「去年使ったあの提案書、どこにありましたか?」
「経費精算のルールって、どの資料に書いてありますか?」
「この作業のマニュアルは、どのフォルダですか?」
会社の中で、このような会話が毎日のように発生していないでしょうか。
社内には資料がある。共有フォルダやGoogle Driveにも保存されている。それなのに、必要なときになると見つからない。
その結果、社員がフォルダを何階層も開いたり、過去のチャットを検索したり、詳しそうな社員へ聞いたりして時間を使っています。
こうした課題に対して活用を検討したいのがNotebookLMです。
NotebookLMは、追加した資料をもとに質問へ回答できるAIツールです。NotebookLMでは、ノートブックごとにソースとなる資料を追加し、それらを参照しながらチャット形式で質問できます。回答には参照元を確認できる引用が表示されるため、AIの回答だけで終わらず元資料まで確認しやすい仕組みになっています。
NotebookLMを導入したからといって、社内情報が自動的に整理されるわけではありません。
古いマニュアル、新しいマニュアル、内容が少し違う手順書が大量に残っている状態では、AIを入れる前に整理しなければならない問題があります。
この記事では、NotebookLMを「社内資料への質問窓口」として活用する考え方から、マニュアル、規程、過去資料、新入社員教育での活用方法、さらにAI導入前に整理しておくべき社内情報まで解説します。
「資料を探す会社」から「必要な情報を質問して確認できる会社」へ変えるために、何から始めればよいのかを考えてみましょう。
社内資料はあるのに、なぜ社員は見つけられないのか

最初に整理しておきたいのが、「資料がない」と「資料はあるが見つからない」は別の問題だということです。多くの会社では、マニュアル、規程、営業資料、会議資料、過去事例などがすでに作成されています。それでも社員が情報を探せないのには、いくつか理由があります。
ファイル名を覚えていないと検索しにくい
従来の資料検索では、ファイル名や保存場所を知っている人が有利です。たとえば、営業担当者が「以前、製造業のお客様向けに似た提案をしていたはず」と覚えていたとします。しかし、実際のファイル名が「2025_07_提案資料_最終版」だった場合、その名前を知らなければ検索でたどり着けないことがあります。検索したい人が覚えているのは、「資料名」ではなく「内容」であるケースが少なくありません。ここに、従来のファイル検索の難しさがあります。
誰が作った資料なのか分からない
資料が見つからないと、次に起こるのが「人探し」です。「この資料を作ったのは誰だろう」「この業務に詳しいのは誰だろう」と考え、詳しそうな社員へチャットや口頭で質問します。すると、社内の情報検索が事実上「詳しい人を探して聞く仕組み」になってしまいます。特定の社員へ質問が集中すると、その社員の作業も中断されます。質問する側だけでなく、回答する側にも時間がかかっているのです。
過去資料が大量に残っている
もう一つの問題が、資料の多さです。たとえば同じフォルダの中に「営業マニュアル」「営業マニュアル最新版」「営業マニュアル修正版」「営業マニュアル最終」「営業マニュアル最終2」といったファイルが並んでいたら、どれを見ればよいか迷います。検索結果に出てくることと、「正しい資料が分かること」は同じではありません。資料が増えるほど、検索結果の中から正しいものを選ぶ作業も必要になります。
「詳しい人に聞く」が社内検索になっている
こうした問題が積み重なると、「分からなければ○○さんに聞けばいい」という状態になります。これは一見すると効率的です。しかし、その人が休んでいたり、退職したり、異動したりすると、途端に情報へたどり着けなくなります。社内資料検索の問題は、単なる「検索時間」の問題ではありません。情報が人に依存している、つまり属人化していることが本質的な課題になっているケースもあります。
NotebookLMを「社内資料への質問窓口」として使う
そこで考えたいのが、NotebookLMを単なるAI要約ツールとして使うのではなく、「社内資料への質問窓口」として使う方法です。NotebookLMでは、ノートブックへ追加したソースを参照しながら質問できます。また、回答時に参照させるソースを選択・除外することもできます。各ノートブックは独立して動作するため、目的別に資料群を分けて管理するという使い方もしやすい設計です。たとえば、「就業規則はどのファイルですか?」と探すのではなく、「有給休暇は何日前までに申請する必要がありますか?」と質問するイメージです。つまり、ファイルを探すから、知りたいことを質問するという行動に変えます。
ファイル名ではなく「知りたいこと」から探す
社内資料の検索でNotebookLMを活用するメリットは、検索する社員が正式なファイル名を覚えていなくても、知りたい内容から確認できることです。たとえば、次のような質問が考えられます。
- 出張した場合の交通費申請ルールを教えて
- 顧客から返品の相談があった場合の対応手順は?
