分かれます。
汎用側で組むなら、アプリを4〜5個に分け「誰が入力するか」を先に決めてから項目を作ると定着します。
ツールを入れる順番は、案件管理を先、自動化を後です。逆にすると土台のないところに自動化が載って必ず崩れます。
司法書士事務所から「案件管理をなんとかしたい」というご相談を受けるとき、最初にうかがうのは「今どこで管理していますか」ではありません。「所長が今、進行中の案件を全部言えますか」です。言える事務所は、まだツールを替える段階ではないことが多い。言えない、あるいは補助者に聞かないと分からない、という事務所は、もう記録の置き場所を変えたほうがいい段階に来ています。
相続登記の申請義務化が2024年4月1日に施行され、過去に発生した相続分の申請期限が2027年3月末とされたことで、多くの事務所で相続案件の同時進行数が増えました。1件あたりの難易度が上がったというより、「戸籍待ち」「依頼者の返事待ち」「他の相続人の押印待ち」といった、止まっている案件が同時にたくさん存在する状態が常態化した、という表現のほうが実感に近いはずです。案件管理ツールの話がここ数年で増えているのは、そういう背景があります。
この記事では、司法書士事務所が選択肢に挙げる案件管理の道具を「登記申請専用ソフト」「汎用の業務改善プラットフォーム(kintone等)」「ドキュメント型ツール(Notion等)」「表計算ソフト」というタイプ単位で整理し、4つの軸で比較します。個別製品の料金や機能一覧は扱いません。製品は年単位で変わりますが、選び方の軸は変わらないからです。後半では、汎用プラットフォームで組む場合の画面構成例を、アプリ名・持たせるフィールド・誰が入力するかの3点まで具体化します。
司法書士事務所の「案件管理」は3つの層に分かれている
ツール比較の話がかみ合わなくなる原因は、ほぼ毎回同じです。「案件管理」という一語で、性質のまったく違う3つの仕事をまとめて呼んでいるからです。まずここを分けます。分けた瞬間に、「どれか1つで全部やる」という発想が現実的でないことが見えてきます。

層1|登記申請そのもの(申請データ作成・オンライン申請・添付書類)
不動産登記・商業登記の申請情報を作り、オンラインで送信し、登録免許税や添付情報を管理する層です。ここは登記申請専用ソフトの領域で、汎用ツールで代替する話にはなりません。法改正や様式変更に追随してくれること自体が価値であり、そこを自作すると改正のたびに事務所側が負債を背負います。この層について「汎用ツールに置き換えられないか」と考えるのは、ほぼ確実に筋の悪い検討です。
層2|案件・顧客・進捗の管理
誰から受任した何の案件が、今どの段階にあって、次に誰が何をするのか。期限はいつか。報酬はいくらで、請求は出したか。関与している相続人は何人で、そのうち誰の書類が揃っていないのか。ここが本記事の主戦場です。事務所ごとに扱う業務の比率も、担当の分け方も、依頼者の属性も違うので、「うちの言葉」で作れるかどうかが効いてきます。
この層でつまずいている事務所の典型は、案件の一覧はあるのに「止まっている理由」がどこにも書いていない、という状態です。ステータスが「進行中」のまま3週間動いていない案件が10件あったとして、それが戸籍待ちなのか、依頼者が入院中なのか、こちらの作業待ちなのかが一覧から読めない。所長が毎回補助者に聞くことになり、聞かれた補助者は自分の記憶から答える。属人化はここから始まります。
層3|依頼者とのやり取りと書類の受け渡し
書類を依頼するメールや郵送物、返送の督促、進捗の報告、完了時の連絡。相続案件では相続人が複数いるので、同じ案件の中で複数の相手に別々のやり取りが走ります。ここを層2と同じ場所に置くか、別の道具にするかは事務所の判断が分かれるところです。分けると連絡履歴が案件から切り離されて追えなくなり、統合しようとすると設計が重くなります。
3層を1つに統合しようとして失敗する典型
よくある失敗が2種類あります。ひとつは、登記申請専用ソフトに付属している顧客管理機能で層2も層3も全部やろうとして、自分の事務所の運用と合わない項目に合わせて業務のほうを歪めてしまうケース。もうひとつは、汎用ツールで層1まで含めた「うちの全部」を作ろうとして、半年たっても完成せず、結局誰も使わないまま表計算に戻るケースです。
現実的な答えは、層1は専用ソフト、層2は汎用ツール、層3は層2に寄せるか連絡ツール側に寄せるかを事務所の規模で決める、という分担です。この記事の比較も、その前提で読んでください。
専用ソフトが向く事務所と、汎用ツールが向く事務所
判断を分けるのは「人数」ではなく同時進行案件数と業務構成
