DXやAI導入についてシステム会社やAI開発会社へ相談するとき、最初から導入したい製品やサービスを決める必要はありません。
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相談前に優先して整理すべきなのは、どのツールを導入したいかではなく、どの経営課題を解決したいかです。
たとえば、「生成AIを導入したい」という希望だけでは、必要な機能や費用、導入範囲を具体的に判断できません。
一方で、次のように現状を説明できれば、相談相手も具体的な改善策を検討しやすくなります。
- 見積書の作成に毎月40時間かかっている
- 顧客からの問い合わせ回答が特定の担当者に集中している
- 紙の申込書をExcelへ転記する作業で入力ミスが発生している
- 過去の提案書やマニュアルを探すのに時間がかかっている
- 担当者が休むと処理方法が分からなくなる
DX・AI導入の相談では、専門的なシステム仕様書を用意する必要はありません。
現在の業務、困っていること、利用できるデータ、社内体制、予算などを整理しておくだけでも、相談の質は大きく変わります。
この記事では、ITコーディネータが初回面談で確認する実務的な質問をもとに、DXやAI導入を相談する前に自社で整理すべき7項目を解説します。
記事内には、相談相手へそのまま渡せる簡易整理シートも掲載しています。すべての項目を完璧に埋める必要はありません。分かる範囲から整理してみてください。
DX・AI導入の相談は「導入したいツール」から始めない

DXやAI導入を検討するとき、最初に製品やサービスを探す企業は少なくありません。
しかし、特定のツールを先に選ぶと、そのツールでできることを中心に検討してしまい、本来解決すべき経営課題から離れることがあります。
最初に考えるべきなのは、製品名ではなく自社が解決したい問題です。
最初に整理するのは解決したい経営課題
DXやAIの導入目的は、企業によって異なります。代表的な経営課題には、次のようなものがあります。
- 人手不足を補いたい
- 残業時間を削減したい
- 入力ミスや確認漏れを減らしたい
- 担当者による品質差をなくしたい
- 問い合わせへの回答を早くしたい
- 営業活動の生産性を高めたい
- 顧客情報を共有できるようにしたい
- 属人化した業務を標準化したい
- 意思決定に必要な情報を早く集めたい
たとえば、人手不足が課題であっても、原因によって必要な対策は変わります。
単純な入力作業に時間がかかっているのであれば、データ連携や自動化が有効かもしれません。
必要な資料を探す時間が長いのであれば、社内データの整理や検索環境の構築が先です。
担当者ごとに判断が異なるのであれば、生成AIを導入する前に、判断基準や業務ルールを言語化する必要があります。
まずは「何を導入したいか」ではなく、「現在どのような状態で、どの状態へ変えたいか」を整理しましょう。
ツールを先に決めると相談が狭くなる理由
導入するツールを先に決めて相談すると、相談相手もその製品を使う前提で提案を考えることになります。
しかし、現場の問題が必ずしも新しいシステムだけで解決するとは限りません。
たとえば、同じ情報を複数のExcelへ入力している問題は、既存システムの設定変更や入力ルールの統一だけで改善できる場合があります。
問い合わせ対応が遅い問題も、AIチャットボットを導入する前に、回答に必要な情報や社内の承認手順を整理した方がよいことがあります。
製品を先に選ぶと、次のような問題が起こりやすくなります。
- 現場の業務に合わない機能を導入する
- 必要のない機能まで契約する
- 現在の業務フローをそのままシステム化する
- データが整っておらず、導入後に利用できない
- 現場が使い方や目的を理解できない
- 導入したこと自体が目的になる
DXは単なるデジタルツールの導入ではありません。業務の進め方や情報の流れ、役割分担を見直し、経営課題の解決につなげる取り組みです。
相談前に完璧な要件定義を作る必要はない
相談前に、自社だけで完璧な要件定義書を作成する必要はありません。