- 新入社員が入社初日に行う作業を順番に教えて
- 過去に製造業へ提案した内容にはどんなものがある?
- この業務で上長承認が必要になるのはどの段階?
- 過去の会議でこの施策について何が決まった?
回答だけでなく元資料を確認することが重要
NotebookLMを社内業務で使うときは、AIの回答だけを読んで終わるのではなく、重要な内容については元資料まで確認する運用が必要です。NotebookLMのチャット回答では、ソース内の引用を参照でき、引用を選択すると該当箇所の文脈を確認できます。たとえば、「有給休暇のルールは?」という質問への回答を見たあと、就業規則の該当箇所まで確認する。「過去の案件ではどう対応した?」という回答が出たら、元の報告書を確認する。このように、AIで探す→元資料を確認するまでを一つの業務フローとして考えることが重要です。
NotebookLMで社内資料を活用する4つの方法
では、具体的にどのような社内資料で活用できるのでしょうか。代表的な4つの場面を見てみましょう。
活用1|社内マニュアルを質問して探す
最も分かりやすい使い方が、社内マニュアルの検索です。会社には、業務マニュアル、操作手順書、顧客対応ルール、営業手順、社内システム利用手順など、多くのマニュアルがあります。しかし、マニュアルは「作れば使われる」とは限りません。50ページ、100ページあるマニュアルの場合、知りたい内容がどこに書いてあるかを探すだけでも時間がかかります。NotebookLMを質問窓口として使えば、「請求書を再発行するときの手順を教えて」「顧客情報を変更するときは誰の承認が必要?」「退職者のアカウントはどの順番で停止する?」など、社員が実際の業務中に発生した疑問から情報へアクセスできます。ここで重要なのは、マニュアルそのものをなくすことではありません。マニュアルを正式な情報源として残しながら、必要な箇所へたどり着く入口をAIにするという考え方です。
活用2|就業規則・社内規程を確認する
総務部門では、出張旅費、有給休暇、慶弔休暇、経費精算、テレワーク、各種申請など、同じような質問を繰り返し受けることがあります。規程を読めば書いてあるものでも、社員からすると「どの規程に書かれているか分からない」という問題があります。そこで、「宿泊を伴う出張の場合、どこまで経費になりますか?」のように質問できれば、必要な規程を探す時間を短縮しやすくなります。ただし、就業規則や人事制度など、従業員の権利や会社の重要判断に関わる内容については、AI回答だけで判断を完結させず、正式な規程や担当部署へ確認する運用が必要です。NotebookLMは「最終判断者」ではなく、正しい情報へたどり着くための入口として使う方が適しています。
活用3|過去の提案・事例を探す
営業部門でも活用できます。営業担当者が新しい提案書を作るたびに、ゼロから考えていないでしょうか。実際には社内に、過去の提案書、類似案件、成功事例、失注案件、顧客からの質問、過去の見積条件など、多くの知識が蓄積されています。ところが、資料の場所が分からず再利用されていないケースがあります。「飲食店向けに予約業務を改善した過去事例を整理して」「製造業へ提案した内容で共通していた課題は?」「過去の提案書で人手不足対策として提案した内容を教えて」というように質問できれば、過去に会社が蓄積した知識を、新しい仕事へ再利用しやすくなります。社内資料は、保存しておくだけでは資産になりません。次の仕事で使える状態になって初めて、会社の知識として活きてきます。
活用4|新入社員教育の質問窓口にする
新入社員が入るたびに、先輩社員が同じ説明を繰り返している会社にも活用余地があります。新入社員は最初のうち、「この申請はどうするんですか?」「この場合、誰に聞けばいいですか?」「この業務の手順はどこにありますか?」と、多くの質問をします。もちろん、人から教えてもらうことは重要です。一方で、マニュアルや社内ルールに明確に書いてある内容まで、毎回先輩社員が回答する必要があるかは見直せます。新入社員向けの資料をまとめたノートブックを用意し、「まずNotebookLMで確認する」「分からない場合や判断が必要な場合は先輩へ聞く」という役割分担にすれば、教育担当者の負担を減らしやすくなります。
社内資料検索が変わると、仕事はどう変わるのか
NotebookLMを社内資料検索へ活用する目的は、AIを使うこと自体ではありません。本当の目的は、社員が情報を探すために使っている時間を減らすことです。
「探す時間」を減らせる
社内資料を探すとき、共有フォルダを開く→フォルダを移動する→ファイルを何個か開く→違ったので戻る→別の資料を開く、という作業を繰り返していることがあります。1回なら数分でも、社員全員が毎日繰り返せば大きな時間になります。知りたい内容から質問できれば、この「探す作業」の一部を減らせます。