「何人以上なら専用ソフト」という基準は、実務ではあまり役に立ちません。所長ひとりと補助者ひとりの2人事務所でも、決済案件を月に何十件も回していれば管理の密度は高くなりますし、5人いても相続中心で1件あたりの期間が長ければ、同時に動いている案件数は意外と少ない。見るべきは、常時いくつの案件が「開いている」かです。
目安として、常時開いている案件が30件を超えたあたりから、頭と紙のファイルだけでは取りこぼしが出ます。50件を超えると、表計算1枚での運用が苦しくなります。100件を超えると、誰が何を持っているかを一覧で見られない限り、所長の負担が急に重くなります。この数字は厳密な閾値ではありませんが、相談を受ける事務所の話を聞いていると、だいたいこのあたりで「そろそろ限界」という言葉が出てきます。
登記申請専用ソフト中心の運用が向く事務所
決済立会いを含む不動産登記の比率が高く、案件のライフサイクルが短く、定型的な事務所です。決済案件は受任から完了までが短期間で、扱う情報も申請そのものに近い。この場合、専用ソフト側の案件一覧と進行管理で足りることが多く、わざわざ別の道具を足すと二重入力になります。
また、補助者が複数いて、全員が同じ手順で同じ種類の案件を回している事務所も、専用ソフト中心のほうが揃います。汎用ツールの自由度は、手順が揃っている組織では逆にばらつきの原因になるからです。
汎用ツール中心の運用が向く事務所
相続・後見・家族信託・債務整理など、期間が長く関係者が多い業務の比率が高い事務所です。これらは「登記申請」という出口に至るまでの前工程が長く、その前工程の管理項目が事務所ごとに違います。相続人の続柄、戸籍の取得先の役所名、まだ返ってきていない書類、面談の記録、他士業への照会。専用ソフトの項目では受けきれない情報がたくさん出ます。
もうひとつ、行政や地域包括支援センター、金融機関経由の相談が多い事務所も汎用側が向きます。相談から受任に至らない案件の記録が積み上がるからです。相談段階の記録を専用ソフトに入れる運用は無理があり、かといって捨てると、半年後に同じ相談者が戻ってきたときに何も残っていません。
実際にいちばん多いのは併用
お手伝いした事務所で最終的に落ち着く形は、ほぼ併用です。登記申請は専用ソフト、案件と顧客と進捗は汎用ツール、依頼者への一次連絡はメールとLINE、というように役割で分けます。重要なのは、どちらを「正」にするかを決めておくことです。案件番号をどちらで採番するか、依頼者の氏名や住所の正しい版はどちらにあるかを決めないまま併用すると、突き合わせに時間を取られます。
| 事務所のタイプ | 主な業務構成 | 相性のよい構成 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 決済中心・少人数 | 不動産登記(決済立会い)が7割以上 | 登記申請専用ソフト中心。案件管理は専用ソフトの機能で完結 | 相続案件が増え始めたら前工程の管理が破綻しやすい |
| 相続中心・少人数 | 相続登記・遺産承継が半分以上 | 専用ソフト+汎用プラットフォーム(案件・相続人・書類受領) | 作り込みすぎると所長が全部作ることになり止まる |
| 相続中心・補助者3名以上 | 相続に加えて後見・信託 | 専用ソフト+汎用プラットフォームで権限を分けた運用 | 誰が入力するかを決めないと入力漏れが発生する |
| 商業登記・顧問中心 | 役員変更・本店移転など会社関係が中心 | 専用ソフト+顧問先マスタを持つ汎用ツール | 年次の任期管理を持てないと更新漏れにつながる |
| 相談段階が多い事務所 | 行政・包括・金融機関からの相談流入が多い | 汎用ツールで相談ログを持ち、受任時に案件へ昇格 | 相談記録の保管期間と削除ルールを先に決める |
比較の軸は4つでよい|登記ソフト連携・依頼者連絡・AI連携・補助金対象
なぜ軸を4つに絞るのか
比較表を作ろうとすると、つい機能を横に並べたくなります。ですが機能一覧の比較は、ほぼ意思決定に効きません。理由は単純で、どの製品にも「ある」と書かれている機能が、実際の使い勝手ではまったく違うからです。代わりに、選んだあとで取り返しがつかなくなる論点だけを軸にします。それが次の4つです。
軸1|登記申請ソフトとの連携
ここでいう連携は、システム同士が自動でつながっているかどうかだけを指しません。実務で効くのは「同じ情報を何回打つか」です。依頼者の氏名・住所・生年月日、不動産の所在と地番、会社の商号と本店。これらを案件管理側と申請ソフト側で二重に打っているなら、それが連携が弱いということです。
確認のしかたは実務的で、「登記申請ソフトからCSVで案件データを出せるか」「案件管理側にCSVを取り込めるか」の2点です。API連携がなくても、月に一度のCSV突合ができれば実務は回ります。逆に、どちらもエクスポートできない組み合わせを選ぶと、永久に手入力が残ります。導入前のデモで必ず出力を見せてもらってください。
