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車検・点検案内のDM作成や電話に毎月何日もかかっていませんか。整備システムの車検満了日をCSVで取り出し、スプレッドシート・LINE・AIを組み合わせて案内を自動化する方法を解説。LINE未登録者だけ電話する仕組みや、定期点検・オイル交換へ広げる方法も紹介します。
「車検満了日は整備システムに入っているのに、毎月Excelに一覧を作っている」
「対象者へDMを送り、その後に事務担当が一件ずつ電話している」
「案内が遅れると、いつの間にか他店で車検を受けられてしまう」
中古車・バイク販売店や整備工場では、このような車検案内業務が今も珍しくありません。
特に事務担当が1〜2名しかいない小規模店では、毎月100件前後のDMを作成し、封入し、発送し、さらに電話をかけるだけで半日から数日を使うことがあります。
しかし、車検案内を効率化するために、整備システムをすべて入れ替えたり、整備士全員にAIを使わせたりする必要はありません。
基本となる考え方はシンプルです。
基本フロー
整備システムから車検満了日を出す → 案内対象者を自動で絞る → LINEで送れる顧客には自動で案内する → LINEで対応できない顧客だけ人が電話する
この流れを作るだけでも、事務担当者が「全顧客を毎月確認する」仕事を大きく減らせます。
AIも、顧客管理そのものを任せるのではありません。
「転記は連携、文章作成はAI、例外への対応は人」という役割分担にするのが、小規模な中古車・バイク販売店では現実的です。
この記事では、整備・販売管理システムや車検予約サイトをすでに使いながら、顧客台帳・在庫車両・登録書類などはExcelと紙で管理している店舗を前提に、車検・点検案内を自動化する具体的な手順を説明します。
車検案内は「全自動」ではなくDM・電話が必要な人だけ残す
最初に結論からお伝えすると、車検案内の自動化では、電話やDMを完全になくす必要はありません。
目指したいのは、「全員に電話する」から「電話が必要な人だけ電話する」への変更です。
たとえば毎月120人が車検案内の対象になる店舗を考えてみましょう。
現在は120人全員について、次の作業をしているとします。
- 車検満了日を確認する
- DMを作成する
- 印刷する
- 封入する
- 発送する
- 数日後に電話する
- 電話結果をExcelへ入力する
これを、次の流れへ変えます。
- 整備システムから満了日データを取り出す
- 今月案内すべき顧客を自動抽出する
- LINE登録済み顧客へ案内する
- 予約済み・返信済み顧客を除外する
- LINE未登録・未反応顧客だけ電話リストへ出す
仮に120人のうち80人をLINEで案内できるなら、事務担当者が最初から電話対象として見る必要があるのは残り40人です。
さらにLINEで案内した80人の一部がそのまま予約してくれれば、後から電話する人数も減らせます。
重要なのは、「LINEを導入すること」ではありません。人が確認しなければならない件数を減らすことが目的です。
転記は連携、文章はAI、例外対応は人
この業務を設計するときは、AIと自動化を同じものとして考えない方が分かりやすくなります。
- 車検満了日を別の表へ移す → データ連携
- 今日案内する対象者を抽出する → 自動処理
- 車検案内文を作る → AI
- 顧客へ送信する → LINEなどの配信機能
- 売却済み車両か判断する → 人または正しいマスターデータ
- クレーム履歴のある顧客へ連絡するか決める → 人
何でもAIに任せるのではなく、単純作業は連携で消し、文章作成などAIが得意な部分だけAIへ任せます。
LINE未登録者まで無理にLINE化しない
地域密着型の整備工場では、高齢顧客や長年電話でやり取りしている顧客も多いでしょう。
こうした顧客まで無理にLINEへ移す必要はありません。
連絡方法をLINE、電話、DM、メールなどに分類し、それぞれの顧客が希望する方法を残しておく方が現実的です。
自動化の目的は「すべてをLINE化すること」ではなく、事務担当者が毎月同じ確認作業を繰り返さなくてもよい状態を作ることです。

【想定例】毎月DM120通+電話をしていた中古車販売店
ここでは、実在企業ではなく小規模店を想定した業務改善例を紹介します。
従業員5名、事務担当1名の中古車販売店
想定するのは、地方の従業員5名程度の中古車販売店です。