「人に聞く回数」を減らせる
もう一つ大きいのが、質問される側の時間です。5分の質問でも、作業を中断する→質問内容を聞く→資料を探す→回答する→元の作業へ戻る、という流れになると、単純な5分では済みません。AIで自己解決できる質問と、人へ聞くべき質問を分けることができれば、詳しい社員はより重要な判断や業務へ時間を使えるようになります。
過去の知識を再利用しやすくなる
会社には毎日、多くの資料が増えていきます。提案書、報告書、議事録、マニュアル、顧客対応記録。しかし、作った資料を保存するだけでは、時間が経つほど埋もれていきます。NotebookLMを活用することで、「保存する資料」から「質問して使える知識」へ変えるという考え方ができます。
ただしNotebookLMを入れるだけでは社内情報は整理されない
ここはNotebookLM導入を考えるうえで、特に重要なポイントです。NotebookLMに資料を追加すれば、それらをもとに質問することはできます。しかし、ノートブックへどの資料を入れるか、どれを参照対象にするかは利用者側が管理します。また、各ノートブックは独立しており、複数のノートブック全体を横断して一度に参照する仕組みではありません。つまり、AIを導入すれば社内の散らかった資料が勝手に正しく整理されると考えるのは危険です。
古い資料を入れれば古い情報も残る
たとえば、2023年版と2026年版の経費規程が両方残っていたとします。人間なら、「こちらの日付が新しいから最新版だろう」と判断することがあります。しかし、会社としてどちらを正式版とするのかが曖昧なままでは、AI活用以前に情報管理上の問題があります。AIへ渡す前に、どの資料が現在の正式版なのかを決める必要があります。
同じ内容の資料が何種類もあれば判断しにくい
よくあるのが、「最新版」「修正版」「最終版」「最終版2」というファイルです。これはNotebookLMの問題ではありません。人間が見ても、どれが正しいか分からない状態です。この状態でAIを導入しても、検索方法だけ新しくなり、元情報の混乱は残ります。
資料そのものが曖昧ならAIにも答えられない
さらに問題なのが、業務ルールそのものが決まっていない場合です。営業担当Aさんはこの方法。営業担当Bさんは別の方法。総務担当者によって回答が違う。この状態で複数の資料をAIへ渡しても、「会社として何が正解なのか」が明確ではありません。AI導入の前に、人間側で正しい業務方法を決める必要があります。
NotebookLM導入前に整理しておきたい社内情報

NotebookLMで社内資料を活用したい場合、最初に大量の資料を入れることから始める必要はありません。むしろ、先に情報を整理することをおすすめします。
最新版を決める
まず重要なのは、正式版を明確にすることです。就業規則、経費規程、営業マニュアル、顧客対応手順、システム利用マニュアルなどについて、現在社員が従うべき正式な資料はどれかを決めます。これだけでも、社内情報管理はかなり改善します。
古い資料・重複資料を整理する
古い資料をすべて削除する必要はありません。過去の記録として残すべきものもあります。重要なのは、現在参照する資料と、過去資料を分けることです。たとえば、「現在の業務ルール」「過去事例」「参考資料」のように用途を分けるだけでも、AIへ何を参照させるべきか判断しやすくなります。
資料の役割と名前をそろえる
資料名も重要です。社員が見たときに、何の資料なのか、いつの資料なのか、現在有効なのかが分かる名称にすると、AIを使わない場面でも情報管理が改善します。AI導入をきっかけに資料名や分類ルールを見直すのも一つの方法です。
更新する担当者を決める
最初にきれいに整理しても、更新されなければ数年後には再び散らかります。そのため、誰が更新するのか、いつ見直すのか、古い資料をどう扱うのか、NotebookLMへ反映する資料を誰が判断するのか、といった運用ルールまで決める必要があります。AI活用で重要なのは、導入時よりも、その後の情報管理です。
AI導入前に「業務の標準化」が必要な理由
ここまで考えると、NotebookLMの導入は単なるAIツール導入ではないことが分かります。NotebookLMへ社内資料を入れる前に、「会社として正しい手順は何か」「どの資料が正式版なのか」「どの判断基準を社員全員で使うのか」を決める必要があります。つまり、AI導入の前に業務の標準化が必要なのです。
AIは曖昧な社内ルールを自動で統一してくれるわけではない
社内でルールが統一されていない状態をAIへ渡したからといって、会社にとって正しいルールをAIが自動的に決定してくれるわけではありません。AIは、会社の経営判断や正式な業務ルールを勝手に決める立場ではないからです。まず人間が、「当社ではこの方法を標準にする」と決めます。そのうえで、その内容をマニュアルや規程として整理します。
