物流の2024年問題をきっかけに、運輸業・郵便業や倉庫業では「ドライバーを増やす」だけでは解決できない構造的な課題が表面化しています。
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限られた人員で輸送能力を維持するには、トラックが走っている時間だけでなく、受注、仕分け、ピッキング、荷役、荷待ち、配車、港湾手続き、請求まで含めて物流全体の生産性を高めることが必要です。
国土交通省は「物流DX」について、単なるデジタル化や機械化ではなく、それによってオペレーションを改善し、働き方を変え、物流産業のビジネスモデルそのものを革新していく取り組みとして推進しています。
すでに物流現場では大きな成果も出ています。佐川グローバルロジスティクスの東松山SRCでは、次世代型ロボットソーター「t-Sort」とRFIDシステムを導入し、仕分け作業に必要な人員を27%削減しました。Cyber Portでは、港湾物流手続きの電子化とデータ連携によって、実証事業で手続き時間を20〜60%程度削減する効果が確認されています。
一方で、中小運送会社がいきなりロボットやAI配車を導入すればよいわけではありません。電話受注、紙伝票、Excel、ホワイトボード、手作業による運賃照合や請求が残っている会社では、まず受注情報・車両・運転者・配送先・運賃・請求を一つのデータ系列としてつなぐことが物流DXの出発点です。
この記事では、物流2024年問題を克服するために、運輸業・倉庫業がどのような順序でIT・AI・DXを進めればよいのか、実際の導入事例とともに解説します。
物流2024年問題で運輸業・倉庫業にDXが必要な理由
ドライバーだけでなく物流全体の生産性を上げる必要がある
物流2024年問題とは、2024年4月から自動車運転業務にも時間外労働の上限規制が適用されたことなどを背景に、従来と同じ働き方では輸送能力を維持しにくくなった問題です。
重要なのは、問題を「ドライバー不足」だけで捉えないことです。ドライバーが倉庫前の荷待ちや荷役待ちに長時間を使えば、実際に荷物を運べる時間が減ります。倉庫でも、仕分けや検品を人手だけで行い、入荷予定が直前まで分からない状態では、生産性は上がりにくくなります。
- 倉庫内作業を減らす
- トラックの荷待ちを減らす
- 配車作業を短縮する
- 紙への転記を減らす
- 誤配送や請求ミスを減らす
- 車両の積載率を高める
物流2024年問題へのDX対策では、こうした改善を積み重ね、限られた人と車両で処理できる物流量を増やすことが重要です。
国土交通省が推進する「物流DX」とは
物流DXという言葉から、AI配車やロボット倉庫をイメージする方も多いでしょう。しかし、物流DXは単なるITツール導入よりも広い概念です。
紙の配車表をExcelに変更しても、受注担当者が電話内容をExcelへ入力し、そのExcelを見ながら配車担当者が別のシステムへ再入力しているのであれば、業務構造は大きく変わっていません。物流DXで目指したいのは、受注した情報が、そのまま配車・倉庫・運賃計算・請求まで流れる状態です。
運輸・倉庫業の生成AI活用率は27.5%
帝国データバンクが2026年3月17日〜31日に実施した調査では、生成AIを業務で「活用している」企業は全体で34.5%でした。一方、業界別では「運輸・倉庫」が27.5%となっており、全体平均を下回っています。
ただし、この数字を「物流業界はDXが遅れている」と単純に捉えるべきではありません。物流では、倉庫の仕分けにはロボット、荷待ち削減にはバース予約、商品識別にはRFIDなど、生成AI以外の技術も重要だからです。物流DXでは「IT+データ+ロボット+AI」を業務ごとに組み合わせて考える必要があります。

物流DXで変わる4つの業務
1.仕分け・ピッキングをロボットで省人化する
倉庫の仕分け業務は、物流DXによる効果を得やすい領域の一つです。従来は作業者が商品を確認し、指定された場所まで運び、配送先や店舗別に分けていきます。物量が増えれば必要な人員も増えます。
そこで利用されているのが、自律的に移動する搬送ロボットやロボットソーターです。例えば「t-Sort」は無人搬送車によって商品を運び、少人数・短時間で大量の仕分けを行う仕組みです。固定式の大型ソーターと異なり、物量に応じてロボット台数を調整しやすい点が特徴です。
2.RFIDで商品確認・検品を効率化する
RFIDは、商品などに付けたICタグを電波によって読み取る仕組みです。バーコードでは一つずつ読み取る作業が必要になる場面がありますが、RFIDを活用することで入力や確認工程を減らせる場合があります。
佐川グローバルロジスティクスの東松山SRCでは、t-SortとRFIDシステムを組み合わせ、従来のハンディターミナル操作を簡略化しました。その結果、新規就労者の早期戦力化につながり、操作習得に必要だった教育時間を約7割削減したと公表されています。
