生成AIやChatGPTを業務で使う企業が増える一方で、「入力した情報が外部へ漏れないか」「社員がすでに顧客情報や社内資料を入力しているのではないか」と不安を感じる経営者や管理部門の担当者も増えています。
実際に、生成AIに関連する情報漏洩や情報公開の事例は発生しています。ただし、生成AIの情報漏洩は、入力した内容がそのまま別の利用者に表示されるケースだけではありません。
社員が個人アカウントへ機密情報を入力したケース、共有リンクが検索エンジンに表示されたケース、AIサービスが利用するクラウドストレージやデータベースの設定に問題があったケースなど、発生経路はさまざまです。
- 第三者が実際に情報へアクセスできる状態になった
- 社内情報を会社の管理外にある生成AIへ入力した
- 共有設定によって会話が一般公開された
- サービス側の不具合で別の利用者の情報が表示された
- 外部連携先やクラウドの設定ミスで情報が公開された
本記事では、生成AI・ChatGPTに関連する代表的な情報漏洩事例を7つ取り上げ、「何が起きたか」「どのような情報が扱われたか」「原因」「発覚経緯」「企業が学ぶべきこと」の統一形式で整理します。さらに、情報を入力してしまった直後の対応と、同じ事故を防ぐためのチェックリストも解説します。
関連記事:具体的に生成AIへ入力してはいけない情報については、「生成AIに入力してはいけない情報10種類」で詳しく解説します。

生成AIの情報漏洩はどのように起きるか
社員が機密情報を生成AIへ入力する
最も身近なのが、社員が業務効率化を目的として、社内情報を生成AIへ入力するケースです。
例えば、不具合を修正するためにソースコードを貼り付ける、会議内容を要約するために議事録を入力する、返信文を作るために顧客メールを貼り付ける、契約書の問題点を確認するために全文を入力する、といった使い方が考えられます。
多くの場合、社員は情報を漏らそうとしているわけではありません。「早く仕事を終わらせたい」「文章を分かりやすくしたい」という善意の利用が、情報管理上の問題につながります。
個人アカウントを業務で利用する
会社が法人向け生成AIを導入していなくても、社員が個人で契約したChatGPTなどを業務で使っていることがあります。このような会社が把握していない生成AI利用は、シャドーAIと呼ばれることがあります。
個人アカウントでは、会社が利用履歴を把握できない、保存設定を統一できない、退職後も会話やファイルが残る、インシデント発生時に監査ログを確認できない、といった問題が起こります。
共有リンクや公開範囲の設定を誤る
生成AIサービスには、会話内容をURLで共有する機能が用意されている場合があります。共有リンクは便利ですが、公開範囲を正しく理解していないと、URLを知る人なら誰でも閲覧できる、検索エンジンに表示される、会話内の氏名や会社名から個人・企業を特定される、といった問題につながります。
外部連携の範囲を把握していない
近年の生成AIは、クラウドストレージ、メール、ビジネスチャット、顧客管理システム、Webサイト、プラグイン、APIなどと接続できます。必要以上の権限を付与した場合や、連携先のセキュリティが不十分な場合は、AI本体ではなく連携先を経由して情報が公開される可能性があります。
生成AIサービス側で不具合や設定ミスが起きる
利用者が正しく操作していても、サービス提供側の不具合や設定ミスにより、別利用者の情報が表示されたり、認証なしでデータベースへアクセスできたりすることがあります。企業は機能や料金だけでなく、データの保存場所、削除条件、管理機能、事故発生時の通知体制も確認する必要があります。

生成AI・ChatGPTの情報漏洩事例7選
ここからは、生成AIの利用、開発、共有、データ保存に関連して、情報が企業の管理外へ出た事例や、第三者がアクセスできる状態になった事例を紹介します。
事例1.Samsung社員がChatGPTへ社内情報を入力
何が起きたか
2023年、Samsung Electronicsの半導体部門の社員が、ソースコードの確認や修正、会議内容の要約などのためにChatGPTへ社内情報を入力したと報じられました。
どのような情報が扱われたか
半導体設備に関係するソースコード、プログラムの動作確認に使われるコード、社内会議の内容、業務上の技術情報などが扱われたと報道されています。
原因
入力してよい情報の範囲が明確でなく、利用可否が社員判断に委ねられていたことが主因です。
発覚経緯
社員による利用が社内で確認され、その後、社内端末での生成AIサービス利用を制限する動きが報じられました。
企業が学ぶべきこと
悪意のある利用だけでなく、業務効率化を目的とした善意の利用でも事故が起こります。「機密情報を入力しない」だけでなく、業務別の具体例を示す必要があります。
事例2.ChatGPTで別利用者の会話タイトルや決済関連情報が表示
何が起きたか
2023年3月、ChatGPTの一部利用者に別の利用者のチャット履歴タイトルが表示される不具合が発生し、OpenAIはChatGPTを一時停止して調査しました。