先に「正しい業務」と「正しい資料」を決める
AI導入で成果を出したい場合、AIを選ぶ→資料を入れるだけでは不十分です。理想的には、業務を整理する→標準的な方法を決める→正式な資料を整備する→AIへ参照させる→社員が質問して使う、という流れになります。AIへ与える情報が整っているほど、社員も安心して活用しやすくなります。
標準化した業務は生成AIで活用しやすくなる
これはNotebookLMだけの話ではありません。ChatGPT、Gemini、Claudeなどを業務へ導入する場合も、「会社として何が正しいのか」が決まっていなければ、AIへ適切な指示を出すことが難しくなります。生成AIを本格的に業務へ取り入れたい会社は、AIツール選定と同時に、業務の標準化を進めることが重要です。関連記事として「生成AI 業務 標準化」の記事では、AIを導入しやすい業務へ変えるために、業務手順や判断基準をどのように整理すればよいか詳しく解説する構成にすると、この記事から自然に内部リンクできます。
NotebookLMで社内資料検索を始める5ステップ
では、実際に何から始めればよいのでしょうか。いきなり全社の資料を対象にする必要はありません。小さく始めることが重要です。
1.社員がよく探している資料を洗い出す
まず、「社員が何を探しているか」を確認します。たとえば、経費申請、営業マニュアル、商品資料、顧客対応ルール、新入社員向け資料などです。「よく質問される内容」は、NotebookLM活用候補になりやすい領域です。
2.対象資料を整理する
次に、そのテーマに関する資料だけを集めます。この段階で、古い資料、重複資料、内容が矛盾している資料、現在使っていない資料を確認します。AIへ入れる前に、人が見ても分かりやすい状態にしてください。
3.まず一つのテーマから試す
最初から全社ナレッジを作ろうとすると、整理だけで大きなプロジェクトになります。たとえば、「経費精算」だけでも構いません。あるいは、「新入社員向けマニュアル」「営業部門の提案事例」だけでもよいでしょう。NotebookLMではノートブックごとにソースをまとめて利用するため、業務やテーマ単位で試す方法は仕組みとも相性がよいと考えられます。
4.社員が実際に使う質問で検証する
資料を入れたら、管理者だけで試すのではなく、実際の利用者が普段聞いている質問を入れてみます。「このマニュアルを要約して」だけでは、実務利用の確認になりません。実際に社員が困る、「○○の場合、申請は必要?」「顧客から○○と言われたらどう対応する?」などで試します。そこで答えが見つからない場合、AIの問題ではなく、元資料に必要な情報が書かれていないこともあります。これは、マニュアル改善のきっかけにもなります。
5.資料更新と運用ルールを決める
最後に、「誰がこのノートブックを管理するのか」を決めます。元資料を更新する担当者、不用資料を除外する担当者、新しい資料を追加する基準、社員がAI回答をどこまで信用してよいか、最終確認が必要な業務などをルール化します。AIは「作って終わり」ではなく、運用して初めて業務へ定着します。
NotebookLMによる社内資料検索が向いている会社・先に整理が必要な会社
NotebookLMは便利ですが、すべての会社が同じ状態から導入できるわけではありません。
| NotebookLMを試しやすい会社 | 先に情報整理した方がよい会社 |
|---|---|
| マニュアルがある | マニュアル自体が存在しない |
| 正式な規程が決まっている | 人によってルールが違う |
| 最新版が分かる | 最新版が分からない |
| 過去資料がある程度整理されている | 重複資料が大量にある |
| 更新担当者が決まっている | 誰も管理していない |
| 社員から同じ質問が多い | 業務自体が毎回異なる |
特に相性がよいのは、資料はすでにあるが、社員がうまく活用できていない会社です。逆に、「業務ルールそのものが決まっていない」「社員によって仕事のやり方が違う」という場合は、NotebookLMの前に業務整理を行った方が効果的です。
NotebookLMで社内資料を扱うときの注意点
機密情報を扱う社内ルールを決める
社員が自由に使い始める前に、どの資料を扱ってよいか、個人情報をどう扱うか、顧客の機密情報を扱ってよいか、誰がノートブックを共有してよいかなどを会社として決めておく必要があります。Google Workspaceの対象環境でNotebookLMを利用する場合、Googleはアップロードしたファイル、チャット、モデル出力について、人間のレビュアーによる確認や生成AIモデル改善への利用を行わないと説明しています。一方で、組織の契約形態や利用環境によって適用条件が異なる可能性があるため、法人利用では自社のGoogle Workspace契約と管理設定を確認することが重要です。
