競合他社のInstagramアカウントに、青いチェックマークが付いているのを見て、「自社アカウントにも必要だろうか」と感じたことはありませんか。
Instagramの公式マーク(認証バッジ)は、企業アカウントの信頼性を高めるうえで有効な要素です。一方で、取得には条件があり、バッジを取得しただけで投稿が伸びるわけではありません。
この記事では、Instagramの公式マークが企業にもたらすメリットや、取得条件、申請手順、審査に落ちた場合の対処法まで解説します。

Instagramの公式マーク(認証バッジ)とは?
Instagramの公式マーク(認証バッジ)とは、プロフィール名の横に表示される青いチェックマークのことです。Instagramが「このアカウントは、実在する人物・ブランド・団体の本物のアカウントである」と確認した証として表示されます。
有名人や大企業のアカウントで見かける印象が強いかもしれません。しかし現在は、企業・ブランド・クリエイターなど、幅広いアカウントが認証の対象です。
認証バッジを取得する方法は、大きく分けて2つあります。
Instagramに無料で申請し、審査を受ける方法
Metaが定める基準を満たしていると判断されると、認証バッジが付与されます。
月額料金を支払って「Meta認証」を利用する方法
本人確認やブランド保護などを含む、有料プランとして提供されています。
この記事で中心的に取り上げるのは、無料申請による公式マークの取得です。有料のMeta認証については、無料申請の代替手段として後半で触れます。
なお、公式マークはあくまでも「本物であること」を示すためのものです。投稿のリーチを自動的に広げたり、アルゴリズム上で優遇したりする機能ではありません。
Instagramで公式マークを取得する3つのメリット
公式マークを取得すると、企業アカウントの運用にはどのような変化があるのでしょうか。ここでは、公式マークを取得する3つのメリットを紹介します。
アカウントの信頼性が高まる
青いチェックマークは、ユーザーにとって「公式アカウントである」と判断するための視覚的なサインになります。検索結果やフィード上に複数のアカウントが表示されたとき、バッジの有無は「どちらが本物か」を見分ける手がかりにも。
特に企業アカウントでは、同じブランド名や似た名称のアカウントが複数存在することがあります。そのような状況でも、公式マークがあれば、自社アカウントが本物だと一目で伝わるでしょう。
初めて訪れたユーザーにとっても安心材料になり、フォローや問い合わせへの心理的なハードルを下げる効果が期待できます。
なりすましアカウントの被害を防ぎやすくなる
ブランドの知名度が上がるほど、ブランド名や商品名をかたった、なりすましアカウントが現れるリスクも高まります。
こうしたアカウントは、たとえば次のような被害につながる場合があります。
- ユーザーを偽サイトへ誘導する
- 実在しないキャンペーンを告知する
- 個人情報の入力を促す
- ブランドへの不信感を生む
その結果、ユーザー被害だけでなく、ブランドイメージの低下につながるおそれも。公式マークが付いていると、ユーザーは本物のアカウントを見分けやすくなるでしょう。
なりすまし被害を完全に防げるわけではありません。それでも、ユーザーが安全に公式アカウントを識別するための重要な目印になります。
フォローやECサイトへの遷移を後押ししやすい
公式マークによる信頼性の向上は、フォローやリンクタップといった行動を後押しする要素になります。
特にInstagramのプロフィールから、ECサイトや公式サイトへの流入を狙っている場合は重要です。「このアカウントなら信頼できる」という安心感は、ユーザーがリンクをタップするかどうかの判断に影響します。
ただし、公式マークを付けるだけで、フォロワー数や売上が必ず伸びるわけではありません。公開データとして、公式マークと成果改善の因果関係を示す情報は限られています。
そのため、公式マークはフォロワー獲得施策の直接的な手段ではなく、信頼性を補強する要素として捉えるのが適切です。
プロフィール設計や投稿内容、導線づくりと組み合わせることで、企業アカウント全体の成果を支える土台になります。
