顧客情報をExcelで管理している、商談状況が営業担当者ごとに分かれている、過去の対応履歴を探すのに時間がかかる。こうした営業管理の課題をまとめて改善できるツールの一つが「Zoho CRM」です。
▶ あわせて読みたい:デジタル化・AI導入補助金とは?対象者や補助額、申請の流れを解説
Zoho CRMでは、見込み客・顧客・商談・営業活動を一元管理できるほか、営業業務の自動化、メール連携、レポート、AIなども利用できます。
この記事では、中小企業の経営者・営業責任者・担当者向けに、Zoho CRMの主な機能、料金、Salesforce・HubSpot・kintoneとの違い、さらにデジタル化・AI導入補助金2026の登録内容まで解説します。
料金・機能は2026年9月20日時点の公式情報を基準にしています。プラン内容は変更される場合があるため、契約時には最新情報を確認してください。
Zoho CRMとは?顧客・商談・営業活動をまとめて管理するCRM
Zoho CRMは、顧客との関係や営業活動を一元管理するCRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援)ツールです。
見込み客、連絡先、取引先、商談などを同じシステム上で管理できるため、「誰が、どの会社と、何を話し、商談がどこまで進んでいるか」を社内で共有しやすくなります。
Zoho公式でも、見込み客・連絡先・商談の基本管理は無料プランを含む各プランで利用できると案内されています。
Excelや個人のメールボックスで営業情報を管理している企業では、情報が担当者に集中しやすくなります。CRMに情報を集めることで、担当者が休んだ場合や退職した場合でも、顧客対応の経緯を確認しやすくなります。

Zoho CRMの主な機能
見込み客・商談・顧客情報の一元管理
見込み客、取引先、担当者、商談、活動履歴などを関連付けて管理できます。
たとえば「問い合わせが入った見込み客」を登録し、商談化したら案件として進捗を管理し、受注後は顧客として継続的に情報を蓄積するといった使い方ができます。
営業活動を自動化
Zoho CRMでは、ワークフローやケイデンスなどを使って営業業務を自動化できます。
スタンダードではワークフローやケイデンス、プロフェッショナル以上では営業プロセスを標準化する「ブループリント」なども利用できます。
「商談ステータスが変わったら担当者へ通知する」「一定期間連絡していない顧客へのフォローを促す」といった運用に活用できます。
メールと顧客情報を連携
顧客情報とメールのやり取りを関連付けて管理できるため、過去の連絡を探す手間を減らせます。
担当者個人のメールだけに履歴を残さず、CRMを中心に営業情報を管理することで、引き継ぎもしやすくなります。
レポート・ダッシュボード
Zoho CRMでは、CRMに登録されたデータを使って営業レポートやダッシュボードを作成できます。
商談状況、売上、営業活動などを可視化できるため、経営者や営業責任者が「今月どの案件を重点的に追うべきか」を判断する材料になります。
モバイルアプリ
モバイルアプリにも対応しており、外出先から顧客情報やタスクを確認できます。営業担当者が訪問先から情報を確認・更新したい会社にも向いています。
AIアシスタント「Zia」
Zoho CRMにはAIアシスタント「Zia」があります。
プランによって利用できる機能は異なりますが、予測、スコアリング、レコメンドなどを営業活動の支援に利用できます。公式のプラン比較ではプロフェッショナルは一部のZia AI機能、エンタープライズ以上ではより幅広いZia AI機能に対応しています。
なお、Zoho CRMにAI機能があることと、デジタル化・AI導入補助金上の「AI区分」は別です。補助金については後ほど詳しく説明します。
Zoho CRMの料金|無料+4つの有料プラン
2026年9月20日時点でZoho公式サイトに掲載されている年間契約時の月額換算料金は次のとおりです。いずれも税抜・1ユーザーあたりです。
| プラン | 月額換算 | 主な位置づけ |
|---|---|---|
| 無料 | 0円 | 3ユーザーまで |
| スタンダード | 1,760円 | 基本的なCRM・営業管理 |
| プロフェッショナル | 3,260円 | 営業プロセスの本格管理 |
| エンタープライズ | 5,660円 | Zia・高度な管理やカスタマイズ |
| アルティメット | 7,360円 | AI・分析・各種上限をさらに拡張 |
無料プランは3ユーザーまで利用でき、基本的な顧客管理やモバイルアプリなどが利用できます。
まず小規模に顧客管理を始めるなら無料版やスタンダード、営業フローまで仕組み化したいならプロフェッショナル、高度なAIやカスタマイズまで利用したい場合はエンタープライズ以上、という考え方で比較すると分かりやすいでしょう。
Salesforce・HubSpot・kintoneとの違い
CRMを選ぶときは料金だけではなく、「何を中心に改善したいか」を比較することが重要です。
| ツール | 主な特徴 | 選ぶ際の視点 |
|---|---|---|
| Zoho CRM | CRM/SFA、自動化、AIを幅広く搭載 | 機能と費用のバランス |
| Salesforce | CRMを中心にAI・分析・関連製品まで幅広く展開 | 高度な拡張性や大規模運用 |
| HubSpot | マーケティング・営業・顧客対応を同じ顧客データで連携 | マーケティングとの一体運用 |
| kintone | AIとノーコードで業務アプリを構築 | CRM以外の業務も含めた柔軟なアプリ化 |
Salesforceは営業活動・AI・分析などを統合した営業プラットフォーム、HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサービスを同じ顧客データでつなぐプラットフォームとして展開しています。kintoneは顧客・案件管理だけでなく、ノーコードでさまざまな業務アプリを作れる点が特徴です。
どれが適しているかは、営業管理を中心にしたいのか、マーケティングまで統合したいのか、社内業務全般をアプリ化したいのかによって変わります。
Zoho CRMはデジタル化・AI導入補助金2026の対象?