3.バース予約システムでトラックの荷待ちを減らす
バースとは、物流センターや倉庫でトラックが接車し、荷物を積み降ろしする場所です。従来は「到着した順番に受付する」「電話で到着を確認する」「空くまで近くで待ってもらう」といった運用が多く、特定時間にトラックが集中すると荷待ちが発生します。
MOVO Berthのようなバース予約・受付システムでは、到着予定を事前に共有できるため、車両の集中を分散しやすくなります。倉庫側も予約情報から、何時に何台来るのか、どの荷物を準備するのか、どのバースを使うのか、何人配置するのかを事前に考えられます。
4.Cyber Portで港湾物流手続きをデータ連携する
Cyber Portは、紙・電話・メールなどで行われてきた民間事業者間の港湾物流手続きを電子化し、業務効率化と港湾物流全体の生産性向上を目的とするプラットフォームです。国土交通省港湾局が構築を進め、2021年4月1日から第一次運用が開始されました。
港湾物流では、荷主、海貨業者、船会社、ターミナル、倉庫、運送会社など多くの関係者が情報をやり取りします。Cyber Portでは帳票データを連携し、前工程ですでに入力された情報を後工程でも利用することで、再入力や照合作業を減らします。
「重複項目の自動反映によって入力を約70%省略できる」と紹介されることもありますが、今回確認した国土交通省・Cyber Portの一次資料では、入力作業削減の仕組みそのものは確認できる一方、「70%」という一律の入力削減率までは確認できませんでした。一方、公式の実証結果としては、API連携を行った事業者について港湾物流手続き時間を20〜60%程度削減したことが確認されています。
【事例1】t-SortとRFIDで仕分け人員を27%削減
物流DXによる省人化の具体例として分かりやすいのが、佐川グローバルロジスティクスの東松山SRCです。同拠点では繁閑差が大きく、大型固定ソーターを導入してもコストに見合わず、人による仕分けを中心にしていました。そこで導入されたのが、次世代型ロボットソーター「t-Sort」です。
35台のt-Sortを導入
東松山SRCではt-Sortを35台導入しました。t-Sortは物量に合わせて稼働するロボット台数を変更できるため、固定式の大型設備と比較して柔軟に運用できます。
その結果、佐川グローバルロジスティクスは、ヒューマンエラーによる誤発送の撲滅と、仕分け作業に必要な人員を27%削減したと公表しています。仕分け作業から生まれた人員を作業負荷の大きい出荷工程へ振り替えることで、物流センター全体の作業時間短縮にもつなげています。
物流DXの目的は単純に「人を減らすこと」ではありません。機械に任せられる工程を機械へ移し、人をより価値の高い工程へ再配置することが重要です。
RFIDによって教育時間も約7割削減
同拠点ではRFIDシステムも組み合わせています。従来はハンディターミナルを使った出荷作業に複雑な操作が必要でした。RFIDによって入力作業を簡略化した結果、操作習得に必要な教育時間が約7割削減されました。
さらに、人による1時間当たりの仕分け作業と比較して、出荷作業では1.32倍、返品作業では4.43倍の生産性向上が公表されています。物流ロボット導入では「何人削減できるか」だけでなく、処理能力、誤発送、教育時間、必要スペース、繁忙期への対応力まで含めて評価することが重要です。

【事例2】バース予約でトラックの荷待ちを削減
物流2024年問題を考えるうえで避けて通れないのが荷待ち時間です。ドライバーが倉庫へ到着しているにもかかわらず、荷役開始まで長時間待つ状態では、輸送に使える時間が減ってしまいます。そこで活用されるのがMOVO Berthなどのバース予約・受付システムです。
車両が集中する原因は「予定が共有されていないこと」
アナログ管理では、「朝一番にトラックが集中する」「どの車両が何時に来るか直前まで分からない」「前の荷役が遅れて次の車両が待たされる」といった問題が発生します。バース予約システムによって到着予定を事前にデータとして共有すれば、車両の集中を分散できます。
倉庫側の人員配置も変えられる
バース予約の効果は荷待ち削減だけではありません。例えば翌日、9時に3台、10時に6台、11時に2台来ることが分かっていれば、10時前後だけ荷役要員を厚く配置できます。入荷予定商品が事前に分かれば、保管場所や作業順序を準備することもできます。

【事例3】Cyber Portで港湾物流手続きを最大60%短縮
海運・港湾物流では、荷物そのものより先に大量の情報が動きます。しかし、これまでの港湾物流では、紙、電話、FAX、メール、Excelなどによって情報を交換する場面が多く残っていました。Cyber Portは、その情報を電子化し、事業者間でつなぐための基盤です。
