Claude(クロード)は、Anthropicが提供する生成AIサービスです。文章作成や要約、データ分析、コード生成に加え、Claude Coworkを利用することで、調査、ファイル整理、表計算、資料作成、外部ツールの操作などを複数工程に分けて実行できます。
単に質問に答えるチャット型AIではなく、「調査結果をまとめて報告書を作る」「複数の資料を分析してプレゼンテーションを作る」といった一連の業務を任せられる、ワークフロー型のAIエージェントとして活用できる点が特徴です。
デジタル化・AI導入補助金では、一般的な文書作成、分析、チャット、自動化機能を中心に登録する場合、汎P-07として整理されることが多いツールです。一方、入力情報、処理工程、外部連携、確認・承認、成果物作成までの一連の業務フローを明確にしたことで、共P-05のワークフロー型プロセスとして登録された実績もあります。
ただし、Claudeであれば常にP-05に該当するわけではありません。登録するプラン、機能、利用方法、提出する機能説明資料によって、事務局の判断は異なります。
Claude(クロード)とは
Claudeは、文章、表、要約、回答、資料構成、プログラムなどを生成できるAIです。長い文書や複数のファイルを読み込み、内容を整理したうえで、指定された形式の成果物を作成できます。
Claude Coworkでは、利用者が実現したい結果を伝えると、Claudeが作業を複数のタスクに分割し、調査、分析、整理、文章作成などを並行して進めます。作成できる成果物には、文書、スプレッドシート、プレゼンテーション、調査レポートなどがあります。定期タスクを設定し、毎日、毎週、毎月の業務を実行させることも可能です。
また、スキル、コネクタ、サブエージェントを組み合わせることで、特定の部門や業務に合わせたAIエージェントを構成できます。
Claudeで解決できる業務課題
企業内では、情報収集、データ整理、文章作成、資料化が別々の作業になっていることが少なくありません。
例えば、担当者が複数のWebサイトや社内ファイルを調べ、その内容をExcelに整理し、上司向けのPowerPointへまとめる場合、情報のコピー、転記、書式調整に多くの時間がかかります。
Claudeを導入すると、次のような課題の改善が期待できます。
- 調査から報告書作成までに時間がかかる
- 社内文書やメール、ファイルに情報が分散している
- 同じ形式の報告資料を毎週手作業で作成している
- 会議録、契約書、社内資料の確認が属人化している
- AIの使い方や出力品質が担当者ごとに異なる
- コード作成やテスト、修正に多くの工数がかかる
Claudeにすべての判断を任せるのではなく、AIが調査や下書き、整理を担当し、人が内容を確認して承認する業務フローに変えることが重要です。
Claudeの主な機能と課題解決の仕組み
Claude Coworkによる複数工程の業務実行
Claude Coworkは、利用者から与えられた目的をもとに、必要な作業を分割して実行します。
例えば、「複数店舗の月次データを分析して、経営会議用の資料を作成する」と指示した場合、Claudeはデータの確認、集計、傾向分析、改善点の整理、資料作成を順番に進めます。
大きな作業を複数のタスクに分けて並行処理できるため、利用者が一つずつ細かく指示する負担を減らせます。重要な操作については、実行前に計画を提示し、利用者の承認を待つ仕組みもあります。
文書・表計算・プレゼンテーションの作成
Claudeは、入力された文章、PDF、表計算データ、メモなどをもとに、報告書、提案書、マニュアル、表、プレゼンテーションなどを生成できます。
単に文章を表示するだけではなく、調査や分析の結果を、利用目的に合った成果物へまとめられる点が特徴です。
例えば、アンケート結果を集計し、主な意見を分類したうえで、経営層向けの要約資料を作成する業務に活用できます。ただし、集計結果、引用元、数値、固有名詞に誤りがないかは、利用者が確認する必要があります。
Projects・Skillsによる業務手順の標準化
Projectsを利用すると、特定の業務に必要な資料、指示、前提条件をまとめて管理できます。
さらに、Skillsやプラグインに自社の業務知識、判断基準、文章の形式、作業手順を設定することで、担当者ごとの指示の違いを減らせます。
例えば、社内報告書の項目、文章表現、確認事項をあらかじめ指定しておけば、毎回同じ基準で下書きを作成しやすくなります。
コネクタ・MCPによる外部ツール連携