Zoho CRMは、デジタル化・AI導入補助金2026のITツールとして4プランが登録されています。
ここで注意したいのが、公式サイトで販売されている現在の料金と、補助金に登録されているITツールの価格・登録内容を混同しないことです。
補助金上の登録価格は、4プランで20,160円~74,880円(税抜)です。
| プラン | 登録プロセス | インボイス制度対応 | AI区分 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 共P-01 | いいえ | なし |
| プロフェッショナル | 共P-01・共P-03 | はい | なし |
| エンタープライズ | 共P-01・共P-03 | はい | 生成AI以外のAI技術 |
| アルティメット | 共P-01・共P-03 | はい | 生成AI以外のAI技術 |
共P-01は「顧客対応・販売支援」、共P-03は「調達・供給・在庫・物流」です。
プロフェッショナル以上では共P-01に加えて共P-03にも登録されています。
また、スタンダードはインボイス制度対応「いいえ」、プロフェッショナル以上は「はい」と登録されています。ただし、インボイス制度対応「はい」だからインボイス枠を利用できる、という意味ではありません。
今回のZoho CRM登録内容は、インボイス枠で求められる「会計」「受発注」「決済」のいずれのソフトにも該当しないため、基本的には通常枠での申請を前提に検討します。
AI区分についても注意が必要です。スタンダードとプロフェッショナルは「なし」、エンタープライズとアルティメットは「生成AI以外のAI技術」として登録されています。
つまり、Zoho CRM自体にZiaなどのAI機能があっても、すべての補助金登録プランがAI区分に該当するわけではありません。
また、公式サイトの現在価格と補助金登録価格は異なります。申請時には、登録されているITツール、対象経費、契約期間、申請枠などを必ず確認してください。補助金の登録や採択は、事務局の最新情報・公募要領・審査結果が優先されます。
Zoho CRMが向いている企業と導入前の注意点
Zoho CRMは、特に次のような企業で検討しやすいCRMです。
- Excelで顧客や商談を管理している
- 営業情報が担当者ごとに分散している
- 商談の進捗を経営者・営業責任者が把握したい
- メールや営業履歴を顧客ごとに残したい
- 定型的な営業作業を自動化したい
一方で、CRMは導入しただけでは定着しません。
「何を入力するか」「誰が入力するか」「商談ステータスをどう分けるか」「経営者がどの数字を見るか」を先に決めておくことが重要です。
最初から多くの機能を使おうとせず、まず顧客・商談・活動履歴など必要な情報から運用を始めると定着しやすくなります。
Zoho CRMに関するよくある質問
Zoho CRMは無料で使えますか?
はい。3ユーザーまで利用できる無料プランがあります。基本的な顧客管理やモバイルアプリなどを利用できます。
Zoho CRMの料金はいくらですか?
2026年9月20日時点では、年間契約の月額換算でスタンダード1,760円、プロフェッショナル3,260円、エンタープライズ5,660円、アルティメット7,360円/ユーザー・税抜です。料金は変更される可能性があるため最新情報をご確認ください。
Ziaはどのプランで使えますか?
Ziaの利用範囲はプランによって異なります。公式比較ではプロフェッショナルは一部機能、エンタープライズ以上ではより幅広いZia AI機能に対応しています。
Zoho CRMはデジタル化・AI導入補助金2026を使えますか?
4プランがITツールとして登録されています。ただし、申請すれば必ず補助されるわけではありません。対象ツール、申請枠、対象経費、契約時期などを申請前に確認してください。
Salesforce・HubSpot・kintoneとの違いは?
Zoho CRMはCRM/SFAを中心に営業自動化やAIまで利用できるのが特徴です。一方、各サービスは対象業務や拡張方法が異なるため、自社が「営業管理」「マーケティング」「業務全般のアプリ化」のどこを優先するかで比較すると選びやすくなります。
まとめ|Zoho CRMは料金だけでなく運用と補助金登録内容まで比較しよう
Zoho CRMは、見込み客・商談・顧客情報をまとめて管理し、営業自動化、メール連携、レポート、モバイル、AIなどを利用できるCRM/SFAです。
3ユーザーまでの無料プランがあり、有料版も4プランから選べます。
ただし、補助金を利用する場合は、一般販売されているプランの機能だけを見るのではなく、補助金に登録されているプラン、プロセス、AI区分、対象経費まで確認することが重要です。
—
導入・補助金活用のご相談
Zoho CRMはプランによって料金だけでなく、利用できる機能や補助金上の登録プロセス・AI区分も異なります。
「自社ならどのプランが合うのか」「デジタル化・AI導入補助金2026を活用できる可能性があるか」を確認したい方は、導入前にご相談ください。