軸2|依頼者連絡(督促・進捗報告・書類受け渡し)
司法書士事務所の案件が止まる原因の大半は、事務所の中ではなく外にあります。戸籍が役所から届かない、相続人が印鑑証明を送ってこない、依頼者が入院している。だから案件管理ツールに求められるのは「今日、誰に連絡すべきかが分かること」です。ステータスの綺麗さではありません。
この軸で見るのは、案件に紐づけて次回連絡日を持てるか、その日が来たら誰かに知らせが飛ぶか、送った連絡の履歴が案件から追えるか、の3点です。メール送信機能があるかどうかより、この3点のほうが効きます。実際、連絡はこれまで通りメールと電話でも、次回連絡日と履歴が案件にぶら下がっているだけで督促漏れは目に見えて減ります。
軸3|AI連携
AI連携という言葉が指す内容は幅があります。ツール自体にAI機能が載っているかどうかよりも、実務で重要なのは「そのツールに溜まったテキストを、外部のAIに安全に渡せるか」です。面談メモ、経過記録、相続関係の整理メモ。これらをまとめて取り出せるツールなら、要約や下書き生成にそのまま使えます。取り出せないツールは、AI活用の入口で詰まります。
ただし、司法書士事務所の場合は取り出せることと入れてよいことが別問題です。戸籍の記載内容、登記識別情報、本人確認資料、依頼者間の紛争に関する情報は、そのまま外部のAIに渡してよい情報ではありません。案件管理ツールを選ぶ段階で、匿名化した状態で出力できる仕組み(氏名欄と経過記録欄が分かれている、出力する列を選べる)があるかを見ておくと、あとが楽です。詳しくは相続登記の業務効率化でAIに任せる工程・任せない工程の整理も参考にしてください。
軸4|補助金の対象になるか
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を使う場合、対象になるのはIT導入支援事業者が登録したITツールに限られます。つまり「よい製品かどうか」と「補助対象かどうか」は別の話です。汎用プラットフォームやドキュメント型ツールは、それ自体が登録されている場合と、支援事業者が構築サービスとセットで登録している場合があり、後者のほうが司法書士事務所には実用的なことが多い。素のライセンスだけ買っても、設計されていないアプリは使えないからです。
この軸を最初から気にしすぎると、選択肢が歪みます。おすすめの順番は、まず業務要件で2つに絞り、そのうえで補助金の登録状況を確認することです。補助金は導入の理由ではなく、導入を決めたあとの資金繰りの話として扱ってください。要件の詳細は士業事務所のデジタル化・AI導入補助金の対象要件にまとめています。
タイプ別の比較表
| 比較軸 | 登記申請専用ソフト型 | 汎用の業務改善プラットフォーム型(kintone等) | ドキュメント型ツール(Notion等) |
|---|---|---|---|
| 登記ソフト連携 | 申請そのものを担うため連携という概念が不要。案件情報の再入力が発生しない | 直接の連携は基本的にないが、CSVの出し入れで実務は回せる。案件番号を揃える運用が前提 | 連携は弱い。手入力または貼り付け中心になるため、件数が多いと二重入力が負担になる |
| 依頼者連絡 | 製品によって差が大きい。定型の通知は得意でも、相続人が複数いる案件の個別管理は弱いことがある | 次回連絡日・担当・履歴を自分で設計できる。通知やリマインドも組みやすい | 履歴を残す器としては優秀。ただし「今日やること」を能動的に知らせる仕組みは弱い |
| AI連携 | データを外に出しにくい構造のものがあり、外部AIに渡すには制約が出やすい | 項目単位で出力を制御しやすく、匿名化した経過記録だけを渡す運用が作りやすい | テキストの塊として扱いやすく、要約・マニュアル化との相性はよい |
| 補助金対象 | 登録されている製品がある。支援事業者経由での申請が前提 | 構築サービスとセットで登録されているケースがあり、設計費まで含められる場合がある | 登録状況は製品・時期によって異なるため、申請前に必ず確認が必要 |
| 立ち上がりの早さ | 導入設定は必要だが、業務に合った型が最初からある | 設計しないと何も始まらない。最初の1アプリまでが山場 | 最も速い。当日から使い始められる |
| 件数が増えたときの強さ | 強い。大量件数を前提に作られている | 強い。絞り込みと集計が効く | 弱くなりやすい。入力規律がないとページが散らかる |
この表をどう読むか