店舗では、中古車販売、車検、一般整備、オイル交換、タイヤ交換などを行っています。
整備・販売管理システムには顧客名や車両情報、車検満了日が登録されています。
しかし、車検案内については毎月事務担当者がシステムを確認し、対象者をExcelへ転記していました。
車検対象は月平均約120件です。
- Excelリスト作成:1〜2時間
- DMデータ確認:1〜2時間
- 印刷・封入:2〜3時間
- 発送後の電話:1日数十件を数日
1回の電話がつながらなければ、時間を置いてもう一度かけます。「今仕事中なので後で」と言われれば、折り返し管理も必要になります。
結果として、車検案内だけで毎月2〜3日分の業務が断続的に発生します。これはあくまで作業量を説明するための想定例であり、実際の時間は店舗の顧客数や連絡方法によって異なります。

満了日CSVから対象者を出すように変更する
この店舗で最初に変えるのは、DMではありません。Excelリストを人が作る仕事です。
整備システムから、顧客を識別する番号、車両情報、車検満了日、連絡方法など必要な項目をCSVで取り出します。
そのCSVをスプレッドシート等へ取り込み、車検満了日から「今月案内する人」を自動抽出します。
こうすると、事務担当者は120人全員を確認するのではなく、自動抽出された例外だけを見る仕事へ変えられます。
さらにLINE登録済み顧客へ案内できれば、「LINE対象者」「電話対象者」「DM対象者」を分けられます。
整備システムに満了日があるのに、なぜ案内だけ手作業になるのか
多くの店舗では、車検満了日のデータ自体はすでに存在しています。
それでも車検案内が手作業になるのは、整備システムと顧客への連絡手段がつながっていないからです。
顧客管理とLINE・DMが別々になっている
よくある流れ
整備システム → 事務担当が検索 → Excelへ転記 → DM作成 → 電話 → 電話結果をExcelへ記録
この場合、整備システムには正しい車検満了日が入っていても、毎月人がその情報を取り出して加工しなければなりません。
つまり問題は、「データがないこと」ではありません。必要な場所までデータが流れていないことです。
Excel自体が悪いわけではない
ここで「Excelをやめて新しい顧客管理システムへ移行しましょう」と考える必要もありません。
従業員5名や10名程度の店舗であれば、既存の整備システムとExcelやスプレッドシートを組み合わせた方が運用しやすいケースがあります。
重要なのは、Excelへ毎回手入力しないことです。
CSVで取り込み、日付計算、対象者抽出、ステータス分類、電話対象者一覧などを自動化できれば、Excelやスプレッドシートを残しても事務作業は減らせます。
システムを入れ替える前にCSV出力を確認する
まず現在使用している整備・販売管理システムで、どのデータをCSVなどで出力できるかを確認してください。
製品名が同じでも、契約内容やバージョン、オプションによって利用できる機能が異なる場合があります。
「ブロードリーフを使っているから必ずこの方法が使える」といった判断はせず、現在契約している製品・プランの仕様を販売会社やメーカーへ確認します。
車検案内を自動化する基本フロー
ここからは実際の流れを5段階で整理します。
手順1 整備システムから車検満了日CSVを出す
最初に、車検案内へ必要なデータを決めます。
最低限必要になる候補は、顧客を識別するID、車両を識別するID、車種、車検満了日、最終入庫日、連絡方法、LINE登録の有無、売却・代替等の状態などです。
ここで注意したいのは、最初からすべての顧客情報を出さないことです。案内業務に住所が不要なら住所を持たせないなど、目的に必要な項目へ絞ります。
個人情報を複数のシステムへコピーするほど、管理すべき場所も増えるためです。
手順2 スプレッドシートへ取り込む
次にCSVをスプレッドシートなどへ取り込みます。ここを「中継地点」と考えると分かりやすいでしょう。
| 顧客 | 車両 | 車検満了日 | LINE | 状態 | 次の対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| 顧客A | 車両A | 満了日 | 登録済 | 未予約 | LINE |
| 顧客B | 車両B | 満了日 | 未登録 | 未予約 | 電話 |
| 顧客C | 車両C | 満了日 | 登録済 | 予約済 | 対応不要 |