公式マークを申請する前に確認すべき4つの取得条件
申請手順に進む前に、まず審査基準を確認しましょう。Instagramは認証バッジの条件として、次の4つを示しています。
- 本物性
- 唯一性
- 完全性
- 知名度
これらを満たしていない状態で申請しても、審査を通過する可能性は高くありません。自社アカウントが現時点でどの条件を満たしているか、ひとつずつ確認してみてください。
本物性:実在する個人・企業・団体であること
申請するアカウントは、実在する人物、登録済みの企業、または団体を表している必要があります。架空の存在や、一般的なテーマを扱うだけのアカウントは対象になりません。
企業アカウントであれば、次のような情報が実在する組織であることの根拠になります。
- 法人登記に関する情報
- 公式サイト
- 会社概要ページ
- 事業内容が確認できる資料
申請時には、補足情報を入力できる場合があります。公式サイトのURLや報道実績など、実在性を示せる情報を事前に整理しておくと安心です。
唯一性:1人・1ブランドにつき1アカウントであること
認証バッジは、1人の人物または1つのブランドにつき、原則1アカウントに付与されます。同じブランドで複数のアカウントを運営している場合は、注意が必要です。
たとえば、次のようなケースがあります。
- 地域別アカウント
- 店舗別アカウント
- 部門別アカウント
- サービス別アカウント
このようなアカウントすべてで、認証を受けられるとは限りません。ただし、言語別アカウントについては例外として扱われる場合があります。
複数アカウントでの申請を検討している場合は、Instagram公式ヘルプセンターで最新条件を確認しましょう。
完全性:プロフィールが整い、公開・アクティブ状態であること
審査時点で、アカウントは公開されている必要があります。加えて、プロフィール写真、自己紹介文、投稿などが整っていることも重要です。申請前には、次の項目を確認しておきましょう。
- アカウントが公開設定になっている
- プロフィール写真が設定されている
- 自己紹介文が入力されている
- 投稿が一定数ある
- 直近も運用されている
非公開アカウントや、プロフィールが未完成のアカウントは審査対象になりにくいと考えられます。
また、申請時点でアカウントがアクティブに運用されているかも確認されます。申請前には、プロフィール内容や直近の投稿状況を見直しておきましょう。

知名度:複数のメディアで取り上げられていること
4つの条件のなかで、多くの企業が特にハードルを感じやすいのが知名度です。
Instagramでは、認証対象となるアカウントについて、広く知られていることや、よく検索されていることを条件としています。複数のニュースメディアや業界メディアで取り上げられた実績は、重要な判断材料になります。
特に確認しておきたいのは、掲載実績の種類です。
| 掲載の種類 | 審査上の見られ方 |
|---|---|
| 第三者メディアの記事 | 知名度の根拠になりやすい |
| 業界メディアの特集 | 判断材料になりやすい |
| 有料広告記事 | 評価されにくい可能性がある |
| プレスリリース転載 | 根拠として弱い場合がある |
注意したいのは、有料のプロモーションコンテンツです。Instagramは、有料または広告性のある掲載を、知名度の根拠として考慮しないと説明しています。
自社で費用をかけた広告記事や一部のプレスリリース掲載は、審査上の実績として評価されにくい可能性があります。
そのため、第三者メディアが自発的に取り上げた報道記事や特集記事を増やすことが大切です。無料申請を目指す場合は、Instagram内の運用だけでなく、外部での認知形成も意識しておきましょう。
Instagramの公式マークを申請する具体的な手順
取得条件を確認できたら、次は申請手順を見ていきましょう。公式マークの申請は、Instagramアプリから行います。
ただし、アプリの画面表示やメニュー名は、アップデートによって変わることも。申請前には、Instagram公式ヘルプセンターの最新情報も確認しておくと安心です。