どのような情報が扱われたか
一部のChatGPT Plus利用者について、氏名、メールアドレス、請求先住所、クレジットカードの種類、末尾4桁、有効期限などが表示された可能性があります。
原因
OpenAIが使用していたRedisクライアントのオープンソースライブラリに関係する不具合です。
発覚経緯
利用者からの報告を受けて調査し、チャットタイトルだけでなく決済関連情報が表示された可能性も判明しました。
企業が学ぶべきこと
サービス側の不具合を完全に排除することはできません。必要以上の情報を入力せず、インシデント公表時に影響範囲を確認できる体制が必要です。
参考情報:https://openai.com/index/march-20-chatgpt-outage/
事例3.MicrosoftのAI研究用ストレージで内部情報が公開状態に
何が起きたか
MicrosoftのAI研究者が、AI学習モデルに関連するデータを共有するため、クラウドストレージのURLを公開GitHubリポジトリへ掲載しました。そのURLには必要以上に広い権限を持つSASトークンが含まれていました。
どのような情報が扱われたか
元従業員2名のワークステーションプロファイルのバックアップ、元従業員と同僚とのMicrosoft Teamsメッセージなどがアクセス可能な状態でした。Microsoftは顧客データの公開はなかったと説明しています。
原因
公開したストレージURLに必要以上の権限を持つSASトークンが含まれていたことです。
発覚経緯
セキュリティ企業Wizが問題を発見し、Microsoftへ報告しました。Microsoftはトークンを失効させ、外部アクセスを遮断しました。
企業が学ぶべきこと
APIキー、アクセストークン、署名付きURLなどはパスワードと同様に扱い、必要なデータ・操作・期間だけに権限を限定する必要があります。
事例4.ChatGPTの共有会話が検索エンジンに表示
何が起きたか
2025年、ChatGPTで作成された共有会話の一部がGoogleなどの検索結果に表示されていることが報じられました。対象は、利用者が共有リンクを作成し、検索エンジンから発見可能にする設定を有効にした会話です。
どのような情報が扱われたか
個人的な相談、求職活動に関する情報、業務内容、氏名や連絡先を推測できる情報などが含まれていたと報じられています。
原因
利用者が共有リンクの公開範囲や、検索エンジンから発見される意味を十分に理解していなかったことです。
発覚経緯
報道機関や利用者がGoogle検索で共有会話を発見し、問題が広く認識されました。OpenAIは検索可能にする機能を終了しました。
企業が学ぶべきこと
共有リンクの利用方針を定め、業務上の会話を公開リンクにしない、共有前に個人情報や会社名を削除する、不要な共有リンクを無効化することが重要です。
参考情報:https://searchenginejournal.com/openai-is-pulling-shared-chatgpt-chats-from-google-search/552671/

事例5.AIチャットボット事業者のストレージから約34万件のファイルが公開
何が起きたか
AIチャットボットを提供するWotNotのクラウドストレージが、外部から認証なしでアクセスできる状態になっていたと報じられました。
どのような情報が扱われたか
パスポートなどの本人確認書類、医療記録、履歴書、旅行書類、チャットボットへアップロードされた顧客ファイルなど、約34万6,000件のファイルが保存されていたとされています。
原因
利用者がアップロードしたファイルの保管場所であるクラウドストレージの公開設定です。
発覚経緯
セキュリティ研究者が公開状態のストレージを発見し、事業者へ連絡したことで明らかになりました。
企業が学ぶべきこと
AIの精度だけでなく、ファイルの保存場所、暗号化、保存期間、削除方法、委託先、URLの公開範囲などを確認する必要があります。
事例6.DeepSeekのデータベースからチャット履歴や秘密鍵が閲覧可能に
何が起きたか
2025年1月、セキュリティ企業Wizは、DeepSeekに関連するデータベースが認証なしで外部からアクセスできる状態になっていたと公表しました。
どのような情報が扱われたか
100万行を超えるログ、チャット履歴、秘密鍵、バックエンド情報、API関連情報などが確認されたとされています。
原因
ClickHouseデータベースが認証なしで外部公開されていたことです。
発覚経緯
Wizの研究チームが公開データベースを発見してDeepSeekへ連絡し、その後公開状態が解消されました。
企業が学ぶべきこと
機能だけでなく、サービス提供会社のセキュリティ体制、事故公表、データ保存地域、委託先、移行可能性も選定基準に含める必要があります。
参考情報:https://www.wiz.io/blog/wiz-research-uncovers-exposed-deepseek-database-leak
事例7.AIチャットアプリで約3億件のメッセージがアクセス可能な状態に