一度入力した情報を後工程でも使う
従来の物流では、荷主が入力し、海貨業者が再入力し、船会社やターミナルでも再入力するといったことがあります。Cyber Portでは、データ連携によって再入力や照合作業を削減できます。API連携を利用すれば、自社システムとCyber Portの間で帳票を作成・更新・取り込むこともできます。
港湾物流手続き時間を20〜60%削減
実証事業ではCyber Portの利用によって、書類作成・送信、データ取得・再入力、問い合わせなどに要する時間が20〜60%程度削減されました。最大60%という数字だけを見ると「入力が速くなった」という話に見えますが、本質は、同じ情報を何度も入力しない、何度も問い合わせない、何度も照合しない仕組みに変えたことです。

中小運送会社はAI配車の前に「物流データ」をつなぐ
物流DXという言葉を聞いて、「AI配車を導入しよう」「生成AIを使おう」と考える経営者もいるかもしれません。しかし、電話受注、紙伝票、Excel配車、手作業での運賃確認が残っている状態で、いきなりAIを入れても十分な効果を得にくいでしょう。AIが判断するためには、まず判断材料となるデータが必要だからです。
ステップ1|受注情報をデータ化する
最初に取り組むべきなのは受注です。電話で受けた内容を担当者が紙へ書き、その後に配車表、運賃管理、請求システムへ何度も転記しているなら、まず一度入力した情報を後工程で再利用できるようにします。
- 荷主
- 集荷先
- 配送先
- 集荷日時
- 納品日時
- 荷物情報
- 重量・数量
- 車両条件
- 運賃条件
こうした情報をデータとして管理することが、物流DXの土台になります。
ステップ2|TMS・WMSをつなぐ
TMSは輸配送管理システム、WMSは倉庫管理システムです。受注情報から配車、倉庫出庫、配送実績、運賃計算、請求までデータをつなげれば、転記作業を大きく減らせます。重要なのは高価なシステムを導入することではなく、「同じ情報を何回入力しているか」を確認することです。
ステップ3|物流状況を可視化する
- どの車両が空いているか
- どこに車両がいるか
- どの便の積載率が低いか
- どこの倉庫で荷待ちが発生しているか
- どの顧客で赤字運行が発生しているか
- 配車に毎日何分かかっているか
これらを把握できる状態になると、経営者も「どの業務をAI化すれば効果があるか」を判断しやすくなります。
ステップ4|AIでルート最適化・荷量予測へ進む
過去の配送実績、荷量、配送先、時間帯などのデータが整えば、ルート最適化、配車候補作成、荷量予測、必要車両台数の予測、繁忙日の予測などに発展させられます。AIは物流DXのスタートではなく、データ基盤を作った後の高度化手段として考えるのが現実的です。

物流DXでAIを活用できる業務
配送ルートの最適化
配送先が多いほどルートの組み合わせは複雑になります。AIや最適化技術を利用すれば、配送先、時間指定、車両条件などから候補ルートを作成できます。ベテラン配車担当者の経験だけに依存していた業務を標準化するきっかけにもなります。
荷量・物量の予測
曜日、月、季節、顧客別の出荷実績などを分析すれば、今後の物量を予測できます。予測精度が高まれば、車両手配、人員配置、倉庫作業、外注便確保を早めに準備できます。
配車候補の作成
AIに「どの荷物をどの車両へ割り当てるか」という候補を作らせる方法もあります。ただし、AIへ最終決定まで任せるべきではありません。
生成AIによる事務作業効率化
ChatGPTなどの生成AIは、運行報告書の下書き、会議議事録の要約、顧客へのメール案、社内マニュアル検索、問い合わせ回答案、事故・トラブル報告の整理などにも活用できます。
AIに任せてはいけない物流判断
道路事情・工事・規制
AIが効率的なルートを提示しても、大型車が通れない、時間帯規制がある、工事中である、過去の経験上渋滞しやすい、といった現場情報を十分に反映できない場合があります。
ドライバーの労働時間
効率的に見える配車でも、ドライバーの労働時間や休息時間などの条件を満たしていなければ採用できません。
車両・積載条件
重量だけ合っていても、荷姿、積み順、温度帯、危険物、車両設備、納品先条件によって積載できない場合があります。
安全に関わる最終判断
物流AIの基本は「AIが提案し、人が検証して決定する」ことです。AI導入によって判断責任までなくなるわけではありません。
物流DXの効果を測る5つのKPI
DXは「導入した」で終わってはいけません。効果を数字で測ることが必要です。物流企業では、少なくとも次の5つをKPI候補として検討するとよいでしょう。
| KPI | 確認する内容 |
|---|---|
