出産後の復職を周囲が理解しているか
内閣府のデータによると、1980年の調査開始から1990年までは、共働き世帯が増加の一途をたどり、それ以降は横ばいとなりました。しかし、2005年あたりから再び共働き世代が増加に転じつつあります。
世代間ギャップ
共働き世帯の推移をグラフで見た通り、40年前までは夫が就労し、妻は専業主婦という世帯が大半だったため、子育てをしながら働きに出る「共働き」という考え方に理解に苦しむ世代がいることは確かでしょう。
一人で子育てに奮闘してきた母親からすると「妻子も養えないのかと思われて、みっともない」「大した仕事をしているわけでもないのに」「男が育児の話をするなんて」「出世に響くのでは」という考え方を持つ人もいるようです。
2018年のデータでは、18歳未満の子供がいる世帯のうち、母親が就労している世帯は7割強であるとされています。将来を見据えたとき、世帯主のみの収入では経済的に不安を感じる世帯が増加し、子供がいる場合でも妻がパートなどで家計を補助する必要があると考える世帯が増えているということでしょう。
夫婦間ギャップ
女性の社会進出、男性の育休取得などの話題を耳にする機会は増えていますが、依然として「女性は家庭、男性は仕事」という考え方は根強く残っています。 共働き夫婦の家事の分担に関する意識調査では、 家事分担割合の夫の自己申告34%に対し、妻は21%という認識に差があったことがわかりました。さらに、夫の家事のやり方に不満を持ち、家事をやり直す妻が33%いるそうです。
産後、妻が夫に求めることとしての1位は「子どもともっと遊んでほしい」2位「帰宅時間を早めてほしい」3位「子どものお世話をもっとしてほしい」ですが、夫が求められていると思う1位は「妻の話をもっと聞くこと」2位「妻の悩み・課題を解決してあげること」3位「妻の行動を褒めること」と、妻の求める行動とは大きなギャップがあることが明らかとなりました。
子育て中の男性に、熱を出しやすいかったり、第一反抗期といわれる幼児期の子育てが大変だという認識があっても、中には「小学生になれば子育ては楽になる」「小学校に入るまでの辛抱」と間違った考えを持つ男性もいるようです。しかし、より仕事と子育ての両立がしづらくなる「小1の壁」という大きな問題があり、小学校入学を境に転職や退職を考える女性が少なくないのです。
小学校は下校時間が早いので、共働き世帯では放課後児童クラブを利用することが多いのですが、放課後児童クラブは保育園よりお迎えの時間が早いのです。また、夏休みなどの長期の休み期間中も毎日放課後児童クラブに通わせることになり、お弁当作りや提出物のサポートなどが必要になります。さらに、PTA関係の仕事が回ってきたり、子供の友人関係など、小学校入学後には幼児期とは違った新たな壁と向き合うことになります。
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