AIの回答だけで重要な判断を完結させない
契約、法務、人事、会計など、判断を間違える影響が大きい業務では、AI回答だけで処理を完了させない方が安全です。NotebookLMの役割は、必要な資料や根拠へ早くたどり着くことと考えると分かりやすいでしょう。
元資料の更新を止めない
AIが便利になると、「NotebookLMで聞けば分かるから、マニュアルは更新しなくてもよい」となりがちです。これは逆です。NotebookLMが参照する元資料が古くなれば、社内で使える情報も古くなります。AI活用を進めるほど、元資料の品質管理が重要になります。
情報管理の責任者を決める
全社員が自由に資料を追加していくと、再び情報が混乱する可能性があります。少なくとも、「正式な資料を管理する責任者」「AIに参照させる範囲を決める責任者」は考えておいた方がよいでしょう。
まとめ|NotebookLM導入の前に「AIが参照できる社内情報」を整えよう
NotebookLMを社内資料検索へ活用すると、「あの資料どこだっけ?」とフォルダを探す方法から、「この場合どうするの?」と知りたいことを質問する方法へ変えられる可能性があります。
マニュアル、社内規程、過去の提案資料、新入社員向け資料など、会社にすでに蓄積されている資料を活用する入口として有効です。
しかし、最も重要なのはここです。
NotebookLMを導入しても、会社の情報が勝手に正しく整理されるわけではありません。
古い資料が混在している。最新版が分からない。人によって業務方法が違う。こうした状態では、まず人間側で整理する必要があります。
- 正しい業務方法を決める
- 正式な資料を決める
- 古い資料や重複資料を整理する
- 更新担当者を決める
- 整理された情報をAIで活用する
生成AIを業務へ定着させるために重要なのは、AIそのものの性能だけではありません。AIが参照できる「正しい仕事のやり方」と「正しい情報」を会社側で準備できているかが重要です。
NotebookLMをきっかけに社内資料を見直し、次の段階として「生成AIを活用しやすい業務へ標準化する」という視点まで進めることで、AI導入を単なるツール導入で終わらせず、業務改善へつなげやすくなります。
よくある質問(FAQ)
NotebookLMならファイル名が分からなくても社内資料を探せますか?
NotebookLMへ対象資料をソースとして追加しておけば、ファイル名ではなく「知りたいこと」を質問して情報を確認できます。回答から引用元も確認できます。ただし、NotebookLMに存在しない資料や、元資料に書かれていない内容まで正確に確認できるわけではありません。
社内資料を全部NotebookLMへ入れた方がよいですか?
最初から全部を対象にする必要はありません。「経費規程」「新入社員向けマニュアル」「営業事例」のように、テーマごとに小さく始める方が管理しやすくなります。NotebookLMのノートブックはそれぞれ独立しており、複数ノートブックを一度に横断して情報へアクセスする仕組みではありません。
古いマニュアルが混ざっていても大丈夫ですか?
おすすめしません。旧版と最新版が混在すると、社員がどの情報を基準に判断すべきか分かりにくくなります。NotebookLMへ追加する前に、会社として正式な最新版を決めることが重要です。
NotebookLMを新入社員教育にも使えますか?
活用できます。新入社員向けのマニュアルや社内ルールをまとめておけば、「この申請はどうするのか」「この業務の手順は何か」といった質問を自分で確認する入口として使えます。ただし、人による教育をすべて置き換えるのではなく、定型的な質問を自己解決しやすくする役割として使うのがおすすめです。
NotebookLMを導入すれば社内ナレッジは自動的に整理されますか?
自動的に会社の正しい情報体系が完成するわけではありません。AIへ渡す資料の正式版を決めたり、重複資料を整理したり、業務ルールを統一したりする作業は会社側に必要です。NotebookLM導入を「情報整理を始めるきっかけ」として考えるとよいでしょう。
AI導入の前に、何から整理すべきかを一緒に整理しませんか
社内にマニュアルや規程、過去の提案書はあるものの、「社員が必要な情報を見つけられない」「同じ質問が特定の人に集中している」という場合は、AIツールを導入する前に、どの業務と情報から整理するかを決めることが重要です。
NotebookLMを使うべきかどうかだけでなく、どの資料から整理すればよいか、どの業務を標準化すればAIで活用しやすいか、社員がAIを使える業務フローをどう作るかまで含めて検討すると、AI導入を実際の業務効率化へつなげやすくなります。
参考情報
NotebookLMの機能・利用条件は変更される可能性があります。最新情報はGoogle公式ヘルプで確認してください。