| 配車時間 | 配車担当者が1日・1便の配車に使う時間 |
| 空車率 | 荷物を積まず走行している割合 |
| 荷待ち時間 | 倉庫・配送先で待機している時間 |
| 請求誤り | 運賃計算・請求書の修正件数 |
| 積載率 | 車両の積載能力をどこまで使えているか |
配車時間
AI配車や配車システムを導入したら、「導入前120分→導入後60分」のように比較します。担当者の感覚ではなく、時間で測ることが重要です。
空車率
荷物を運ばずに走る距離が多いほど、燃料、人件費、車両コストが発生します。帰り荷や共同輸送を検討する際にも重要な指標です。
荷待ち時間
バース予約システムを導入する場合には特に重要です。平均待機時間だけでなく、30分以上、1時間以上の待機が何件あるかまで確認すると改善ポイントを見つけやすくなります。
請求誤り
受注・配送実績・運賃・請求が分断されている会社では、請求漏れや金額ミスが発生しやすくなります。DXによって転記回数を減らせば、こうしたミスの減少も期待できます。
積載率
同じ車両台数でも積載率を高められれば、輸送能力を引き上げられます。物流2024年問題では、今ある輸送能力をどこまで有効活用できるかという視点が重要です。
物流DXで失敗しやすい5つのポイント
1.いきなりAI配車から始める
元データが紙や担当者の頭の中にある状態では、AIへ渡す情報が不足します。まず受注をデータ化してください。
2.紙とシステムを二重運用する
システムへ入力した後に紙も作成していると、仕事が減るどころか増える場合があります。「どの帳票をなくすか」まで決めることが必要です。
3.マスターデータを統一しない
同じ配送先でも名称表記が複数あると正確な分析が難しくなります。顧客、車両、ドライバー、配送先、商品などのマスターを整える必要があります。
4.現場を巻き込まずシステムを選ぶ
経営者だけでシステムを選ぶと「現場では使いにくい」「入力項目が増えた」という問題が起きやすくなります。実際の受注、配車、倉庫、請求担当者を導入前から参加させることが重要です。
5.KPIを決めない
「便利になった気がする」では投資効果を判断できません。配車時間、荷待ち時間、積載率など、導入前の数値を取っておきましょう。
物流DXに活用できる補助金
物流DXでは、ITツール、クラウドサービス、AI、ロボット、設備など導入する内容によって利用できる可能性がある補助制度が異なります。代表的な制度として、2026年は「デジタル化・AI導入補助金」と「中小企業省力化投資補助金」があります。
デジタル化・AI導入補助金2026
従来のIT導入補助金は2026年から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されています。ITツールを導入する事業者に対して導入費用の一部を補助する制度として案内されており、2026年からはAI機能を有する登録ITツールを検索しやすくする変更も行われています。
- 受発注
- 顧客・案件管理
- 会計
- 請求
- 業務管理
- AIを搭載した対象ITツール
ただし、一般販売されているソフトウェアがすべて補助対象になるわけではありません。補助金事務局へ登録されたITツール・プランであることや、対象業務プロセスなどの要件を満たす必要があります。対象ツール、対象経費、申請要件は変更される可能性があるため、申請時点の公募要領・登録情報を確認してください。採択や補助を保証するものではありません。
中小企業省力化投資補助金
ロボットや設備を活用した省力化投資を検討する場合は、中小企業省力化投資補助金も候補になります。一般型では人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した設備導入が対象になり得ます。物流ロボットなどを検討する場合でも、製品を選ぶだけでなく、どの作業を省力化するのか、現在何時間かかっているのか、何人で行っているのか、導入後どれだけ生産性が上がるのかを事前に整理することが重要です。
補助対象となる設備、経費、申請条件については最新の公募要領を確認してください。
自社の物流DXは何から始めるべきか
レベル1|紙・電話中心
電話受注、FAX、紙伝票、ホワイトボード配車が中心。
まず取り組むこと:受注データ化
レベル2|Excel・個別システム中心
受注はExcel、配車は別システム、請求は会計ソフトという状態。
次に取り組むこと:データ連携
レベル3|TMS・WMSなどを導入済み
一定のデータは蓄積されているものの、十分に分析していない状態。
次に取り組むこと:可視化とKPI管理
レベル4|物流データが連携されている
受注、車両、配送実績、倉庫、請求までデータでつながっている状態。
次に取り組むこと:AI・ロボット・高度な自動化
よくある質問
中小運送会社でも物流DXはできますか?