要件定義とは、導入する仕組みに必要な機能や条件を整理する作業です。専門知識がない段階で詳細な仕様まで決めようとすると、かえって選択肢を狭めてしまう可能性があります。
初回相談では、最低限、次の内容を説明できれば十分です。
- 解決したい経営課題
- 現在困っている業務
- 作業のおおまかな流れ
- 業務を担当している人
- 利用している資料やデータ
- 希望する導入時期
- 費用の目安
- 個人情報や機密情報の有無
分からない項目は、分からないままでも構いません。重要なのは、推測で内容を埋めることではなく、分かっていることと分かっていないことを区別することです。
DX相談前に整理すべき7項目
DX・AI導入の相談前に整理したい項目は、次の7つです。
| 整理項目 | 主に確認する内容 |
|---|---|
| 1.現在の業務フロー | 誰が、何を受け取り、どのように処理しているか |
| 2.困っている業務と発生頻度 | 月間件数、所要時間、担当人数、ミスや手戻り |
| 3.利用できるデータ | 保存場所、形式、量、品質、利用権限 |
| 4.責任者と現場担当者 | 決裁者、業務担当者、導入後の運用責任者 |
| 5.期待する効果 | 時間削減、ミス削減、売上向上、属人化解消 |
| 6.許容できる費用と期間 | 初期予算、月額費用、導入時期、社内工数 |
| 7.セキュリティや個人情報の条件 | 扱う情報、閲覧権限、保存方法、人による確認 |
この7項目を整理すると、相談相手が現状を理解しやすくなり、提案の範囲や費用も具体化しやすくなります。
1.現在の業務フロー
最初に整理するのは、現在の業務がどのような順番で進んでいるかです。業務フローを整理すると、二重入力、待ち時間、確認作業、属人化などの問題が見つかりやすくなります。
作業の開始から完了までを順番に書き出す
業務フローを整理するときは、次の5つの視点で考えます。
- 何をきっかけに業務が始まるか
- 誰が情報を受け取るか
- どのような作業をするか
- 途中で誰が確認・判断するか
- 最後に何が作成・更新されるか
たとえば、問い合わせ対応であれば、顧客からの問い合わせ受付、内容確認、資料検索、責任者確認、顧客への回答、対応履歴の入力という順で整理できます。
この流れを書き出すと、資料検索、確認待ち、回答後の記録など、どこで時間がかかっているかが見えてきます。
ITコーディネータが確認する質問
- その作業は何をきっかけに始まりますか
- 最初に情報を受け取るのは誰ですか
- 入力情報はどこにありますか
- 紙、メール、Excel、チャット、システムのどれを使っていますか
- 途中で誰の判断が必要ですか
- 誰かの確認待ちで止まる工程はありますか
- 同じ情報を別の場所へ再入力していませんか
- 作業が完了すると何が作成・更新されますか
- 担当者が不在の場合は誰が対応しますか
業務の手順だけでなく、情報の流れと判断の流れを確認することが重要です。
業務フローはきれいな図でなくてもよい
業務フローを専用ソフトできれいに作る必要はありません。紙に矢印を書いたもの、付箋を並べたもの、Excelの表、箇条書きでも十分です。
重要なのは資料の見栄えではなく、実際の業務を正確に把握することです。担当者によって手順が違う場合は、その違いをそのまま記録してください。
2.困っている業務と発生頻度
次に、困っている業務を具体的な数字へ置き換えます。「忙しい」「手間がかかる」「ミスが多い」といった表現だけでは、改善の優先順位や投資効果を判断できません。
「大変」「時間がかかる」を数字に置き換える
最低限、次の項目を確認しましょう。
- 1日・1週間・1か月あたりの発生件数
- 1件あたりの所要時間
- 作業に関わる人数
- 繁忙期と通常期の件数差
- ミスや手戻りの発生件数
- 確認待ちや承認待ちの時間
- 顧客や取引先へ与える影響
たとえば請求書処理なら、月間300件、1件5分、担当者2人、月25時間、差し戻し月15件などと具体化します。数字で整理すると、導入後の改善効果を測定できます。
ITコーディネータが確認する質問
- その作業は月に何回ありますか
- 1回に何分、または何時間かかりますか
