kintone(キントーン)は、プログラミングの専門知識がなくても、自社の業務に合ったアプリを作成できるクラウド型の業務改善プラットフォームです。
顧客・案件管理、日報、問い合わせ管理、社内申請、採用管理、受発注情報の管理など、Excelや紙、メールで行っている業務をアプリ化できます。情報を一か所に集約し、担当者や処理状況を見える化できることが特徴です。
デジタル化・AI導入補助金では、ノーコード・ローコード型のビジネスアプリ作成やワークフローに関係する、共P-05のITツールとして整理できます。
ただし、今回紹介する登録内容は「インボイス機能なし」です。kintoneで受発注情報を管理できることと、インボイス対応類型の受発注ソフトとして登録されていることは異なります。また、kintone本体には、代金の授受を行う標準的な決済処理機能は確認できません。
本記事では、kintoneの主な機能、料金プラン、P-05との関係、AI機能、決済・インボイス対応、導入事例について解説します。
ツール概要サマリー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式なツール名 | kintone(キントーン) |
| 提供会社 | サイボウズ株式会社 |
| 主な用途 | ノーコード業務アプリ作成、データ管理、ワークフロー、情報共有、集計 |
| 対象企業・部門 | 業種を問わず、営業、総務、人事、経理、情報システム、現場部門など |
| 解決できる課題 | Excel・紙・メールへの情報分散、進捗不明、承認停滞、属人化 |
| 補助金上の主なプロセス | 共P-05 |
| インボイス対応 | 今回の登録内容では、会計・受発注・決済のいずれもなし |
| 決済機能 | kintone本体の標準決済処理は確認できない |
| 生成AI | 搭載。スタンダード・ワイドで利用可能 |
| 生成AI以外のAI技術 | 検索・分析等を行うAI機能を確認 |
| AI以外の技術 | ノーコード、クラウドデータベース、ワークフロー、API、プラグイン |
| 提供形態 | クラウド |
| 価格帯 | 税抜月額1,000円~3,000円/ユーザー |
| 最低利用人数 | ライト・スタンダード10ユーザー、ワイド1,000ユーザー |
| 登録状況 | P-05・インボイスなしで登録されているとの情報を前提。登録番号等は要確認 |
| 情報確認日 | 2026年7月28日 |

kintone(キントーン)とは
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するノーコード・ローコード型のクラウドサービスです。
入力フォーム、一覧画面、検索、集計、コメント、通知、アクセス権限、承認フローなどを組み合わせて、業務に必要なアプリを作成できます。プログラムを一から開発するのではなく、項目を配置して設定するため、現場の担当者が自分たちの業務に合わせて改善しやすい点が特徴です。
例えば、Excelで管理している案件一覧をkintoneへ移行すると、担当者、商談状況、対応履歴、次回予定などを一つのレコードとして管理できます。
また、案件ごとにコメントを残せるため、データとコミュニケーションを同じ場所へ集約できます。メールやチャットをさかのぼって経緯を確認する負担の軽減につながります。
現在の公式サイトでは、kintoneを「AIとノーコード」で業務アプリを作成し、業務データを蓄積できる業務改善プラットフォームとして案内しています。
kintone(キントーン)で解決できる業務課題
Excelや紙に情報が分散している
部署や担当者ごとに別々のExcelファイルを使用していると、どのファイルが最新なのか分からなくなることがあります。
kintoneでは、情報をクラウド上のアプリへ登録し、アクセス権限を持つ利用者が同じデータを確認できます。ファイルをメールで送り合う必要が減り、更新漏れや重複入力の防止につながります。
業務の進捗や担当者が分からない
申請、問い合わせ、案件などをメールや口頭で引き継いでいると、誰が対応しているのか、どこで止まっているのかが見えにくくなります。
kintoneのプロセス管理では、「未対応」「確認中」「承認待ち」「完了」などのステータスを設定できます。担当者と処理状況を同じ画面で確認できるため、対応漏れを防ぎやすくなります。
既製システムが自社の業務に合わない
パッケージソフトでは、不要な機能が多い一方、自社に必要な項目が不足することがあります。
kintoneでは、自社で使う項目や一覧画面を設定できます。業務が変わった場合も、項目や処理フローを見直しながら運用できます。
特定の担当者へ業務が集中している
情報が担当者個人のExcel、メール、記憶に残っていると、休職や退職時の引き継ぎが難しくなります。
kintoneへ対応履歴や判断内容を記録することで、他の担当者も過去の経緯を確認できます。業務の属人化を抑え、組織で対応できる状態を作りやすくなります。