4つの軸すべてで満点を取る組み合わせはありません。優先順位をつけるとすれば、まず軸1(二重入力の有無)です。二重入力は毎日発生し、誰も得をしないコストだからです。次が軸2で、これは案件が止まる時間に直結します。軸3と軸4は、選択肢が2つに絞れたあとの決め手として使うくらいがちょうどよいバランスです。
なお、この表は製品ではなくタイプの傾向です。同じタイプでも製品によって差がありますし、バージョンアップで変わります。実際の選定では、必ず自分の事務所の案件を1件そのまま入れてみて、入りきらない項目がどれだけ出るかを確認してください。デモを見るより、そのほうが判断が早い。
登記申請専用ソフト型|強みと、それでも埋まらない穴
強み|法改正への追随と、申請までの一気通貫
最大の価値は、様式や制度の変更に事務所が対応しなくてよいことです。申請情報の作成からオンライン申請、登録免許税の計算、添付情報の管理までが一本でつながっているので、決済案件のように短期間で確実に処理する業務では圧倒的に速い。ここを汎用ツールで置き換える発想は持たないほうがよいと考えています。
もうひとつの強みは、補助者への教育コストの低さです。手順が製品側で決まっているため、「この事務所ではこう入力する」という独自ルールが少なくて済みます。人の入れ替わりがある事務所では、これが効きます。
弱くなりがちなところ|受任前と受任直後
専用ソフトは「申請する案件」を前提に設計されています。したがって、相談は来たが受任していない案件、受任したが戸籍がまだ1通も揃っていない案件、相続人の一部と連絡が取れていない案件といった、申請の形になる前の状態を持たせにくい。ここが、相続中心の事務所で不満が出る一番のポイントです。
もうひとつは、案件の周辺にいる人を管理しにくいことです。相続案件では依頼者ひとりの背後に、他の相続人、その配偶者、施設の担当者、金融機関の窓口といった関係者がいます。誰にいつ何を送り、誰から何が返ってきていないのかを持つには、人を案件に何人でもぶら下げられる構造が必要です。
「案件管理機能を使い切れていない」問題
相談を受けると、実は今使っている専用ソフトに案件管理の機能が付いていて、誰も使っていなかった、というケースが一定数あります。新しいツールを検討する前に、まず契約中のソフトで何ができるかを支援窓口に確認してください。それで足りるなら、それが一番安い解決です。この確認を飛ばして新しいツールを入れると、機能が重複したまま費用だけ増えます。
検討の前にやること
今使っている登記申請ソフトの案件管理機能・CSV出力の可否・オプションの有無を、販売元のサポート窓口に一度問い合わせる。
新規導入の判断は、そのうえで「足りないもの」が具体的に言語化できてからで遅くありません。
汎用の業務改善プラットフォーム型(kintone等)の実像
強み|自分の事務所の言葉で項目を作れる
このタイプの本質は、データベースを事務所の業務に合わせて作れることです。相続案件なら「被相続人」「相続開始日」「相続人数」「取得済み戸籍の通数」「未着書類」「次回連絡日」といった、事務所が実際に口にしている言葉をそのまま項目にできる。専用ソフトの項目名に業務を合わせるのではなく、業務に項目を合わせられます。
もうひとつ大きいのが、絞り込みと集計です。「担当が補助者Aで、次回連絡日が今日以前で、ステータスが完了以外」の案件を一覧にする、といった見方を保存しておけます。朝いちばんにその一覧を開けば、今日やることが確定する。案件管理ツールを入れる価値の8割は、正直この機能にあります。
弱み|設計しないと何も始まらない
裏返すと、契約しただけでは空っぽです。「何の項目を持たせるか」を決めるのは事務所側の仕事で、ここが止まると導入も止まります。実際、契約から3か月経っても最初のアプリができていない、という状態は珍しくありません。所長が本業の合間に作ろうとすると、まず終わりません。
もうひとつの弱みは、作り込みすぎる誘惑です。自由度が高いので、あれもこれも項目にしたくなる。しかし入力項目が30個ある画面は、補助者が埋めません。埋めない項目があると一覧が信用できなくなり、結局また口頭で確認するようになります。項目は少なく始めて、足りないものを足すのが鉄則です。
自分で作るか、設計を外に出すかの判断
判断の目安は「事務所の中に、業務全体を説明できて、かつ画面を触るのが苦にならない人がいるか」です。いるなら自分たちで作ったほうが確実に良いものになります。いない場合、所長が独学で作ると本業の時間を削るうえに、途中で止まったときに再開できません。最初の骨格だけ外に出して、運用しながらの改修を自分たちでやる、という分担が現実的です。
ドキュメント型ツール(Notion等)が向く場面・向かない場面
強み|立ち上がりの速さと、文章との相性
このタイプの良さは、当日から使い始められることです。案件ごとにページを作り、そこに面談メモ、経過、次にやること、参考資料へのリンクを書き溜めていく。文章と表が混在した記録に強く、司法書士の仕事のように「経緯」が重要な業務との相性は悪くありません。