実際の個人情報や登録番号を、必要以上に外部サービスへ置かない設計にしてください。
手順3 満了日から案内対象者を自動抽出する
次に車検満了日との差から、案内タイミングを決めます。
一例として、120日前に最初の案内、90日前に予約検討の案内、60日前に未予約者へ再案内、30日前に未反応者を重点確認する方法があります。
ただし、この日数がすべての店舗に最適とは限りません。代車台数、繁忙期、指定工場か認証工場か、顧客の予約傾向などによって調整してください。
大切なのは、毎月担当者がカレンダーを見ながら対象者を選ぶのではなく、満了日から機械的に対象者を出せる状態にすることです。
手順4 LINE登録済み顧客へ案内する
LINE登録済み顧客には、あらかじめ決めたタイミングで案内を送ります。
ここで必要になる連携方法は、現在のLINE公式アカウントの構成や利用する外部サービスによって異なります。
本記事ではLINE公式アカウント自体の構築方法や集客方法には踏み込みません。ポイントは、整備システムの満了日を起点に配信対象を決めることです。
最新情報:LINE公式アカウントの料金・メッセージ条件は変更される場合があります。構築時は公式情報を確認してください。 LINE公式アカウント公式情報
手順5 反応のない顧客だけ電話リストへ回す
LINEで案内した顧客全員へ、さらに電話をかけてしまうと事務作業はあまり減りません。
そこで、予約済み、返信済み、電話不要、電話必要という状態を持たせます。
事務担当者が毎朝見るのは、たとえば「本日電話が必要な12件」だけです。120人分の顧客名簿を見る必要はありません。
この「見る件数を減らす」ことが、自動化で最も重要なポイントです。

AIに任せるのは配信ではなく「案内文を作る部分」
初回案内の文面を作る
たとえば事務担当者が、「車検満了3か月前。押し売り感を出さず、早めの予約をお願いする短い文章」という条件を決めておけば、AIに文面の下書きを作らせることができます。
事務担当者はゼロから毎回文章を書くのではなく、下書きを確認して修正します。
再案内の表現を変える
同じ文章を何度も送ると、顧客から見ると機械的に感じる場合があります。
そこで、最初のお知らせ、2回目のお知らせ、満了日が近づいた案内、予約枠が埋まり始めた場合など、段階に応じて文章の下書きを分けます。
ただし、「予約枠が残りわずか」など事実確認が必要な内容をAIに勝手に作らせてはいけません。AIには、事実を与えて文章だけ整えてもらう使い方が安全です。
車種・利用状況ごとに文章を変える場合も下書きまで
乗用車、軽自動車、バイク、商用車などで伝え方を変えたい場合もあるでしょう。AIなら文面のパターンを作る作業は得意です。
一方、車両ごとの正確な料金、必要整備、交換部品、検査可否などは現車確認や整備士の判断が必要です。AIが生成した文章だけで確定させないようにします。
顧客情報をそのまま生成AIへ入力しない
AIを使うときは、個人情報の扱いにも注意が必要です。
たとえば案内文を作るだけなら、「65歳の顧客・軽自動車・車検3か月前」といった条件だけでも文案は作れます。氏名、住所、電話番号、ナンバーなどを入力する必要はありません。
利用する生成AIサービスの契約内容、データ利用方針、管理設定を確認し、社内で「何を入力してよいか」を決めておくことが重要です。
電話が必要な顧客だけ人が対応する
LINE配信を導入しても、電話対応は残ります。ただし、「残る」のと「全件行う」のでは負担が大きく違います。
LINE未登録者
最も分かりやすい電話対象です。LINE登録がない顧客は、自動的に電話またはDMへ振り分けます。
担当者が毎月「この人はLINEを使っていたかな」と確認する必要がないように、顧客台帳に連絡方法を持たせます。
高齢顧客・電話希望の顧客
LINEを登録していても、「車検については電話で説明してほしい」という顧客もいます。
連絡方法の希望を、LINE登録の有無とは別に管理するのがポイントです。
LINE案内後も反応がない顧客
たとえば満了60日前の案内でも反応がない場合、電話対象へ切り替えます。
これなら最初から120人へ電話するのではなく、未反応者だけに集中できます。
個別事情がある顧客
過去にクレームがあった、長期修理中、買い替え商談中、すでに他車へ代替済み、車両を売却した、法人で複数台をまとめて管理している、といったケースです。
このようなケースまで「AIなら判断してくれる」と考えるのではなく、例外リストとして人が管理する方が安全です。