kintone(キントーン)の主な機能
ノーコードで業務アプリを作成
kintoneでは、文字列、数値、日付、選択肢、添付ファイル、担当者などの項目を配置して、業務アプリを作成できます。
顧客・案件管理、日報、問い合わせ管理、採用管理、備品管理、申請管理など、用途に応じたアプリを構築できます。Excelファイルを読み込んでアプリを作成する方法や、サンプルアプリを利用する方法もあります。
導入前は、Excelへの入力、メールでの共有、別ファイルへの集計を個別に行っていた業務を、kintone上の一つのアプリにまとめられます。
情報を一元管理して検索・共有
kintoneへ登録した情報は、レコード単位で保存されます。条件を指定して一覧を作成したり、必要な情報を検索したりできます。
例えば、案件管理では、担当者別、地域別、受注見込み別などの一覧を作成できます。問い合わせ管理では、未対応の案件だけを抽出することも可能です。
レコードにはコメントを書き込めるため、データとやり取りを分けずに管理できます。「この数値が変更された理由」「顧客へどのように回答したか」といった経緯を残せます。
プロセス管理で申請・承認を見える化
プロセス管理は、申請、承認、差し戻し、完了などの業務フローを設定する機能です。
申請者が登録した内容を上長が確認し、必要に応じて別部門へ回すといった流れを作れます。現在の担当者やステータスが表示されるため、処理が止まっている場所を確認できます。
紙の申請書やメール承認から移行することで、申請書の紛失防止や承認状況の確認負担の軽減が期待できます。
集計・グラフで業務状況を可視化
登録されたデータを条件別に集計し、グラフとして表示できます。
売上情報、案件数、問い合わせ件数、処理状況などを集計すれば、報告用のExcelを毎回作り直す作業を減らせます。
ただし、kintoneの集計機能があるからといって、財務会計ソフトになるわけではありません。仕訳、総勘定元帳、試算表、財務諸表を作成する会計機能とは区別する必要があります。
プラグイン・APIで機能を拡張
kintoneは、プラグインや外部サービスとの連携によって機能を拡張できます。
Webフォーム、帳票出力、電子契約、名刺管理、会計ソフトなどと連携することで、kintoneに入力したデータを他の業務でも利用できます。
外部サービス連携やプラグインを利用する場合は、原則としてスタンダードコース以上が候補になります。
なお、連携先のサービスやプラグインは、kintoneとは別の契約・料金になる場合があります。補助金の対象として申請する場合も、kintone本体とオプション、連携サービスを分けて確認する必要があります。
kintone AIで検索・要約・アプリ作成を支援
現在のkintoneには、検索AI、アプリ作成AI、プロセス管理設定AI、スレッド要約AI、レコード一覧分析AI、アプリ設定レビューAIなどが案内されています。
例えば、アプリ作成AIでは、作りたい業務アプリの内容を文章で指示し、構成案の作成を支援できます。スレッド要約AIでは、投稿されたやり取りを要約できます。
これらは、新しい文章、要約、設定案、分析結果などを出力するため、生成AIを含む機能として整理できます。
一方、AIの出力が常に正しいとは限りません。アプリの設定、要約内容、分析結果は、利用者が元データと照合して確認する必要があります。
公式サイトでは、kintone AIが顧客データをAIモデルの学習に使用しないと案内されています。また、kintone AIはスタンダードコースまたはワイドコースで利用でき、コースごとにAIクレジットの上限が異なります。
kintone(キントーン)導入前後の業務フロー
導入前
- 担当者がExcelへ情報を入力する
- ファイルをメールや共有フォルダで送る
- 上司が内容を確認して返信する
- 担当者が別の管理表へ転記する
- 月末に複数のファイルを集計する
導入後
- 担当者がkintoneアプリへ情報を登録する
- 担当者や承認者へ通知する
- 設定したプロセスに沿って確認・承認する
- 対応履歴や変更内容をレコードへ残す
- 登録データを一覧やグラフで集計する
kintoneを導入するだけで業務が自動的に改善するわけではありません。誰が入力するのか、どの段階で承認するのか、どの情報を必須にするのかを決めることが重要です。
kintone(キントーン)のデジタル化・AI導入補助金上の対応
kintoneは共P-05として整理できる
今回紹介するkintoneは、デジタル化・AI導入補助金の共P-05に登録されていることを前提とします。
共P-05には、総務、人事、労務、教育訓練、法務、情報システム、統合業務などに関係する機能が含まれます。
kintoneの場合、特に次の機能がP-05との関係を説明しやすい要素です。
- ノーコード・ローコードによるビジネスアプリ作成
- 入力フォームの作成
- 社内申請・承認のワークフロー
- 担当者とステータスの管理
- データの集計・可視化
- アクセス権限の設定