- 何人が関わっていますか
- 繁忙期には件数がどの程度増えますか
- 待ち時間はどの程度ありますか
- 入力ミスや確認漏れは月に何件ありますか
- やり直しはどの程度発生していますか
- 間違えた場合、どの程度の影響がありますか
- 顧客や取引先への回答が遅れることはありますか
正確な記録がない場合は、1週間だけ作業時間や件数を記録する方法もあります。
頻度と影響度の両方で優先順位を決める
毎日発生する単純作業は、少しの時間削減でも年間では大きな効果になります。一方、頻度が低くても大きな損失や法的問題につながる業務は、優先的な対策が必要です。
| 頻度 | 影響 | 考え方 |
|---|---|---|
| 高い | 大きい | 最優先で改善を検討 |
| 高い | 小さい | 自動化や入力削減を検討 |
| 低い | 大きい | 人による確認や事故防止を重視 |
| 低い | 小さい | 他の業務より優先度は低い |
3.利用できるデータ
AIやシステムを活用するには、業務で使う情報がどこにあり、どのような状態なのかを確認する必要があります。データが存在していても、そのまま利用できるとは限りません。
データが「ある」だけではAIやシステムに使えない
確認したいのは、次の内容です。
- データの保存場所
- ファイルやデータの形式
- データ量
- 更新頻度
- 入力している担当者
- 欠けている項目
- 表記のばらつき
- 重複データ
- 閲覧・利用できる人
- 外部サービスへ送信できる情報か
担当者ごとに別のExcelを使っていたり、同一企業名の表記が統一されていなかったりすると、正確な集計が難しくなります。AI導入前にデータ整理や入力ルールの統一が必要になるケースは少なくありません。
ITコーディネータが確認する質問
- 入力情報はどこにありますか
- 紙、Excel、PDF、メール、チャット、既存システムのどれに保存されていますか
- 誰が入力・更新していますか
- どの程度の期間のデータがありますか
- 同じ情報が複数の場所にありませんか
- 必須項目が空欄になっていませんか
- 担当者ごとに入力方法が違いませんか
- データを取り出すことはできますか
- 社外サービスへ送信してよい情報ですか
- 顧客や取引先との契約条件はありますか
相談時には個人情報や機密情報を削除したサンプルを用意すると、データ構造を説明しやすくなります。
生成AIに利用しやすいデータと慎重に扱うデータ
- 社内マニュアル、よくある質問、公開済みの商品情報、定型文、公開資料、個人情報を含まない議事録、過去の提案書や報告書
- 顧客の個人情報、従業員の人事・給与情報、契約書、未公開の経営情報、医療・福祉情報、設計図やソースコード、取引先の機密情報
入力するデータの種類によって、利用できるAIサービス、契約プラン、保存方法、権限管理の条件が変わります。
4.責任者と現場担当者
DXやAI導入では、誰が判断し、誰が業務内容を説明し、誰が導入後に運用するかを決めておく必要があります。
経営判断をする人と業務を知る人は異なる
- 導入目的を決める人
- 対象業務を説明する人
- 最終的に予算を決裁する人
- 導入後の運用を管理する人
- システムや情報管理を確認する人
経営者は経営課題や予算を説明できますが、細かな作業実態を把握していない場合があります。現場担当者は業務を詳しく知っていますが、予算や全社方針を決める権限がない場合があります。
ITコーディネータが確認する質問
- 最終的に導入を判断するのは誰ですか
- 対象業務を最も詳しく知っているのは誰ですか
- 日常的にその業務を担当している人は何人ですか
- 導入後の運用責任者は誰ですか
- 現場の意見を集める担当者は誰ですか
- 仕様変更や追加費用を判断できるのは誰ですか
- セキュリティや個人情報を確認する担当者はいますか
- トラブルが発生した際の責任者は誰ですか
責任者の名前だけでなく、どの判断を担当するのかまで明確にしましょう。
初回相談に参加するとよい人
- 経営課題と導入目的を説明できる責任者
- 対象業務の実態を説明できる現場担当者