申請は、以下の流れで進めます。
- Instagramアプリを開き、申請したいアカウントにログインする
- プロフィール画面を開く
- 「プロフェッショナルダッシュボード」をタップする
- 右上のアイコンをタップする
- 「認証をリクエスト」をタップする
- 申請フォームに必要事項を入力する
- 必要書類をアップロードする
- 内容を確認し、「送信」をタップする
申請フォームでは、主に次のような情報の入力・提出が求められます。
- 氏名またはブランド名
- アカウントのカテゴリ
- 本人確認書類
- ビジネス関連書類
企業アカウントの場合は、実在する組織であることを示せる書類を用意しておきましょう。
たとえば、法人登記証明書、納税関連書類、公共料金の請求書などが該当します。あわせて、公式サイトのURLや第三者メディアでの掲載実績も整理しておくと、申請時に入力しやすくなります。
審査結果は、Instagramからの通知として届きます。Instagramは、審査にかかる具体的な日数を明示していません。そのため、申請後は通知を確認しながら待ちましょう。
また、審査中に次のような情報を変更すると、審査に影響する可能性があります。
- プロフィール名
- ユーザーネーム
- カテゴリ
- アカウントの基本情報
申請後は、必要がない限りアカウント情報を大きく変更しないことをおすすめします。審査結果が否認だった場合でも、30日が経過すれば再申請できます。
Instagram公式マークの申請に落ちたときの対処法
審査に落ちても、あきらめる必要はありません。
公式マークの審査では、申請時点のアカウント状態や外部情報の充実度が重要です。再申請までの期間を、アカウントと外部情報を整える時間として活用しましょう。
プロフィールと投稿内容を見直す
審査に落ちた理由として考えられるのが、プロフィールの不備や投稿数の少なさです。再申請前に、まずはアカウントの基本情報を確認しましょう。
特に見直したいのは、次の項目です。
- プロフィール写真が公式ロゴになっているか
- 自己紹介文に事業内容が入っているか
- 公式サイトへのリンクがあるか
- 直近の投稿が止まっていないか
- アカウントが公開状態になっているか
これらは完全性の審査基準に関わる要素です。申請前の数週間は、通常よりも意識的に投稿を続けることをおすすめします。
アクティブに運用されているアカウントだと伝わりやすくなります。
知名度を示す外部情報を増やす
審査基準のなかでも、知名度は特に客観的な根拠が求められます。
自社に関する報道記事や、業界メディアでの掲載実績が少ない場合は、まず外部での露出を増やすことが大切です。具体的には、ニュース性のある情報を発信し、メディアに取り上げてもらう機会を増やしましょう。
たとえば、次のような取り組みが考えられます。
- 新商品や新サービスの情報を発信する
- 企業としての取り組みを広報する
- 業界誌や専門メディアの取材に対応する
- 第三者メディアでの掲載実績を整理する
ただし、有料の広告記事やプロモーションコンテンツは、知名度の根拠として評価されにくい点に注意が必要です。
大切なのは、第三者メディアが自発的に取り上げた記事や特集を増やすことです。無料申請での取得を目指す場合は、Instagram内の運用だけでなく、広報活動もあわせて強化しましょう。
一定期間を空けて再申請する
認証バッジの申請が否認された場合でも、30日が経過すれば再申請できます。この期間を、単なる待ち時間にしないことが大切です。
再申請までに、次のような改善に取り組みましょう。
- プロフィールを整える
- 投稿を継続する
- アカウントの運用実績を増やす
- 外部メディアでの掲載実績をつくる
- 申請時に使う情報を整理する
アカウントの状態が変わらないまま再申請しても、結果が変わる可能性は高くありません。具体的な改善ができてから再申請するほうが、現実的な進め方です。
Meta認証の利用も検討する
無料申請での取得が難しい場合は、有料のMeta認証を検討する方法もあります。Meta認証は、月額料金を支払って利用する認証サービスです。