Claudeは、Google Drive、Gmail、Google Calendar、GitHub、Microsoft 365、Slackなどの業務ツールと接続できます。接続先の情報を検索し、既存の文書、メール、予定、社内コミュニケーションを参照しながら回答や成果物を作成できます。
Model Context Protocol、通称MCPは、Claudeと外部のデータやシステムを接続するための仕組みです。社内システムや業務データと接続することで、情報を手作業でコピーしてClaudeへ入力する作業を減らせます。
ただし、Claudeにアクセスさせるフォルダー、ファイル、コネクタは適切に制限する必要があります。
Claude Codeによる開発業務支援
Claude Codeは、ソフトウェア開発向けのAIエージェントです。
既存コードの確認、コード生成、テスト作成、バグ修正、リファクタリング、技術文書作成などに利用できます。開発者がClaude Codeに複数の作業を任せ、その間に別の業務を進めるといった使い方も可能です。
楽天の公式事例では、Claude Codeを利用した開発により、新機能の市場投入までの時間が24日から5日に短縮された事例が紹介されています。これは特定企業の事例であり、すべての企業で同じ成果が得られることを示すものではありません。
Claude導入前後の業務フロー
導入前は、担当者が資料を探し、情報を転記し、内容を整理してから、報告書やプレゼンテーションを作成します。

導入前
情報収集 → ファイルの確認 → データの転記・集計 → 文章作成 → 資料のレイアウト調整 → 上司の確認
導入後
担当者が目的と使用する情報を指定 → Claudeが計画を作成 → Claudeが調査・抽出・分析・資料作成 → 担当者が根拠、数値、表現を確認 → 修正・承認 → 成果物を業務で利用
Claudeに任せる範囲と、人が確認する範囲をあらかじめ決めておくことが、安全な運用につながります。
デジタル化・AI導入補助金上の対応

一般的には汎P-07として整理される理由
汎P-07は、業種や特定業務に限定されない汎用・自動化・分析ツールを対象とするプロセスです。
Claudeの文書作成、要約、プレゼンテーション作成、チャット、データ分析、汎用的な自動化などを中心に説明する場合は、汎P-07との整合性が高くなります。
デジタル化・AI導入補助金2026では、業務プロセスと汎用プロセスを、一つのITツール登録で同時に選択することはできません。また、通常枠では汎P-07だけを保有するITツールのみで交付申請することはできず、共P-01から各業種P-06までの業務プロセスを持つ別のソフトウェアが必要です。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール登録マニュアル
共P-05のワークフローとして登録された実績
共P-05には、総務、人事、給与、労務、教育訓練、法務、情報システム、統合業務に関する機能が含まれます。
2026年度の登録要領では、ワークフローについて、入力フォーム設計、フロー作成、承認・決裁、通知、連携などにより、企業内の申請、届出、報告、承認等の流れを設定・管理するものと示されています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール登録要領
Claudeは一般にはP-07で登録されることが多い一方、登録する機能と利用方法を次のように整理し、共P-05として登録が認められた実績があります。
- 社内文書や業務データを入力する
- Claudeが業務内容を分析し、作業工程を作成する
- 複数の処理を順番または並行して実行する
- 必要に応じて外部ツールや社内データと連携する
- 利用者が計画や重要な処理を確認・承認する
- 報告書、申請資料、社内文書等の成果物を作成する
ただし、この登録実績は、すべてのClaudeプランが自動的にP-05となることを意味しません。P-05で登録する場合は、対象業務、入力情報、処理内容、承認工程、成果物、業務改善効果を、実際の機能画面とともに説明する必要があります。
インボイス対応
Claudeは、インボイス制度に対応する会計、受発注、決済ソフトではありません。
請求書の文章や様式を作成できたとしても、仕訳、総勘定元帳、売掛・買掛管理、入金管理、決済処理などを一連で管理する機能は確認できません。