特に有効なのが、業務手順の記録です。戸籍を請求するときの役所ごとの癖、法務局の窓口ごとの運用の違い、この依頼者にはどの説明が通じたか。こうした「書いておかないと消える知識」の置き場としては、専用ソフトよりも汎用プラットフォームよりも扱いやすい。属人化の解消を狙うなら、ここから始めるのも手です。
弱み|件数が増えたときの入力規律
自由度が高いぶん、書き方が人によってばらけます。3人が3通りの書き方をした案件ページが100件たまると、一覧から状況を読むことができなくなります。テンプレートを固定し、必ず埋める欄を決め、それを守らせる運用が必要ですが、それを徹底するくらいなら最初から項目が固定されているツールのほうが早い、という判断もあります。
もうひとつ、期限管理が弱くなりがちです。「今日連絡すべき案件」を能動的に知らせる仕組みを作り込みにくいので、結局カレンダーやタスクツールと併用することになります。件数が少ないうちは問題になりませんが、常時50件を超えたあたりから取りこぼしが出ます。
使い分けの現実解
案件の「状態と期限」は構造化されたツール、案件の「経緯とノウハウ」はドキュメント型、という分担がしっくりくる事務所が多いです。両方を使うのは無駄に見えますが、性質の違う情報を無理に一箇所に押し込むより、結果的に運用が続きます。案件番号だけ共通にしておけば、行き来はできます。

表計算ソフトの運用を続けてよい事務所・限界が来る事務所
表計算は「悪い方法」ではない
案件管理の相談で最初に「表計算はやめましょう」とは言いません。所長ひとりで常時20件程度なら、1枚のシートで十分に回ります。むしろ、無理にツールを入れて入力が面倒になり、シートに戻るくらいなら、シートを丁寧に作ったほうがよい。判断のポイントは、続けられるかどうかではなく、限界のサインが出ているかどうかです。
限界のサイン
| サイン | 現場で起きていること | 移行後にどう変わるか |
|---|---|---|
| 同じシートを2人以上が同時に開く | 上書き事故が起き、誰かの入力が消える | レコード単位で編集されるため衝突しない |
| 1案件の情報が複数のシートに分かれた | 案件シート・戸籍管理シート・請求シートを毎回突き合わせる | 案件を軸に関連情報が紐づいて表示される |
| 行数が増えて横スクロールが常態化 | 必要な列を探すのに時間がかかり、入力漏れが出る | 入力画面と一覧画面が分離され、見る列を選べる |
| フィルタを毎朝手で掛け直している | 「今日連絡する案件」を毎回作り直している | 保存した絞り込みを開くだけで済む |
| 過去案件を消せず、動作が重い | 完了案件が混ざり、検索が遅くなる | 完了案件を別ビューに退避でき、必要時だけ参照する |
| 誰が最後に触ったか分からない | 入力内容の誤りを追跡できない | 更新者と更新日時が自動で残る |
このうち2つ以上が当てはまっているなら、移行を検討する段階です。逆に、ひとつも当てはまらないなら、まだシートで戦えます。ツールの導入は目的ではないので、困っていないなら急ぐ必要はありません。
kintoneで組む場合の画面構成例
ここからは、汎用の業務改善プラットフォーム(kintone等)で司法書士事務所の案件管理を組む場合の、現実的な最小構成を示します。相続を中心に、不動産登記・商業登記も扱う事務所を想定しています。ポイントは、最初から全部を作らないこと、そして項目ごとに「誰が入力するか」を先に決めることです。
アプリは4〜5個に分ける
1つの巨大なアプリにすべてを詰め込むと、入力画面が長くなり、誰も埋めなくなります。逆に10個以上に分けると、行き来が面倒で放置されます。司法書士事務所であれば、案件・関係者・書類受領・作業ログ・顧客(会社)の4〜5個が扱いやすい単位です。
アプリ構成と入力担当
| アプリ名 | 持たせるフィールド | 誰が入力するか |
|---|---|---|
| 案件アプリ | 案件番号(自動採番)/案件種別(相続登記・所有権移転・役員変更ほか)/依頼者名/受任日/担当司法書士/担当補助者/ステータス/次にやること(1行テキスト)/次回連絡日/期限(申請期限・決済日)/報酬額/請求状況/備考 | 受任日・案件種別・依頼者名・担当は司法書士が受任時に入力。ステータス・次にやること・次回連絡日は担当補助者が随時更新。報酬額と請求状況は事務員 |
| 関係者アプリ | 案件番号(関連レコード)/氏名/続柄(相続人・受遺者・買主・売主・代表者ほか)/連絡先/住所/連絡可否(電話可・郵送のみ等)/押印済みか/本人確認済みか/備考(施設入所中、後見人あり等) | 面談後に担当補助者が入力。連絡可否と備考は面談した司法書士が追記 |
