Square(スクエア)小売業POSレジ【プラス】は、小売店舗の販売、決済、商品、在庫、仕入先、注文書などをまとめて管理するためのPOSレジシステムです。
店頭で商品を販売すると、決済情報と売上情報が記録され、在庫数にも反映されます。販売後に表計算ソフトへ転記したり、店舗ごとに在庫数を確認したりする作業を減らせる点が特徴です。
今回のITツール登録では、正式な登録プランとして「P1」「P2」「P3」が用意されています。いずれのプランも、受発注、決済、インボイス制度に対応するITツールとして登録されています。
ただし、利用できる機能、契約期間、導入支援、登録価格などはプランによって異なるため、自社の店舗数や運用方法に合わせて選ぶ必要があります。
Square(スクエア)小売業POSレジ【プラス】とは
Square公式の製品名は「リテール向けSquare POSレジ」です。小売店舗向けに、POSレジ、キャッシュレス決済、在庫管理、商品管理、顧客管理、売上分析などの機能を提供しています。
公式のプラスプランには、基本的なPOSレジ機能に加えて、高度な在庫管理、店舗間の商品交換、詳細な小売レポート、バーコードラベル印刷、勤怠管理などが含まれます。料金は1店舗あたり月額6,000円(税込)で、30日間の無料トライアルも用意されています。
今回の記事で扱う「P1」「P2」「P3」は、Square公式の「フリー」「プラス」「プレミアム」とは別に、ITツール登録上の正式なプラン名として設定されたものです。

Square(スクエア)小売業POSレジで解決できる課題
小売店舗では、販売、決済、在庫、発注を別々の方法で管理していることがあります。
たとえば、レジで販売した後に在庫表を手作業で更新している場合、入力漏れや在庫数のずれが起こりやすくなります。複数店舗を運営している企業では、店舗間の在庫状況を電話やメールで確認しなければならないこともあります。
Square小売業POSレジ【プラス】を導入すると、主に次の課題の改善が期待できます。
- レジと在庫管理が分かれている
- 売上情報を表計算ソフトに転記している
- 欠品や過剰在庫を把握しにくい
- 店舗間の在庫移動を管理できていない
- 仕入先への注文書を手作業で作成している
- 売上だけでなく原価や利益率も確認したい
- キャッシュレス決済とPOSレジを連携したい
- インボイス制度に対応したレシートを発行したい
主な機能と課題解決の仕組み
POSレジとキャッシュレス決済
Square POSレジでは、商品を選択し、金額を確定して、そのまま決済処理へ進めます。
Squareの決済端末を組み合わせることで、クレジットカード、タッチ決済、QRコード決済などを受け付けられます。決済結果と売上情報がPOSレジに記録されるため、レジと決済端末の金額を別々に入力する必要がありません。
Square公式では、POSレジと決済端末を同期でき、店頭だけでなく移動先でもキャッシュレス決済を受け付けられると案内しています。
この機能は、デジタル化・AI導入補助金上の「共P-02:決済・債権債務・資金回収」に関係します。
商品・在庫管理
商品名、価格、SKU、バーコードなどの商品情報を登録し、販売に応じて在庫数を更新できます。
在庫数を一覧で確認できるため、担当者が倉庫や売り場を確認してから在庫表を更新する作業を減らせます。既存の商品・在庫情報は一括インポートにも対応しています。
Square公式では、掲載商品数に上限がなく、在庫数の確認、在庫予測、注文書作成、取引先管理などの機能が案内されています。
この機能は「共P-03:供給・在庫・物流」に関係します。
店舗間の在庫移動
複数店舗を運営している場合、店舗ごとの在庫数を確認し、店舗間で在庫を移動できます。
たとえば、A店で在庫が不足し、B店に余剰在庫がある場合、システム上で在庫移動を記録できます。電話やメールだけで調整する場合と比べて、どの商品を、どの店舗から、どこへ移動したかを把握しやすくなります。
プラスプランには、店舗間での商品交換や高度な在庫管理機能が含まれています。
注文書作成と取引先管理
Square小売業POSレジ【プラス】では、仕入先の情報を登録し、在庫補充に必要な注文書を作成できます。
販売状況と現在庫を確認しながら発注業務を進められるため、POSレジから出力した数字を別の発注書へ転記する作業を減らせます。
今回の登録情報では、P1・P2・P3のすべてに受発注機能があるものとして登録されています。インボイス対応類型の受発注機能として、取引先、取引日、取引内容、税率別金額、消費税額などを管理できる前提です。
受発注機能は、補助金上の「共P-02:決済・債権債務・資金回収」に関係します。インボイス対応類型では、注文書の作成だけでなく、仕入明細、請求、売掛・買掛、回収・支払などを含む業務プロセスとして登録内容が審査されます。
売上原価・利益率レポート
売上金額だけでなく、売上原価や利益率を確認できます。
商品ごとの販売数量や売上額だけを見ていると、売れていても利益が残っていない商品を見落とす可能性があります。原価と売上を比較できれば、価格の見直しや仕入数量の判断に活用できます。