車検だけで終わらせず定期点検・消耗品の来店周期へ広げる
車検案内が自動化できたら、同じ仕組みをほかの来店案内へ広げられます。ただし、最初からすべてを自動化しない方が成功しやすくなります。
まずは車検から始める
車検は期限が明確なので、自動化しやすい業務です。車検満了日という基準日があるため、「何日前に案内するか」というルールを作りやすいからです。最初の自動化対象として適しています。
次に定期点検へ広げる
車検の運用が安定したら、定期点検へ広げます。ここでは最終入庫日や前回点検日などを基準に対象者を抽出します。
オイル交換は期間だけで決めない
オイル交換は車検より判断が複雑です。走行距離、車両、利用状況などによって適切な交換時期が変わるため、「半年たった人へ全員送る」といった単純な仕組みにすると不要な案内が増える可能性があります。店舗で採用している基準を整理したうえで設計します。
タイヤやバッテリーは「自動交換判定」にしない
タイヤやバッテリーについても、「AIが交換時期を判断して自動で営業メッセージを送る」という設計は避けた方がよいでしょう。前回交換時期や点検結果から候補者を抽出し、必要性の最終判断は整備士や担当者が行う仕組みが現実的です。
車検から、車検 → 定期点検 → オイル → タイヤ・バッテリーと少しずつ対象を広げる方が、事務担当者も運用を把握できます。
整備士・営業にはAIを使わせない運用でもよい
AI活用というと、「社員全員が生成AIを使えるように研修しましょう」と考えがちです。しかし、従業員数の少ない中古車販売店や整備工場では、それが最適とは限りません。
整備士はスマホで話す・撮るだけ
たとえば整備士が作業後に、「○○の摩耗あり。次回入庫時に確認。今回は交換なし」とスマホへ話します。または、必要な箇所を写真に残します。
現場で求める操作はここまでです。
AIが事務用の下書きへ変える
音声内容を文字にし、整備メモ、顧客説明用の文章、次回来店時の確認事項などの下書きへAIで整えます。整備士がキーボードで長文を入力する必要はありません。
最後は事務担当・整備担当が確認する
AIが作った文章をそのまま顧客へ送るのではなく、AIが下書き → 事務が整える → 必要なら整備士へ確認、という流れにします。
これなら、「現場全員にAIを覚えてもらわなければDXできない」という問題を避けられます。
外回り営業についても同じです。営業担当は訪問後にスマホで、「来年3月車検。秋ごろ買い替えも検討。次回は10月に連絡」と話すだけにし、その内容をAIで顧客フォロー用メモへ整理できます。
現場が変えるのは、紙へ書くことをスマホへ話すことに置き換える程度にすると定着しやすくなります。
自動化してはいけない部分もある
自動化は、「人がやっていた仕事を全部機械に任せること」ではありません。間違えると影響が大きい部分は、人が確認できる状態を残します。
車検満了日の元データが正しいか
自動化では、元データが非常に重要です。車検満了日を間違えて登録していれば、自動化によって間違った案内が正確かつ大量に送られてしまいます。最初にデータ品質を確認してください。
売却済み・代替済み車両を除外する
車検案内で特に起きやすいのが、「もう売った車なのに、以前の店から車検案内が来た」という状態です。
車両の状態として、保有中、売却、廃車、代替、不明などを管理し、対象外車両を除外できるようにします。
同じ顧客が複数台所有しているケース
顧客単位だけで管理すると、1人で複数台を所有している場合に誤配信が起きやすくなります。
顧客と車両を分けて管理することが重要です。車検満了日は「人」ではなく「車両」にひも付きます。
AIの文章を無確認で送らない
特に注意したいのは、車検料金、税金、保険料、必要整備、部品交換、法令、行政手続などです。
生成AIは文章を作るのは得意ですが、その内容が現在の制度や個別車両の状態に合っているとは限りません。必ず担当者が確認してください。
自動化を始める前に確認したい5項目
実際に車検案内の自動化へ進む前に、次の5点を確認してください。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| ①CSV出力 | 車検満了日を整備システムから取り出せるか |
| ②顧客ID | 同姓同名でも顧客を区別できるか |
| ③車両ID | 1人が複数台持つ場合も区別できるか |
| ④連絡方法 | LINE・電話・DMなど希望方法を管理できるか |