できます。いきなり大規模な自動倉庫を導入する必要はありません。電話受注をデータ化する、配車表を共有する、配送実績と請求を連携するといった小さな改善から始められます。
AI配車から導入してもよいですか?
受注・車両・配送先などのデータがすでに整備されている場合は検討できます。一方、電話・紙・Excelに情報が分散している場合は、先にデータ化することをおすすめします。
物流ロボットは中小倉庫でも導入できますか?
設備規模、物量、繁閑差、取扱商品、投資回収期間によって判断します。まず人が何時間使っている工程なのかを測り、その工程を自動化した場合の効果を比較することが重要です。
物流DXに補助金を利用できますか?
導入するITツールや設備、申請枠、企業要件によっては、デジタル化・AI導入補助金や中小企業省力化投資補助金を利用できる可能性があります。対象経費や申請条件は制度ごとに異なるため、最新の公募要領や事務局情報を確認してください。
AIが作った配送ルートをそのまま使ってよいですか?
そのまま採用するのではなく、人が最終確認する運用をおすすめします。道路規制、荷物条件、労務、安全面など、AIだけでは判断できない条件があります。
まとめ|物流2024年問題は「人を増やす」だけでなく物流全体のDXで解決する
物流2024年問題への対応として、運輸業・倉庫業ではIT・AI・ロボットを活用した物流DXが重要になっています。
佐川グローバルロジスティクスの東松山SRCでは、t-SortとRFIDの導入によって仕分け人員27%削減や誤発送の撲滅、教育時間約7割削減などの成果が公表されています。バース予約ではトラックが倉庫へ集中する問題を減らし、荷待ち時間削減と倉庫側の人員配置改善につなげられます。Cyber Portでは、港湾物流手続きをデータでつなぐことで、公式の実証事業において手続き時間を20〜60%程度削減する効果が確認されました。
しかし、中小運送会社にとって最初のDXがAI配車とは限りません。重要なのは「受注データ化→TMS・WMSなどとの連携→車両・運転者・運賃・請求の可視化→ルート最適化・荷量予測などのAI活用」という順番です。
物流DXとは、最新技術を導入することそのものではありません。同じ情報を何度も入力しない。人が運ばなくてもよいものをロボットに任せる。ドライバーを待たせない。AIに任せられる計算はAIへ任せる。安全や労務に関わる最終判断は人が行う。こうした業務の再設計によって、限られた人員と車両でより多くの物流を支えられる会社へ変えていくことが物流DXです。
まずは自社の受注から請求までの業務を書き出し、「紙からデータへ転記している場所」「同じ情報を複数回入力している場所」「人や車両が待っている場所」を見つけてみてください。そこが、自社の物流DXを始める第一歩です。
CTA|自社の物流DXは「何を入れるか」より「何から変えるか」が重要です
「AI配車を検討しているが、その前に何を整えるべきか分からない」「紙・Excel・電話が多く、どこからデジタル化すればよいか判断できない」「TMS・WMS・バース予約・AIのどれを優先すればよいか分からない」という場合は、まず現在の業務とデータの流れを整理することが重要です。
受注方法、配車方法、車両台数、利用しているシステム、現在困っている業務などを整理すると、自社で優先すべき物流DXが見えやすくなります。デジタル化・AI導入補助金や中小企業省力化投資補助金を活用できる可能性も含め、物流DX・AI導入について確認したい方はお気軽にご相談ください。
参考情報・出典
- 国土交通省|物流DXの推進:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000018.html
- 佐川グローバルロジスティクス|東松山SRC t-Sort・RFID導入:https://www.sg-hldgs.co.jp/newsrelease/2021/0804_4806.html
- 帝国データバンク|生成AIの活用状況調査(2026年):https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260514-genai/
- Cyber Port|概要:https://www.cyber-port.net/ja/about/
- 国土交通省|Cyber Port実証関連資料:https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001486182.pdf
- デジタル化・AI導入補助金2026:https://it-shien.smrj.go.jp/
- 中小企業省力化投資補助金(一般型):https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
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