個人情報やシステム連携が関係する場合は、情報システムや管理部門の担当者にも確認が必要です。
5.期待する効果
DXやAI導入の成否を判断するためには、期待する効果を具体的に決める必要があります。
「効率化したい」だけでは効果を判断できない
- 作業時間を減らす
- 残業時間を減らす
- 入力ミスや確認漏れを減らす
- 問い合わせへの回答時間を短縮する
- 担当者による品質差を減らす
- 引き継ぎをしやすくする
- 営業の提案件数を増やす
- 顧客対応の品質を高める
- 経営判断に必要な数字を早く確認する
「何を改善するか」と同時に、「どの程度改善すれば成功とするか」も考えます。
ITコーディネータが確認する質問
- 導入後、どの状態になれば成功ですか
- 何時間削減できれば効果があると判断しますか
- ミスをどの程度まで減らしたいですか
- 誰の負担を軽くしたいですか
- 売上向上とコスト削減のどちらを優先しますか
- 顧客対応のどの部分を改善したいですか
- 効果を誰が測定しますか
- どの頻度で効果を確認しますか
現状の数字が分からなければ、導入前に短期間だけ計測しておくことをおすすめします。
定量効果と定性効果を分けて考える
- 定量効果:作業時間、残業時間、処理件数、ミス件数、回答時間、提案件数、売上、外注費
- 定性効果:引き継ぎやすさ、心理的負担、品質の安定、情報検索性、部門間共有、新人教育
費用対効果を判断する際は、両方を整理することが重要です。
6.許容できる費用と期間
相談時に予算を伝えることへ抵抗を感じる企業もあります。しかし、費用や導入時期が分からなければ、相談相手は現実的な方法を提案できません。
予算を伝えないと適切な提案を受けにくい
- 既存システムの設定を変更する
- クラウドサービスを導入する
- 複数のツールを連携する
- 生成AIの利用環境を整備する
- 小規模な実証実験を行う
- 専用システムを開発する
明確な金額を決められない場合でも、初期費用の上限、継続可能な月額、一部門から始めるか、希望時期などを伝えられます。
ITコーディネータが確認する質問
- 初期費用として許容できる範囲はいくらですか
- 月額費用はどの程度まで継続できますか
- いつまでに導入したいですか
- 最初に一部門や一業務だけで試すことは可能ですか
- 社内の確認や決裁には何週間かかりますか
- 担当者が準備に使える時間はどの程度ですか
- データ整理やテストへ参加できる人はいますか
- 導入後の運用費用も予算に含まれていますか
費用だけでなく、自社側で確保できる時間や人員も伝えましょう。
費用だけでなく社内工数も見込む
- 現在の業務を説明する
- 利用するデータを整理する
- 設定内容を確認する
- テストを行う
- 現場から意見を集める
- 利用ルールを決める
- 社内へ周知する
- 導入後の効果を確認する
「導入作業はすべて外部会社が行う」と考えず、自社側の役割も確認しておきましょう。
7.セキュリティや個人情報の条件
DXやAI導入では、扱う情報の種類によって選べるサービスや運用方法が変わります。特に生成AIでは、入力情報、保存場所、利用者、確認方法を事前に決めることが重要です。
扱う情報によって選べる仕組みが変わる
- 氏名、住所、電話番号
- 顧客の相談内容
- 従業員の人事・給与情報
- 契約内容
- 売上や原価
- 取引先の機密情報
- 医療・福祉に関する情報
- 図面、設計、技術情報
- ソースコード
- 未公開の商品・事業情報
個人情報や機密情報を扱う場合は、法人向け契約や管理機能が必要になることがあります。データ保存地域、利用履歴、アクセス権限、退職者のアカウント管理なども確認します。
ITコーディネータが確認する質問
- どのような個人情報や機密情報を扱いますか
- 社外クラウドへ保存できない情報はありますか
- 誰がどの情報まで閲覧する必要がありますか
- 操作履歴を残す必要がありますか
- データの保存期間や削除条件はありますか
- 退職者や異動者の権限をどのように管理しますか
- 外部サービスへ入力してはいけない情報はありますか
- AIが作成した回答を誰が確認しますか