Square公式では、日次売上、利益率、売上原価、取引先別売上などのレポート機能が案内されています。
顧客情報と取引履歴の管理
顧客プロフィールと取引履歴を紐づけて管理できます。
どの顧客が、いつ、どの商品を購入したかを確認できれば、再来店時の接客や販売促進に活用しやすくなります。Square公式では、顧客プロフィールの追加や、販売チャネルを横断した取引履歴の管理に対応しています。
顧客情報を単に保存するだけでなく、購買履歴を接客や販促へ活用する場合は「共P-01:顧客対応・販売支援」に関係します。
導入前後の業務フロー
導入前は、レジ、決済端末、在庫表、注文書、売上集計表が別々になっていることがあります。
Square小売業POSレジ【プラス】を導入すると、次のような流れで業務をつなげられます。
- POSレジで販売商品を選択する
- Squareの決済機能で支払いを受け付ける
- 売上情報を記録する
- 販売した商品の在庫数を更新する
- 在庫残数や販売状況を確認する
- 必要に応じて仕入先への注文書を作成する
- 売上原価や利益率をレポートで確認する
販売から在庫、発注、分析までを同じデータで管理することで、転記作業や確認作業の削減が期待できます。
P1・P2・P3プランの違い
今回のITツール登録では、「P1」「P2」「P3」が正式な登録プラン名です。
いずれのプランも、受発注、決済、インボイス制度に対応しています。違いは、利用できる機能の範囲、クラウド利用期間、導入設定、研修、保守サポート、登録価格などです。
| 比較項目 | P1 | P2 | P3 |
|---|---|---|---|
| 正式な登録プラン名 | P1 | P2 | P3 |
| POSレジ | 対応 | 対応 | 対応 |
| キャッシュレス決済 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 受発注 | 対応 | 対応 | 対応 |
| インボイス制度 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 商品・在庫管理 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 顧客・取引履歴管理 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 詳細機能 | 登録内容による | 登録内容による | 登録内容による |
| クラウド利用期間 | 登録料金表を確認 | 登録料金表を確認 | 登録料金表を確認 |
| 導入設定・研修 | 登録料金表を確認 | 登録料金表を確認 | 登録料金表を確認 |
| 保守サポート | 登録料金表を確認 | 登録料金表を確認 | 登録料金表を確認 |
| 登録価格 | 個別見積もり | 個別見積もり | 個別見積もり |
プラン選定では、単純に上位プランを選ぶのではなく、店舗数、管理する商品数、利用期間、必要な初期設定、スタッフへの研修、導入後のサポート範囲を確認することが重要です。

デジタル化・AI導入補助金上の対応
共P-01:顧客対応・販売支援
顧客プロフィール、購買履歴、顧客グループなどを接客や販売促進に活用する機能が関係します。
顧客情報を表示するだけではなく、購買履歴を継続的な販促やアフターケアへ活用できることが重要です。
共P-02:決済・債権債務・資金回収
POSレジによる決済処理、売上管理、注文書、受発注、請求・回収・支払に関係する機能が該当します。
今回の登録情報では、P1・P2・P3のすべてに決済機能と受発注機能があります。
共P-03:供給・在庫・物流
在庫数の管理、在庫履歴、店舗間の在庫移動、棚卸、発注、入出庫に関係する機能が該当します。
Square小売業POSレジ【プラス】では、販売に応じた在庫更新、店舗間の在庫移動、注文書作成などにより、小売店舗の在庫業務を支援します。
その他のプロセス
| プロセス | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 共P-01 | 該当 | 顧客情報・購買履歴の管理と活用 |
| 共P-02 | 該当 | POS決済、受発注、売上・回収管理 |
| 共P-03 | 該当 | 商品、在庫、店舗間移動、発注管理 |
| 共P-04 | 非該当 | Square単体で財務会計を完結するツールではない |
| 共P-05 | 要確認 | 勤怠管理機能はあるが、登録プロセスとの整合確認が必要 |
| 業種固有型P-06 | 要確認 | 小売業向けの複数店舗・在庫機能はあるが、登録上の申告内容を優先 |
| 汎P-07 | 非該当 | レポート機能は主要業務プロセスに付随する機能として整理 |
2026年度の通常枠では、補助額150万円未満は1プロセス以上、150万円以上は4プロセス以上が要件です。インボイス対応類型では、会計・受発注・決済のうち、補助額に応じて必要な機能数が定められています。
受発注・決済・インボイス制度への対応