そのため、Claude単体をインボイス枠の「会計」「受発注」「決済」に該当するソフトウェアとして紹介することは適切ではありません。インボイス対応類型では、登録要領で定められた会計、受発注、決済のいずれかの機能が必要です。
生成AI・AI技術の搭載状況
Claudeは、文章、要約、表、資料、回答、コードなどを新たに生成するため、生成AIを搭載したツールに該当します。
タスクの分解、情報抽出、分類、分析、外部操作なども行いますが、これらを「生成AI以外のAI技術」として独立して申告できるかは、登録する機能と提出資料の確認が必要です。
AIの回答には誤りが含まれる可能性があります。契約、財務、個人情報、法令、顧客への提出資料などに使用する場合は、人による確認を必須にしてください。
Claudeの料金プラン一覧
Claudeには、Free、Pro、Max、Team、Enterpriseなどのプランがあります。
企業でアカウントと請求を一元管理する場合はTeam、より高度な管理や大規模導入を行う場合はEnterpriseが候補となります。Teamは最低5名からの契約で、StandardとPremiumのシートを組み合わせることもできます。
公式価格は米国向けの税抜表示であり、地域、通貨、税金、契約条件によって異なります。補助金で導入する場合は、公式価格ではなく、登録されたプラン名、契約期間、税抜価格、アカウント数を確認する必要があります。
| プラン | 公式価格 | 契約単位 | 主な位置づけ | 補助金登録 |
|---|---|---|---|---|
| Free | 無料 | 1ユーザー | 試用・限定利用 | 対象外 |
| Pro | 月額20ドル/年額200ドル | 1ユーザー | 個人の継続利用、Cowork利用 | 要確認 |
| Max 5x | 月額100ドル | 1ユーザー | 高頻度・複雑なタスク | 要確認 |
| Max 20x | 月額200ドル | 1ユーザー | 日常的な高負荷利用 | 要確認 |
| Team Standard | 月額25ドル(年契約は月額20ドル相当) | 1シート・最低5名 | 法人の共同利用・管理 | 要確認 |
| Team Premium | 月額125ドル(年契約は月額100ドル相当) | 1シート・最低5名 | 高利用量の法人ユーザー | 要確認 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 組織契約 | 高度な管理・セキュリティ | 要確認 |
※2026年7月14日時点の米国向け公式価格です。税金は含まれず、地域や通貨によって異なります。補助金の登録価格は、公式ドル価格と異なる場合があります。
補助金を使ったClaudeの導入費用を確認したい方へ
Claudeをどの業務に導入するかによって、適したプラン、アカウント数、補助金上のプロセスが異なります。自社の業務が対象になる可能性、P-05・P-07の登録状況、補助金を活用した場合の導入費用についてご相談ください。
Claudeの導入事例
IG Group|金融サービスの分析・資料作成
金融サービスを提供するIG Groupでは、人事、マーケティング、分析、技術部門などでClaude for Workを活用しています。
公式事例では、分析チームがAIを使ったクエリ作成やデータ処理により、週約70時間を削減したと紹介されています。また、特定の業務では生産性が100%向上し、3か月未満で投資回収を達成したとされています。

Chronograph|社内情報を横断したワークフロー
金融サービス向けの分析プラットフォームを提供するChronographでは、HubSpot、Notion、Gmail、Google Calendarなどに分散していた情報を、ClaudeとMCPで接続しています。
公式事例では、150名以上の全従業員が導入し、80%が毎日利用しています。新入社員が従来の2か月以上ではなく、入社2週目から業務へ貢献できるようになったと紹介されています。

楽天|Claude Codeによるソフトウェア開発
楽天では、Claude Codeをコード生成、テスト、バグ修正、ドキュメント作成などに利用しています。
公式事例では、新機能の市場投入までの時間を24日から5日に短縮し、複雑なコード変更で99.9%の精度を達成したとされています。

Apollo|営業メッセージの個別最適化
営業支援プラットフォームを提供するApolloでは、ClaudeのAIモデルを活用し、企業情報を調査したうえで営業メールを個別化する仕組みを構築しています。