- 間違えた場合、どの程度の影響がありますか
- 顧客や取引先との契約で制限されている事項はありますか
社内規程がある場合は、相談前に該当部分を確認しておきましょう。
AIに任せず人が確認すべき業務を決める
- 契約内容の確定
- 採用や人事評価
- 与信や融資判断
- 医療・福祉に関する判断
- 法律・税務に関する最終判断
- 顧客への正式回答
- 金額や支払条件の決定
- 安全性に関わる判断
- 経営上の重要な意思決定
AIが作成するところまでと、人が確認・承認するところを分けると、安全な業務フローを設計しやすくなります。

DX・AI導入の相談前に使える簡易整理シート
次の表は、相談相手へそのまま共有できる簡易整理シートです。すべての欄を埋める必要はありません。不明な部分には「未確認」「相談して決めたい」と記入してください。
| 整理項目 | 自社で記入する内容 | 面談で確認する主な質問 | 用意するとよい資料 |
|---|---|---|---|
| 解決したい経営課題 | 人手不足、残業、ミス、売上、属人化など | 何を改善したいですか | 経営計画、部門目標 |
| 現在の業務フロー | 開始から完了までの作業順序 | 誰が、何を、どこで処理しますか | 業務手順、帳票、付箋図 |
| 困っている業務 | 発生件数、時間、人数、ミス | 月に何回、1回何時間ですか | 作業記録、集計表 |
| 利用できるデータ | 保存場所、形式、件数、更新頻度 | 入力情報はどこにありますか | Excel、PDF、匿名化したサンプル |
| 責任者と担当者 | 決裁者、現場担当者、運用責任者 | 誰の判断が必要ですか | 体制図、担当者一覧 |
| 期待する効果 | 削減時間、ミス数、回答時間など | どの状態になれば成功ですか | KPI、現状数値 |
| 費用と期間 | 初期予算、月額予算、希望時期 | いくらまで、いつまでですか | 予算資料、導入予定表 |
| 情報管理条件 | 個人情報、権限、保存条件 | 間違えた場合の影響は何ですか | 社内規程、契約条件 |
簡易整理シートの記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 解決したい課題 | 見積書作成が営業担当者へ集中し、顧客への提出が遅れている |
| 現在の流れ | 営業が依頼を受ける→過去資料を探す→Excelで作成→上司確認→PDF送付 |
| 発生頻度 | 月80件、1件30分、営業担当者4人 |
| 利用データ | 過去見積書、商品マスター、価格表、顧客別条件 |
| 責任者 | 営業部長 |
| 現場担当者 | 営業担当者2人、事務担当者1人 |
| 期待効果 | 1件あたりの作成時間を30分から15分へ短縮 |
| 費用・期間 | 初期100万円以内、6か月以内に一部門で開始 |
| 情報管理 | 顧客名と取引条件を扱うため、閲覧権限が必要 |
この程度の情報があれば、相談相手は現状を具体的に理解しやすくなります。
整理できていない項目があっても相談してよい
すべてを自社だけで整理できないこともあります。何が分からないのかを明らかにすることが、相談の目的になる場合もあります。
すべてを埋めることより、不明点を明確にする
- 月間件数は未集計
- 業務時間は担当者によって異なる
- 利用できるデータの形式は未確認
- 予算は提案内容を見て決めたい
- セキュリティ条件は管理部門へ確認中
- 最終責任者は社内で検討中
分からない内容を推測で記入すると、誤った前提で提案が進む可能性があります。不明点は不明点として伝えましょう。
最低限整理したい3つの情報
- 解決したい経営課題
- 困っている業務の具体例
- 経営判断者と現場担当者
この3つが分かれば、初回相談で対象業務や追加確認事項を整理できます。
資料を作り込みすぎない
専門的な提案依頼書や詳細なシステム構成図を作ることが目的ではありません。資料を作り込むよりも、実際の業務担当者へ確認し、現場の流れや困りごとを正確に把握する方が重要です。
DX相談前に避けたい5つの準備不足
1.ツール名だけを指定する