| ⑤最終確認者 | 誤配信や例外を誰が確認するか決まっているか |
特に重要なのが顧客IDと車両IDです。
氏名だけでデータを合わせようとすると、漢字とカタカナ、姓変更、全角・半角、同姓同名などで一致しないことがあります。
可能であれば整備システム内の顧客番号や車両番号など、一意に識別できる番号を基準にします。
最初からすべて自動化しない|4段階で始める
小規模店では、最初から完璧なシステムを作るより、段階的に進める方が安全です。
第1段階 車検対象者リストだけ自動化する
まずは現在のDM・電話を変えなくても構いません。整備システムからCSVを出し、「今月の対象者一覧を自動で作る」ところだけ始めます。これだけでもExcelへの転記を減らせます。
第2段階 LINE登録者だけ案内する
次にLINE登録済み顧客だけ配信対象へします。いきなり全顧客を対象にせず、50件、100件など小さく始めます。誤配信がないか、予約につながった顧客を正しく除外できるか確認します。
第3段階 電話対象者を自動で作る
LINE配信が安定したら、LINE未登録、未反応、電話希望だけを電話リストへ出します。ここまで来ると、事務担当者は毎月全顧客リストを見る必要がなくなります。
第4段階 定期点検や消耗品へ広げる
最後に定期点検、オイル交換、タイヤなどへ対象を拡大します。車検で作った仕組みを基礎として使えるため、ゼロから作り直す必要はありません。
LINE公式アカウントの構築方法は別に考える
この記事の目的は、LINE公式アカウントの機能を網羅的に説明することではありません。
そのため、アカウント開設、初期設定、友だち追加方法、リッチメニュー、キャンペーン、広告、集客、販促コンテンツなどは別記事で扱う方が分かりやすくなります。
車検案内の自動化を検討するときは、LINEをどう集客に使うかではなく、現在持っている顧客情報とどう結びつけるかを先に考えてください。
なお、LINE公式アカウントの料金やメッセージ送信条件は変更されることがあります。実際に構築するときは最新の公式情報を確認してください。
公式情報:LINE公式アカウント
車検・登録関連の制度や電子化情報は公的機関で確認する
中古車・バイク販売店では、車検案内だけでなく登録、車庫証明、名義変更などの行政手続も日常業務に含まれます。
こうした制度は電子化が進んでいる一方、対象手続や利用条件が変わることがあります。
警察庁は、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)について、保管場所証明申請をオンラインで行える仕組みとして案内しています。
国土交通省も自動車の登録・検査・点検整備やOSSへの案内を公開しています。電子車検証の公式サイトでは、車検証閲覧アプリから利用できる機能や、一部OSS申請に関する情報も案内されています。
また、国土交通省は2025年4月から、小型二輪の新車新規検査と継続検査をOSSの対象手続に追加したと案内しています。
そのため、「現在は全部オンラインでできる」「この書類は必ず不要」といった形で固定的に判断せず、実際に手続きを行う時点で国土交通省、警察庁、管轄の運輸支局・警察等の最新情報を確認してください。
本記事で紹介している車検案内の自動化は顧客フォロー業務の改善を目的としたものであり、行政手続そのものの可否や要件を自動判断するものではありません。
車検案内を自動化するときの失敗例
失敗1 最初から全部自動化しようとする
車検、点検、オイル、タイヤ、保険更新、買い替え案内まで一度に始めると、条件設定が複雑になります。まず車検だけに絞る方がよいでしょう。
失敗2 元データを整理しない
顧客データに、重複、退会顧客、売却済み車両、古い電話番号、車両との紐付けミスが残っていると、自動化しても問題は解決しません。
最初に100件程度を抽出し、データの状態を確認することをおすすめします。
失敗3 LINEを導入すれば自動化できると思う
LINEを導入しただけでは、満了日は自動で分かりません。必要なのは、整備システム → 対象者抽出 → LINEというデータの流れです。
失敗4 AIに顧客判断まで任せる
AIは、「この文章を短くしてください」「柔らかい表現にしてください」といった仕事には向いています。
一方、「この顧客には車検案内を送るべきか」という判断は、顧客台帳や整備履歴など正しい情報に基づいて行う必要があります。
失敗5 誰も運用責任者になっていない