本人確認やアカウント保護などの機能が含まれ、InstagramやFacebookで利用できます。ただし、無料申請による認証バッジとは意味合いが異なります。
違いを整理すると、次のようになります。
| 種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 無料申請の認証バッジ | 著名性や本物性の確認が前提 |
| Meta認証 | 本人確認や保護機能を含む有料サービス |
見るべきポイントは、「知名度をもとに認証を受けたいのか」「本人確認や保護機能も含めて利用したいのか」です。
料金や対象条件は変更される可能性があります。導入を検討する際は、Meta公式サイトで最新情報を確認しましょう。
Instagram公式マークの注意点
公式マークの取得を目指す前に、知っておきたい注意点があります。
バッジは企業アカウントの信頼性を高める要素です。しかし、取得すればすべての課題が解決するわけではありません。
「思っていた効果と違った」とならないように、メリットだけでなく制約や運用上のリスクも確認しておきましょう。
公式マークだけで投稿が伸びるわけではない
認証バッジは、アカウントが本物であることを示すためのものです。投稿のリーチやエンゲージメントを、直接高める機能ではありません。
Instagramでは、主に次のような要素をもとにコンテンツが表示されます。
- 投稿内容
- ユーザーとの関連性
- 投稿への反応
- アカウントとの関わり
認証バッジの有無だけで、投稿が優先表示されるわけではないと考えましょう。
公式マークを取得しても、投稿内容やユーザーとの関わり方が変わらなければ、フォロワー数やリーチが自然に増えるとは限りません。バッジはあくまで信頼性を補強する要素です。
コンテンツ戦略やコミュニケーション設計の代わりにはならない点を、押さえておきましょう。
ユーザーネームや情報変更に制限が出る場合がある
認証バッジを取得すると、ユーザーネームの変更に制限が出る場合があります。Instagramは、認証後はユーザーネームを変更できない場合があると説明しています。
また、認証バッジを別のアカウントに移すこともできません。そのため、申請前には次のような点を確認しておくことが大切です。
- 現在のユーザーネームで問題ないか
- ブランド表記は確定しているか
- 近くリニューアル予定がないか
- 別アカウントへ移行する予定がないか
ブランドリニューアルやアカウント名の変更を検討している場合は、申請前にタイミングを整理しておきましょう。変更後に再申請が必要になる可能性もあります。社内でアカウント名やブランド表記を確認してから、申請することをおすすめします。
規約違反をすると公式マークが取り消される可能性がある
認証バッジは、取得後も必ず維持できるものではありません。Instagramのコミュニティ規定や利用規約に違反した場合、バッジが取り消される可能性があります。
たとえば、次のような行為には注意が必要です。
- スパム行為
- 虚偽情報の発信
- 著作権侵害
- 不適切なコンテンツの投稿
- 認証済みアカウントの販売・譲渡
公式マークは、取得して終わりではありません。Instagramのルールに沿って、継続的に運用してこそ維持できるものです。
日常の投稿管理や外部ツールとの連携でも、規約に抵触しないよう注意しましょう。
まとめ
Instagramの公式マーク(認証バッジ)は、企業アカウントの信頼性を高める有効な要素です。ユーザーが本物のアカウントを見分けやすくなり、なりすまし対策にも役立ちます。
一方で、取得には「本物性」「唯一性」「完全性」「知名度」などの条件があります。特に、複数のメディアで取り上げられているかどうかは、審査で重視されるポイントです。
また、公式マークは投稿のリーチやフォロワー数を直接増やす機能ではありません。あくまで、アカウントの信頼性を補強するものとして考えましょう。
申請前には、プロフィールや投稿内容を整え、外部メディアでの掲載実績も確認しておくことが大切です。審査に落ちた場合も、改善を重ねれば再申請できます。
自社アカウントの現状と照らし合わせながら、公式マークを取得すべきか、どのタイミングで申請するかを検討してみてください。