公式事例では、Claudeを利用したメッセージングにより営業成果が35%向上したと紹介されています。これはClaude Platformを自社サービスへ組み込んだ事例であり、Claude TeamやClaude Coworkの導入事例とは区別して確認する必要があります。

Claudeが向いている企業
- 調査、分析、文書作成を日常的に行っている
- 複数の資料を読み込んで報告書を作成している
- Google WorkspaceやMicrosoft 365、Slack等に情報が分散している
- 毎週、毎月の定型レポートを作成している
- AIの使い方を社内で標準化したい
- コード作成、テスト、技術文書作成を効率化したい
- AIエージェントに作業を任せ、人は確認と判断に集中したい
一方、会計処理、受発注管理、在庫管理、決済、顧客管理などをClaude単体で完結させたい企業には向きません。その場合は、目的に合った業務ソフトとClaudeを組み合わせる必要があります。
導入前に確認したい注意点
Claudeを導入する前に、対象業務、入力可能な情報、確認責任者、利用プランを決めておきましょう。
特に、顧客情報、契約書、財務資料、人事情報、未公開情報を入力する場合は、社内ルールとアクセス権限の整備が必要です。
Claude for Workなどの商用製品では、入力内容と出力内容は、初期設定ではAnthropicのモデル学習に使用されません。ただし、利用者がフィードバックを送信した場合などは取り扱いが異なります。また、Free、Pro、Maxなどの個人向け製品とは条件が異なるため、導入プランごとに確認してください。
補助金を活用する場合は、契約前に次の点も確認する必要があります。
- 補助金に登録されている正式なプラン名
- P-05またはP-07のどちらで登録されているか
- 登録価格と公式価格の対応
- 契約期間とアカウント数
- 導入設定、研修、サポート費用の内訳
- 交付決定前に契約・支払いを行っていないか
よくある質問
Claudeはデジタル化・AI導入補助金の対象ですか?
Claudeのすべてのプランが自動的に補助対象となるわけではありません。事務局に登録された正式なITツール名、プラン、価格、契約期間で導入する必要があります。最新のITツール検索と、取扱IT導入支援事業者へご確認ください。
ClaudeはP-05とP-07のどちらに該当しますか?
一般的な文書作成、分析、チャット、自動化を中心に登録する場合は、汎P-07として整理されることが多いツールです。一方、対象業務、処理工程、承認、連携、成果物までのワークフローを明確にし、共P-05として登録された実績もあります。同じITツール登録でP-05とP-07を同時に選択することはできないため、登録プランごとの確認が必要です。
P-07のClaudeだけで通常枠に申請できますか?
できません。通常枠では、汎P-07のみを保有するソフトウェアだけで交付申請することはできず、共P-01から各業種P-06までの業務プロセスを持つソフトウェアを組み合わせる必要があります。
Claude Coworkはどのプランで利用できますか?
2026年7月時点では、Pro、Max、Team、Enterprise等の有料プランで利用できます。利用できる機能や使用量はプランによって異なります。
Claudeの回答はそのまま業務で使えますか?
AIの回答には、事実誤認、計算間違い、引用元の取り違えなどが含まれる可能性があります。顧客提出資料、契約、財務、法務、人事、重要な意思決定に利用する場合は、必ず担当者が確認してください。
まとめ
Claudeは、文章を生成するだけでなく、調査、分析、ファイル処理、外部ツール連携、資料作成までを複数工程で実行できるワークフロー型AIエージェントです。
デジタル化・AI導入補助金では、一般には汎P-07として登録されることが多い一方、業務フローを具体的に示すことで、共P-05として登録された実績もあります。
補助金を活用して導入する場合は、「Claudeという製品名」だけで判断せず、登録されているプラン名、プロセス、価格、契約期間、アカウント数を確認することが重要です。
補助金を使ったClaudeの導入費用を確認したい方へ
Claudeをどの業務に導入するかによって、適したプラン、アカウント数、補助金上のプロセスが異なります。自社の業務が対象になる可能性、P-05・P-07の登録状況、補助金を活用した場合の導入費用についてご相談ください。