| 書類受領アプリ | 案件番号(関連レコード)/書類名(戸籍謄本・除籍謄本・住民票除票・印鑑証明書・遺産分割協議書ほか)/取得先(役所名・依頼者・金融機関)/依頼日/到着予定日/到着日/不足の有無/再請求メモ | 依頼日・取得先は請求した補助者。到着日は郵便を開封した事務員。不足の有無は確認した補助者 |
| 作業ログアプリ | 案件番号(関連レコード)/日付/作業者/区分(面談・電話・郵送・法務局・内部作業)/内容(複数行テキスト)/所要時間/次のアクション | 作業した本人がその日のうちに入力。面談記録は司法書士、事務作業は補助者・事務員 |
| 顧客・顧問先アプリ | 顧客名(個人・法人)/法人番号/本店・住所/代表者/役員任期の満了予定/紹介元(行政・金融機関・既存顧客ほか)/過去案件(関連レコード)/担当 | 初回受任時に司法書士が作成。役員任期は商業登記完了時に担当補助者が更新。紹介元は受任時に必ず記録 |
進捗は「ステータス」より「次にやること」で持つ
案件アプリで最も重要な項目は、ステータスではなく「次にやること」の1行テキストです。ステータスは選択肢なので、実務の細かい状態を表現できません。「戸籍収集中」と書いてあっても、こちらの作業待ちなのか役所待ちなのかが分からない。ここに「A市に除籍を再請求済み、10/15頃着予定」と書いてあれば、所長も他の補助者も、その1行を見るだけで状況が分かります。
この欄を必須にして、更新するたびに書き換えるルールにするだけで、案件の停滞は目に見えて減ります。逆にこの欄がないと、どれだけ項目を作り込んでも「結局あの案件どうなってる?」という会話がなくなりません。
期限の持ち方|2027年3月末を見据える
相続登記の申請義務化に伴い、施行前に発生していた相続については2027年3月末までの申請という期限があります。事務所として管理すべきは、この期限に向かって走っている案件がいくつあり、そのうちいくつが止まっているかです。案件アプリの期限フィールドに具体的な日付を入れ、「期限が近く、かつステータスが完了以外」の一覧を作っておけば、四半期ごとの棚卸しがそのままできます。
あわせて、期限管理と混同されがちな「決済日」は別のフィールドに分けてください。同じ日付でも、性質が違うと絞り込みが混ざります。相続の申請期限、決済立会いの日、株主総会の予定日、後見の報告期限。これらは別項目として持ち、必要に応じてカレンダー形式で重ねて見るのが実務的です。
通知は「多すぎない」ことが設計の中心
次回連絡日が来たら担当に通知を飛ばす、期限の30日前に所長に通知する、といった設計はすぐに組めます。問題は、通知を作りすぎると全部無視されることです。最初は「次回連絡日の当日」と「期限30日前」の2種類だけにしてください。運用が定着してから足すほうが、結果的に守られます。
作る順番|1アプリ目は案件アプリだけ
5つのアプリを同時に作ろうとすると、どれも中途半端なまま導入日を迎えます。最初は案件アプリ1つだけを作り、2週間そこだけで運用してください。使ってみると、必要のない項目と、足りない項目が必ず出ます。それを直してから、書類受領アプリを足す。関係者アプリはその次、作業ログはさらにその次です。
この順番には理由があります。書類受領アプリは「待っている書類」を可視化するので、効果が早く体感できて定着しやすい。逆に作業ログは入力の負担が最も重いので、他が定着してから入れないと嫌われます。最初に作業ログから作る事務所をときどき見かけますが、たいてい1か月で入力が止まります。
移行の手順と、失敗する移行の共通点
過去案件を全部入れない
移行でいちばんよくある失敗が、過去5年分の案件をすべて新しいツールに入力しようとして、その作業だけで疲弊するパターンです。入れるのは「現在進行中の案件」だけでいい。完了案件は旧環境に残しておき、必要になったときだけ見に行けば足ります。過去データの完全移行は、たいていの事務所で費用対効果が合いません。
二重入力期間は1か月で切る
不安から、旧環境と新環境の両方に入力する期間を設ける事務所は多いです。それ自体は悪くありませんが、期限を切らないと永久に続きます。「◯月末で旧シートは更新しない」と日付で宣言してください。宣言しないまま半年たつと、どちらが正しいか誰も分からない状態になり、結局旧環境だけが生き残ります。
入力されない原因は、たいてい「項目が多い」
導入から1か月経って入力が滞っているとき、原因を「意識の問題」に求めるとほぼ解決しません。実際には、1件登録するのに2分以上かかる画面になっていることが原因です。必須項目を数え直して、受任時に絶対必要なもの以外を任意に落としてください。入力に30秒で済む画面なら、たいていの補助者は埋めます。