受発注:対応あり
今回の登録情報では、P1・P2・P3のすべてが受発注機能に対応しています。
仕入先情報、取引内容、注文書、請求・支払に関係する情報を管理し、発注や仕入業務をデジタル化するための機能です。
決済:対応あり
Square POSレジとSquareの決済端末を連携し、店頭でキャッシュレス決済を受け付けられます。
決済結果がPOSレジの売上情報と連動するため、レジ金額と決済金額を別々に入力する作業を削減できます。
インボイス制度:対応あり
今回の登録情報では、P1・P2・P3のすべてがインボイス制度に対応しています。
決済機能では、適格簡易請求書に必要な次の情報を記載したレシートを発行できることが前提です。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称・登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに区分した対価の額と適用税率
- 消費税額
インボイス対応類型の決済機能では、単に外部の決済ページへ移動するだけではなく、ツール内で決済処理を行い、適格簡易請求書を発行できることが求められます。
2026年度のITツール登録では、インボイス制度への対応を確認できる請求書、レシート、元帳などのサンプル資料の提出が求められています。
生成AI・AI技術の搭載状況
Square公式ページには「スマートな在庫予測」という表現がありますが、AIモデルを使用しているか、固定ルールや統計処理による予測かは、公開情報だけでは確認できません。
そのため、公開ページでは次のように整理します。
| 分類 | 判定 | 内容 |
|---|---|---|
| 生成AI | 確認できない | 文章・画像・回答などを生成する機能は公開情報で未確認 |
| 生成AI以外のAI技術 | 要確認 | 在庫予測がAIモデルによるものか未確認 |
| AI以外の技術 | 搭載 | POS処理、クラウド同期、決済連携、バーコード読取、API連携 |
単に「予測」「スマート」と表現されているだけでは、AI技術とは断定しません。生成AIと生成AI以外のAI技術は、ITツール本体で使用するAIモデルの処理内容を確認して分類する必要があります。
Square(スクエア)小売業POSレジの料金
Square公式の料金プランは、フリー、プラス、プレミアムの3種類です。
| 公式プラン | 月額料金 | 主な機能 | 向いている店舗 |
|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | POSレジ、基本在庫管理、商品交換、オンラインストア | POSレジを小さく始めたい店舗 |
| プラス | 1店舗あたり月額6,000円(税込) | 高度な在庫管理、店舗間交換、詳細レポート、バーコードラベル、勤怠管理 | 在庫・仕入・複数店舗管理を強化したい店舗 |
| プレミアム | 個別見積もり | プラス機能、ロイヤルティ、導入設定支援、アカウント管理 | 多店舗・大規模事業者 |
プラスプランは30日間無料で試すことができ、無料期間後は1店舗ごとに月額6,000円(税込)が課金されます。
なお、月額利用料とは別に、決済を受け付けた際の決済手数料が発生します。また、Square リーダー、Square ターミナル、Square スタンド、iPad、バーコードスキャナーなどのハードウェアは、POSレジの月額利用料には含まれていません。
| 登録プラン | 受発注 | 決済 | インボイス | 登録価格 |
|---|---|---|---|---|
| P1 | 対応あり | 対応あり | 対応あり | 個別見積もり |
| P2 | 対応あり | 対応あり | 対応あり | 個別見積もり |
| P3 | 対応あり | 対応あり | 対応あり | 個別見積もり |
補助金申請時には、公式の月額料金だけではなく、登録されたクラウド利用期間、導入設定、研修、保守サポートなどを含めた見積もりを確認してください。
※補助対象や採択を保証するものではありません。対象可否や申請条件は、最新の公募要領、ITツール登録情報および事務局の判断をご確認ください。
導入事例
tokyobike:決済関連業務をまとめて効率化

世界30カ国で展開する自転車メーカーのtokyobikeでは、Square リーダー、Square ターミナル、Square 請求書を利用しています。
Square公式の事例では、導入後は全体の作業時間が約3分の1になったイメージがあると紹介されています。複数の決済・請求手段をSquareでまとめることで、店舗運営に伴う確認や処理の負担を減らした事例です。
Makers’ Base:店舗とオンラインをまとめて管理

会員制シェア工房のMakers’ Baseでは、Square ターミナルとSquare オンラインビジネスを利用しています。
店舗とオンラインの両方をカバーし、一つの仕組みで管理できる点が評価されています。事業形態や販売方法が変化しても、決済と販売情報をまとめて管理しやすい活用例です。