自動化しても、「誰がエラーを見るのか」「CSVが出せなかったら誰が対応するのか」「誤ったデータを見つけたら誰が直すのか」が決まっていなければ続きません。
従業員10名以下の店舗なら、事務担当者1名を運用担当にして、経営者が判断が必要な案件だけ確認する程度でも構いません。
導入後に見るべき数字は「配信数」だけではない
導入後はLINEの配信数だけを見るのではなく、事務作業が本当に減ったか確認します。
- 車検対象件数
- LINE案内件数
- 電話対象件数
- DM対象件数
- 予約済み件数
- 未反応件数
- 車検案内に使った事務作業時間
特に、電話対象件数が何件から何件になったかを見ると効果が分かりやすくなります。
たとえば以前120件すべてに電話していたものが40件になれば、電話件数そのものが3分の1になります。
ただし、実際の削減量は顧客構成やLINE登録率、予約方法によって異なります。導入前の1か月だけでも、現在の作業時間を測っておくと比較しやすくなります。
まとめ|全員へ電話する仕組みから「必要な人だけ電話する仕組み」へ
車検・点検案内の自動化で重要なのは、高額な新しいシステムを導入することではありません。
すでに整備・販売管理システムの中にある、車検満了日を顧客への案内までつなぐことです。
小規模な中古車・バイク販売店なら、まず次の順番で考えてください。
- 整備システムから車検満了日をCSVで出せるか確認する
- スプレッドシート等で対象者を自動抽出する
- LINE登録済み顧客と電話対象者を分ける
- LINE登録済み顧客へ案内する
- 未登録・未反応など必要な顧客だけ電話する
- AIは案内文やメモの下書きに使う
- 売却済み車両や個別事情は人が確認する
考え方
転記は連携、文章はAI、例外は人
整備士や営業担当へ複雑なAI操作を覚えてもらう必要もありません。
現場はスマホで話す・撮る。AIが下書きを作る。事務担当が確認する。この分担なら、今の業務を大きく変えずに始められます。
そして最終的に目指すのは、DMも電話もゼロにすることではなく、事務担当者が毎月全顧客を確認しなくても、必要な顧客へ必要なタイミングで案内できる状態です。
まずは「今月の車検対象者をExcelへ手入力する仕事」をなくすところから始めてみてください。
FAQ
車検案内をLINEだけにしてDMや電話を完全になくせますか?
すべての顧客をLINEだけにする必要はありません。LINE未登録者、高齢顧客、電話連絡を希望する顧客などは電話やDMを残した方が現実的です。重要なのは、全員へ電話するのではなく、電話が必要な人だけを自動で抽出できる状態にすることです。
今使っている整備システムを入れ替える必要がありますか?
必ずしも入れ替える必要はありません。まず現在の整備・販売管理システムから車検満了日や顧客ID、車両IDなどをCSVで取り出せるか確認してください。既存システム+CSV+スプレッドシート+LINEという構成でも改善できる場合があります。
LINE未登録のお客様はどうすればよいですか?
電話またはDM対象として残します。「LINE登録済みか」と「希望する連絡方法」を顧客台帳で分けて管理しておくと、毎月事務担当者が判断する必要がなくなります。
顧客情報を生成AIへ入力しても大丈夫ですか?
利用するAIサービスの契約条件やデータ利用方針によって異なります。案内文を作るだけなら、氏名、住所、電話番号、車両番号などを入力しなくても作成できます。必要以上の個人情報を入力せず、社内で入力可能な情報のルールを決めることをおすすめします。
車検以外の点検案内も自動化できますか?
可能ですが、まず車検から始めることをおすすめします。車検は満了日という明確な基準があるため自動化しやすいからです。運用が安定したら定期点検、オイル交換、タイヤなどへ広げると管理しやすくなります。
車検満了日は整備システムに入っているのに、DM作成や電話だけ毎月手作業になっている場合は、システムを丸ごと入れ替えなくても改善できる可能性があります。
まずは、使用中の整備・販売管理システム、毎月の車検対象件数、DM発送件数、電話件数、LINE公式アカウントの有無、顧客台帳の管理方法、CSV出力の可否を整理すると、自動化できる範囲を判断しやすくなります。
顧客データそのものやパスワードを相談時に共有する必要はありません。
現在の業務を確認しながら、どこを連携でなくすか、どこをAIで補助するか、どこを人の確認として残すかを整理するところから始めるのがおすすめです。