- 社内業務データの一元管理
顧客管理や受発注管理にも利用できますが、今回の登録内容がP-05のみである場合、P-01やP-02にも登録されているツールであるかのような説明は避ける必要があります。

インボイス機能なしで登録
今回のkintoneは、インボイス対応類型の「会計」「受発注」「決済」を付けず、インボイス機能なしで登録されていることを前提とします。
kintoneで受注日、発注先、商品、金額、対応状況などを管理するアプリは作成できます。しかし、業務情報を管理できることと、インボイス対応類型の受発注ソフトとして登録されることは同じではありません。
インボイス対応の受発注機能には、登録番号、取引日、取引内容、税率ごとの金額、消費税額、取引先名など、適格請求書に必要な情報を管理する機能が求められます。
今回の登録内容では、これらの機能をインボイス対応機能として申告していないため、「kintoneはインボイス対応ツール」とは説明しません。
kintone本体に標準決済機能はない
kintone本体には、クレジットカード、QRコード、現金などによる代金の授受を処理する標準決済機能は確認できません。
外部の決済サービスや連携ツールと組み合わせられる場合でも、それはkintone本体の決済機能とは区別します。
外部サービスへリンクできることや、決済結果をkintoneへ記録できることだけを理由に、「決済機能あり」とは判断できません。
kintone(キントーン)の料金プラン
kintoneには、ライトコース、スタンダードコース、ワイドコースの3種類があります。公式料金はすべて税抜で、初期費用は無料です。月額契約と年額契約が用意され、30日間の無料お試しも案内されています。
| プラン | 月額料金 | 年額料金 | 最低利用人数 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ライトコース | 1ユーザー月額1,000円 | 1ユーザー年額12,000円 | 10ユーザー | 基本的なアプリ作成とデータ管理 |
| スタンダードコース | 1ユーザー月額1,800円 | 1ユーザー年額21,600円 | 10ユーザー | 外部連携、プラグイン、kintone AIに対応 |
| ワイドコース | 1ユーザー月額3,000円 | 1ユーザー年額36,000円 | 1,000ユーザー | 大規模組織向け。kintone AIに対応 |
基本的な台帳管理や申請管理だけであれば、ライトコースも候補になります。
一方、帳票出力、Webフォーム、外部サービスとのデータ連携、プラグイン、kintone AIを利用したい場合は、スタンダードコース以上を検討する必要があります。
補助金を利用する場合は、公式サイトに掲載されているすべてのプランが自動的に対象になるわけではありません。登録されている正式なプラン名、利用人数、利用期間、販売価格を確認してください。
補助金を使ったkintoneの導入費用を確認したい方へ
自社の業務がP-05に該当するか、どの料金コースや利用人数が適しているか、導入設定や運用支援を含めた費用について確認したい方はお問い合わせください。
補助対象や採択を保証するものではありません。対象可否や申請条件は、最新の公募要領、ITツール登録情報および事務局の判断をご確認ください。
kintone(キントーン)の導入事例
株式会社久世|蓄積した業務データをAIで活用
業務用食材卸売を行う株式会社久世では、kintoneへ蓄積した業務データとAIを組み合わせて活用しています。
公式サイトでは、業務改善によって蓄積したデータを活用し、1,000時間の削減と成約率85%を実現した事例として紹介されています。
重要なのは、AIを導入する前に、業務データを継続的に記録できる仕組みを作っている点です。kintoneをデータの蓄積基盤として利用することで、その後の検索や分析、AI活用へつなげています。

北陸電力株式会社|ワークフローをグループ全体へ展開
北陸電力株式会社では、ワークフローを起点にkintoneを導入し、本社とグループ18社、約7,000人へ展開しています。
公式サイトでは、年間3万時間の業務削減を実現した事例として紹介されています。
申請・承認業務を個別の紙やExcelで管理するのではなく、共通の業務基盤へ移行した事例です。kintoneのP-05に関係するワークフロー機能を説明するうえで参考になります。

株式会社小田防災|現場ノウハウを共有
消防設備に関する業務を行う株式会社小田防災では、現場に蓄積されていたノウハウをkintoneで共有しています。
公式サイトでは、売上2倍、管理物件数5倍につながった事例として紹介されています。
特定の担当者しか把握していなかった現場情報を記録し、組織で共有できる状態を作ったことが特徴です。担当者への依存を減らし、他の社員が対応できる体制づくりにつながっています。

株式会社プロサス|20年以上続いたExcel運用から移行
株式会社プロサスでは、長年続いていたExcel中心の案件管理からkintoneへ移行しています。