もうひとつの原因が、入力する意味が本人に返ってきていないことです。入力しても所長しか見ない画面なら、入力者にメリットがありません。担当ごとの「今日やること一覧」を作って、補助者自身が朝それを開く運用にすると、入力が自分のためになります。ここは設計というより運用の話ですが、定着の可否を大きく分けます。
補助者・事務員の権限をどう分けるか
司法書士事務所では、全員が全案件を見られる状態がよいとは限りません。特に、依頼者間で利害が対立している相続案件や、債務整理の案件は、担当者以外に見せない設計が必要になることがあります。汎用プラットフォームなら、アプリ単位・レコード単位・フィールド単位で閲覧権限を分けられるので、設計段階で決めておいてください。
実務的な分け方は、司法書士は全件参照可、担当補助者は自分の担当案件の全項目、他の補助者は一覧の基本項目のみ、事務員は請求関連と書類到着のみ、という4階層です。細かく分けすぎると運用が回らないので、この程度の粒度が現実的なところだと考えています。
費用の考え方と、補助金の使いどころ
費用は「ライセンス」ではなく「設計+運用」で見る
汎用ツールの検討で見積もりを比べるとき、月額ライセンスだけを見ると判断を誤ります。実際にかかるのは、初期の設計・構築費、データ移行、操作説明、そして導入後3か月ほどの改修です。特に改修費を見ていない見積もりは危険で、運用を始めれば必ず直したいところが出てくるからです。
専用ソフト型の場合も同様で、ライセンス費用のほかに、オプション機能、保守、法改正対応の年間費用があります。3年分の総額で比べると、当初の印象と順位が変わることがよくあります。比較表を作るときは、初期費用と3年間の総額の2列で並べてみてください。
見積もりで必ず確認する項目
| 確認項目 | 聞き方 | ここが曖昧だと起きること |
|---|---|---|
| 初期構築の範囲 | アプリはいくつまで、フィールドの追加は何回まで含まれるか | 導入後の変更がすべて追加請求になる |
| 導入後の改修 | 稼働から3か月間の修正は費用に含まれるか | 直したい箇所が直せず、使われないまま放置される |
| データの持ち出し | 解約時に全データをCSV等で出力できるか | 乗り換えができず、実質的に囲い込まれる |
| 操作説明 | 補助者・事務員向けの説明は何時間分含まれるか | 所長だけが使い方を知っている状態になる |
| 権限設計 | 閲覧制限の設定は初期構築に含まれるか | 全員が全案件を見られる状態で稼働してしまう |
| 補助金対応 | ITツールとして登録済みか、申請支援の範囲はどこまでか | 申請直前に対象外と判明し、計画が組み直しになる |
補助金を前提にするなら順番に注意する
デジタル化・AI導入補助金は、交付決定の前に契約や発注をしてしまうと対象外になります。「先に導入して、あとから申請」はできません。したがって、補助金を使う予定があるなら、ツール選定の段階でIT導入支援事業者に相談し、スケジュールを逆算しておく必要があります。年度の公募回によって締切も異なるため、ここは早めに動くほど選択肢が広がります。
司法書士事務所の場合、個人事務所でも司法書士法人でも申請自体は可能ですが、従業員数の数え方やgBizIDプライムの取得、みなし大企業の判定など、士業特有の引っかかりどころがあります。申請の代行はできず、IT導入支援事業者との共同申請という形になる点も、最初に理解しておいてください。
案件管理を、自動化の土台として設計する
案件管理ができていないところに自動化は載らない
「受任したら自動で書類依頼メールが飛ぶようにしたい」「戸籍が全部届いたら通知してほしい」というご要望はよくいただきます。どちらも技術的には難しくありません。ただし、どちらも「受任したという情報がどこかに記録されている」「届いた戸籍が1通ずつ記録されている」ことが前提です。その記録がない状態で自動化だけ作っても、動く材料がありません。
ですから順番は、案件管理が先、自動化が後です。逆にすると、自動化の仕組みを維持するために手作業でデータを入れる、という本末転倒な運用になります。実際にそうなっている事務所も見てきました。案件管理ツールの選定は、その意味で自動化の設計の一部だと考えたほうがよい。
自動化しやすいデータの持ち方
条件は3つです。ひとつ、状態が選択肢として持たれていること。フリーテキストに「戸籍待ち」と書いてあっても、機械は判定できません。ふたつ、日付が日付型で入っていること。「10月中旬」ではリマインドが組めません。みっつ、案件と関係者と書類が別々のレコードとして紐づいていること。1つのメモ欄にまとめて書いてあると、書類単位の判定ができません。