ツール名だけでは解決したい課題が分かりません。対象業務、現在の問題、期待する効果をあわせて説明しましょう。
2.「全部自動化したい」と依頼する
すべてを一度に自動化すると対象範囲、費用、期間が大きくなります。まずは頻度が高く手順が比較的決まっている業務から検討します。
3.現場担当者が参加していない
経営者や管理職だけでは、実際の業務手順や例外処理が十分に伝わらないことがあります。業務確認やテストでは現場の意見を取り入れましょう。
4.データが使えると思い込んでいる
保存場所、形式、項目、表記の統一、利用権限を確認しなければ、AIやシステムへ利用できるか判断できません。
5.費用・期間・情報管理条件を伝えない
費用の上限、導入希望時期、扱えない情報、必要な権限管理などは、早い段階で共有しましょう。
この記事はベンダー比較ではなく、自社の相談準備を目的としている
この記事は、システム会社やAI開発会社の価格、開発力、実績を比較するための記事ではありません。
目的は、複数の相談先へ同じ条件で説明できるように、自社の状況を整理することです。
自社の課題や条件が整理されていなければ、相談先ごとに異なる内容を伝えてしまい、提案や見積もりを公平に比較できません。
- 対象業務
- 月間件数
- 現在の所要時間
- 利用データ
- 期待する効果
- 導入時期
- 予算
- セキュリティ条件
各社へ同じ情報を共有すれば、提案内容の違いを判断しやすくなります。
DX・AI導入の相談前によくある質問
業務フローを図にできなくても相談できますか
相談できます。専門的な業務フロー図は不要です。作業の開始から完了までを箇条書きにし、担当者、使用資料、判断が必要な工程を書き出すだけでも十分です。
導入したいツールが決まっていなくても大丈夫ですか
問題ありません。ツールが決まっていない段階の方が、経営課題や対象業務に合う方法を幅広く検討できます。
現場担当者も相談に参加した方がよいですか
対象業務の実態を確認するため、少なくとも一度は参加することをおすすめします。参加できない場合は、事前に質問して回答を整理します。
予算が決まっていない場合はどうすればよいですか
明確な金額がなくても相談できます。初期費用と月額費用のどちらを重視するか、小規模に始めたいかなどを伝えましょう。
整理シートを全部埋められないと相談できませんか
すべてを埋める必要はありません。空欄には「未確認」「相談して決めたい」と記載し、分かっていることと今後確認すべきことを区別します。
まとめ|DX相談の準備は経営課題と業務の可視化から始める
DXやAI導入を相談するときは、最初から製品やサービスを決める必要はありません。
まず整理すべきなのは、導入したいツールではなく、解決したい経営課題です。
そのうえで、次の7項目を確認します。
- 現在の業務フロー
- 困っている業務と発生頻度
- 利用できるデータ
- 責任者と現場担当者
- 期待する効果
- 許容できる費用と期間
- セキュリティや個人情報の条件
特に重要なのは、「その作業は月に何回あるか」「1回に何時間かかるか」「誰の判断が必要か」「入力情報はどこにあるか」「間違えた場合にどの程度の影響があるか」を具体的にすることです。
すべてを完璧に整理する必要はありません。まずは簡易整理シートを使い、経営責任者と現場担当者で分かる範囲を書き出してみてください。
自社だけで対象業務や優先順位を決められない場合は、製品を販売する会社へ相談する前に、ITコーディネータなどの第三者と経営課題や業務を整理する方法もあります。
DX・AI導入の相談内容を一緒に整理しませんか
DXやAI導入について相談する際は、導入するツールを先に決める必要はありません。
解決したい経営課題や現在の業務を整理することで、自社に必要な仕組みと、次に取るべき行動が見えやすくなります。
「対象業務を絞り込めない」「利用できるデータが分からない」「生成AIと通常の自動化のどちらがよいか判断できない」といった段階からでもご相談いただけます。
簡易整理シートに空欄がある場合も、その内容を一緒に確認できます。
ご相談はこちら:AI導入支援サービス/お問い合わせ