公式サイトでは、案件管理を起点に全社DXを進め、部門売上が2倍になった事例として紹介されています。
単にExcelをクラウドへ置き換えるのではなく、案件情報を共通化し、部門間で活用できる仕組みへ変更した事例です。

kintone(キントーン)が向いている企業
- Excelや紙の管理表が増え、最新情報が分からなくなっている
- 案件、申請、問い合わせなどの進捗を見える化したい
- 自社独自の業務に合うパッケージソフトが見つからない
- 大規模な個別システム開発を行わず、現場で改善したい
- 複数の担当者や部門で同じ情報を共有したい
- 将来的に外部サービスやAIと連携したい
一方、法令や業界制度に対応した専門的な処理を最初から備えたソフトが必要な場合は、専用システムのほうが適していることがあります。会計、給与計算、税務申告、決済などは、kintoneだけで完結させるのではなく、専門ソフトとの役割分担を検討してください。
導入前に確認したい注意点
業務フローを整理してからアプリを作る
現在のExcelをそのままkintoneへ移すだけでは、不要な入力や重複作業が残る可能性があります。
誰が、いつ、何を入力し、誰が確認し、完了後にどこへ保存するのかを整理してからアプリを設計することが重要です。
アプリを増やしすぎない
現場ごとに自由にアプリを作成すると、似たアプリが増え、どれを使えばよいのか分からなくなることがあります。
アプリの作成権限、命名ルール、管理責任者、廃止手順を決める必要があります。
プランによる機能差を確認する
ライトコースでは、プラグインや外部サービス連携、kintone AIなどに制限があります。
将来的な連携まで見込む場合は、初期費用だけでなく、運用開始後に必要になる機能を確認してプランを選びましょう。
外部サービスの費用を確認する
Webフォーム、帳票出力、電子契約などを追加する場合、別途プラグインや連携サービスの利用料金が発生することがあります。
kintone本体の料金だけで、希望する業務がすべて実現できるとは限りません。
AI出力を人が確認する
kintone AIが作成した要約、分析、アプリ設定案には、誤りや不足が含まれる可能性があります。
重要な判断、顧客対応、承認フロー、権限設定などは、必ず担当者や管理者が確認してください。
よくある質問
kintoneはデジタル化・AI導入補助金の対象ですか?
今回紹介するkintoneは、共P-05、インボイス機能なしで登録されていることを前提としています。ただし、対象となる正式なプラン名、利用人数、利用期間、価格は登録内容によって異なります。契約前に、最新のITツール検索と登録情報をご確認ください。
kintoneはどのプロセスに該当しますか?
主に、ノーコード・ローコードによる業務アプリ作成やワークフローに関係する共P-05として整理できます。顧客管理、受発注管理、在庫管理などにも利用できますが、利用できる用途と、補助金上で登録されているプロセスは同じとは限りません。
kintoneはインボイス制度に対応していますか?
今回の登録内容は「インボイス機能なし」でした。受発注情報や金額を管理するアプリを作成できても、それだけでインボイス対応類型の受発注ソフトになるわけではありません。
kintoneに決済機能はありますか?
kintone本体には、代金の授受を行う標準的な決済処理機能は確認できません。外部決済サービスとの連携が可能な場合でも、kintone本体の決済機能とは区別して確認する必要があります。
ライトコースとスタンダードコースの違いは何ですか?
ライトコースは、基本的なアプリ作成やデータ管理を中心に利用するプランです。スタンダードコースでは、プラグイン、外部サービス連携、kintone AIなどを利用できます。本格的な業務連携や機能拡張を予定している場合は、スタンダードコースが候補になります。
まとめ
kintoneは、Excel、紙、メールに分散している業務情報を集約し、自社に合った業務アプリやワークフローを構築できるクラウドサービスです。
デジタル化・AI導入補助金では、ノーコード・ローコード型のアプリ作成、申請・承認、データ共有などを根拠に、共P-05との関係を説明できます。
一方、今回の登録内容はインボイス機能なしです。受発注情報を管理できることや、外部サービスと連携できることだけを理由に、会計・受発注・決済のインボイス対応ツールとは説明できません。
補助金を活用して導入する場合は、登録されているコース、利用人数、契約期間、価格、AI機能、オプションの範囲を確認したうえで、自社の業務フローに合った構成を検討してください。
補助金を使ったkintoneの導入費用を確認したい方へ
自社の業務がP-05に該当するか、どの料金コースや利用人数が適しているか、導入設定や運用支援を含めた費用をご相談ください。
補助対象や採択を保証するものではありません。対象可否や申請条件は、最新の公募要領、ITツール登録情報および事務局の判断をご確認ください。