この3つを満たしていれば、通知、督促メールの下書き作成、進捗報告の自動生成、AIによる経過要約まで、あとから段階的に載せられます。具体的な組み方は司法書士事務所の業務自動化フロー例で受任から完了報告までの流れとして整理していますので、案件管理の次の段階を考えるときに読んでみてください。

選定を1日で終わらせる進め方
最後に、実際の進め方を示します。午前中に、現在進行中の案件を紙に全部書き出します。次に、それぞれについて「今止まっている理由」を1行で書く。この2つができたら、事務所が管理すべき項目はほぼ確定します。午後は、その項目が今の環境で持てているかを確認し、持てていない項目が5個以上あれば新しい道具を検討する、という判断でよい。
この作業を先にやらずに製品比較から入ると、何を比べているのか分からなくなります。逆にこれをやってから比較すると、候補は自然に2つくらいに絞れます。ツール選定にかける時間は、この棚卸しの1日と、デモを2社見る2時間で十分です。
よくある質問
登記申請ソフトを替えずに案件管理だけ変えることはできますか
できますし、それが最も現実的な進め方です。登記申請ソフトは業務の根幹なので、替えるリスクが大きい。案件管理だけを別に立てて、依頼者名や不動産情報は申請時に申請ソフト側へ入力する運用で問題ありません。二重入力が気になる場合は、案件管理側からCSVを出して取り込めるかを事前に確認しておくと、あとで負担を減らせます。
補助者がパソコンに不慣れです。汎用ツールは難しくないですか
入力画面の項目数次第です。項目が10個以内で、選択肢と日付が中心の画面であれば、表計算より簡単だという声のほうが多い。難しいと感じられるのは、たいてい設計側が項目を増やしすぎているときです。導入前に、実際に入力する補助者に画面を触ってもらい、1件登録するのに何秒かかるかを測ってください。それが最も確実な判断材料になります。
案件管理ツールに戸籍の内容を入力してもよいのでしょうか
事務所が管理する業務システムに依頼者の個人情報を保存すること自体は、守秘義務に反するものではありません。問題になるのは、その情報が外部のAIサービスなどに渡る経路がある場合です。案件管理ツールに保存する情報と、外部のAIに渡す情報は必ず分けて考えてください。実務上は、氏名や本籍を含む欄と、匿名化した経過記録の欄を最初から分けて設計しておくのが安全です。
案件管理と会計・請求は同じツールにまとめるべきですか
報酬額と請求ステータス(未請求・請求済・入金済)までは案件アプリに持たせ、会計処理そのものは会計ソフトに残すのが扱いやすい構成です。案件側に「請求したか」だけあれば、取りこぼしは防げます。会計まで案件管理ツールで作り込もうとすると、設計が急に重くなり、導入が半年単位で遅れます。
所長ひとりの事務所でも案件管理ツールは必要ですか
常時開いている案件が20件程度なら、表計算1枚で十分に回ります。ただし、相続案件が増えて「待ち」の案件が積み上がってきたら、頭の中の管理では取りこぼしが出ます。ひとり事務所でも、次回連絡日と次にやることを構造的に持てる環境があると、精神的な負担がかなり軽くなるという声は多いです。人数ではなく、止まっている案件の数で判断してください。
導入したものの使われなくなった場合、どうリカバリーしますか
まず、入力項目を半分に減らしてください。次に、進行中の案件だけを対象に、1週間だけ全員で入力する期間を作ります。そのうえで、朝礼や週次のミーティングでその画面を全員で開く。使われない原因は機能ではなく、見る機会がないことです。所長が案件の状況を口頭で聞くのをやめて、画面を見て聞くようにすると、2週間ほどで入力が戻ることが多いです。
複数のツールを比較するとき、デモで何を見せてもらえばよいですか
自分の事務所の実際の案件を1件持ち込んで、その場で登録してもらうのが最も有効です。相続人が5人いて、うち1人が海外在住、戸籍が3か所の役所にまたがっている、といった実案件を出してください。標準デモでは見えない制約が一気に見えます。あわせて、データのCSV出力と、権限設定の画面を必ず見せてもらってください。この2つは契約後に確認すると手遅れになります。
ツール選定の前に、案件の棚卸しから一緒にやりませんか
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「今の管理で何が持てていないか」を洗い出すところから、kintoneでの構築、補助金の活用可否まで、事務所の実情に合わせてご相談を承ります。製品を売る前に、入れなくてよい理由が見つかればそれも率直にお伝えします。
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