藤井製帽:実店舗と連携したオンラインストアを開設

帽子の製造・販売を行う藤井製帽では、Squareを活用して、実店舗と連携するオンラインストアを約1カ月で立ち上げています。
実店舗とオンライン販売を分けて管理するのではなく、販売チャネルを連携させることで、商品情報や販売業務をまとめやすくした事例です。
mukutou:Instagram販売に決済リンクを活用

ドライフラワー専門店のmukutouでは、Instagramを通じた販売にSquareの決済リンクを活用しました。
Square公式では、検討から導入まで約1週間だった事例として紹介されています。オンライン販売を始める際に、大規模なシステムを一から構築せず、決済方法を用意した活用例です。
※上記はSquare全体の公式導入事例です。各社が今回の登録プランP1・P2・P3を利用した事例であることを示すものではありません。
Square(スクエア)小売業POSレジ【プラス】が向いている企業
Square小売業POSレジ【プラス】は、次のような企業に向いています。
- POSレジとキャッシュレス決済をまとめたい
- 商品数が多く、在庫状況をすぐに確認したい
- 複数店舗の在庫をまとめて管理したい
- 販売状況を確認しながら仕入れや発注を行いたい
- 売上原価や利益率を商品別に確認したい
- 顧客の購買履歴を接客や販促に活用したい
- インボイス制度に対応したレシートを発行したい
- 補助金を活用してPOSレジや決済環境を整備したい
特に、表計算ソフトで在庫や発注を管理し、レジの売上を後から転記している店舗では、業務の一元化による効果が期待できます。
導入前に確認したい注意点
P1・P2・P3の登録範囲
同じSquare小売業POSレジを利用する場合でも、P1・P2・P3によって契約期間、導入支援、研修、保守サポート、価格が異なる可能性があります。
見積書だけでなく、登録プランの機能・役務内訳を確認してください。
決済端末は別途必要
POSレジの月額利用料に、決済端末やiPadなどのハードウェアは含まれていません。
使用する端末、プリンター、バーコードスキャナー、キャッシュドロワーなどを事前に整理する必要があります。
店舗数によって料金が変わる
Square公式のプラスは、1店舗ごとに月額料金が発生します。複数店舗で利用する場合は、店舗数を含めて費用を計算してください。
既存データの整理が必要
既存の商品情報や在庫情報は一括インポートできますが、商品名、SKU、価格、税率、在庫数などを事前に整理しておく必要があります。
補助対象は申請内容によって異なる
ITツールとして登録されていても、申請者の要件、申請する枠・類型、導入時期、契約内容などによって補助対象の可否は変わります。
補助対象や採択は保証されません。最終的には、2026年度の公募要領、ITツール登録要領、登録情報、事務局の判断が優先されます。
よくある質問
Square小売業POSレジはデジタル化・AI導入補助金の対象ですか?
今回のP1・P2・P3は、ITツール登録上の正式なプランです。ただし、登録されていることだけで、すべての企業が補助を受けられるわけではありません。申請者の要件や申請内容を確認する必要があります。
P1・P2・P3の違いは何ですか?
いずれも受発注、決済、インボイス制度に対応しています。利用期間、機能範囲、導入設定、研修、保守サポート、登録価格などが異なるため、正式な料金表と見積もりで比較します。
受発注機能に対応していますか?
はい。P1・P2・P3はいずれも、受発注機能に対応するITツールとして登録されています。
決済機能に対応していますか?
はい。Square POSレジとSquareの決済端末を組み合わせ、店頭でキャッシュレス決済を受け付けられます。
インボイス制度に対応していますか?
はい。今回の登録情報では、P1・P2・P3はいずれもインボイス制度に対応しています。具体的なレシートや帳票の設定は、導入時に確認してください。
決済端末も補助対象になりますか?
申請する枠・類型、登録されたハードウェア、ソフトウェアとの組み合わせによって異なります。Square POSレジの月額利用料に端末代は含まれていないため、見積もりでは別項目として確認してください。
まとめ
Square小売業POSレジ【プラス】は、店舗での販売、キャッシュレス決済、商品、在庫、仕入先、注文書、売上分析をまとめて管理できる小売業向けPOSレジです。
今回の正式な登録プランであるP1・P2・P3は、いずれも受発注、決済、インボイス制度に対応しています。
一方で、各プランの機能範囲、契約期間、導入支援、登録価格は異なります。店舗数、商品数、在庫管理方法、必要な決済端末、導入後のサポートを整理したうえで、適切なプランを選ぶことが重要です。
補助金を活用した場合の導入費用や、自社に合うプランを確認したい場合は、申請前に見積もりをご相談ください。
※補助対象や採択を保証するものではありません。対象可否や申請条件は、最新の公募要領、ITツール登録情報および事務局の判断をご確認ください。