何が起きたか
2026年、AIチャットアプリ「Chat & Ask AI」のデータベース設定に問題があり、大量の会話データへアクセスできる状態だったと報じられました。
どのような情報が扱われたか
AIとの会話履歴、会話日時、利用者が設定した名称、利用モデル、アプリ利用記録などが含まれ、約2,500万人に関連する約3億件のメッセージが対象になった可能性があるとされています。
原因
Google Firebaseのアクセスルールに関係する設定ミスと報じられています。
発覚経緯
独立したセキュリティ研究者が問題を発見し、事業者や報道機関へ連絡したことで発覚しました。
企業が学ぶべきこと
有名なAIモデルを使っているアプリでも、実際のデータ管理にはアプリ開発会社、クラウド事業者、認証・分析サービスなど複数の事業者が関与します。どのアプリを経由するかまで管理する必要があります。
生成AIの情報漏洩事例の比較
| 事例 | 主な発生経路 | 扱われた情報 | 主な原因 | 自社で確認すること |
|---|---|---|---|---|
| Samsung社員の入力 | 生成AIへの直接入力 | ソースコード、会議情報 | 入力ルールと利用管理の不足 | 入力禁止情報 |
| ChatGPTの不具合 | サービス側の不具合 | 会話タイトル、決済関連情報 | ライブラリの不具合 | 影響確認体制 |
| Microsoftのストレージ | 過剰な権限を持つURL | 社内メッセージ、端末データ | アクセス権限の設定 | トークン管理 |
| ChatGPT共有会話 | 共有・公開設定 | 会話、個人情報、業務情報 | 公開範囲の認識不足 | 共有リンク管理 |
| WotNot | クラウドストレージ | 本人確認書類、医療記録など | ストレージの公開設定 | 委託先管理 |
| DeepSeek | データベース | チャット履歴、秘密鍵、ログ | 認証設定の不備 | サービス選定 |
| Chat & Ask AI | アプリのデータベース | 約3億件とされる会話データ | Firebaseの設定 | 未承認アプリ管理 |
事例を比較すると、生成AIの情報漏洩は利用者の入力ミスだけで発生するわけではありません。アカウント、共有リンク、クラウドストレージ、外部アプリ、データベース、アクセストークンなど、生成AIを取り巻く仕組み全体を管理する必要があります。

事例に共通する5つの原因
原因1.利用する生成AIツールを会社が管理していない
正式導入した生成AIだけでなく、個人版、無料のAIチャットアプリ、ブラウザ拡張機能、AI議事録、AI翻訳、AI文章作成、AI搭載クラウドサービスまで棚卸しする必要があります。誰が、どのアカウントで、どの業務に使い、どの情報を入力し、どの外部サービスと連携しているかを把握します。
原因2.入力禁止情報の定義が曖昧
「機密情報を入力しない」という抽象的な指示では、顧客名を消せばよい、契約済みの契約書ならよい、ソースコードは個人情報ではないのでよい、といった認識差が生まれます。禁止情報は実際の業務で使う文書やデータを例示します。
原因3.社員教育だけに依存している
研修だけでは情報漏洩を完全に防げません。法人アカウント、共有機能の制限、外部連携の承認、監査ログ、定期的な棚卸しなど、間違えても被害を小さくできる仕組みを組み合わせます。
原因4.個人アカウント利用を把握していない
個人アカウントでは、社内情報の保存場所が分からない、退職時に回収できない、事故時にログを確認できない、法人向け設定が適用されない、といった問題が起きます。処罰を先に打ち出すより、申告期間を設けて法人アカウントへ移行する方法が現実的です。
原因5.事故発生時の報告先が決まっていない
報告先が不明、または報告すると処分されると考える環境では、削除だけして隠す可能性があります。その間に共有リンクやAPIキーが悪用され、顧客報告や法的判断が遅れます。利用ルールには事故時の報告先と初動手順を含めます。
生成AIへ情報を入力してしまった直後の対応
1.追加操作を止め、入力内容を記録する
利用サービス、アプリ、個人・法人アカウント、利用者、入力日時、入力文、添付ファイル、出力内容、共有リンク、外部連携、保存・転送先を記録します。
2.会話・ファイル・共有リンクを削除する
会話履歴、添付ファイル、共有リンク、公開ページ、カスタムAI、プロジェクト内ファイル、外部連携で作成されたデータを削除します。ただし画面上の削除が即時の完全消去を意味するとは限らないため、保存期間と削除仕様を確認します。
3.社内の指定窓口へ報告する
直属上司だけで終わらせず、情報システム、情報セキュリティ責任者、個人情報保護管理者、法務・コンプライアンス、経営者など、影響を判断できる担当者へ集約します。
4.影響範囲を確認する
個人情報、顧客・取引先の機密情報、認証情報、知的財産・営業秘密が含まれるか、何件か、誰の情報か、第三者が閲覧できた可能性があるかを確認します。
5.パスワードやAPIキーを変更する
パスワード、APIキー、アクセストークン、秘密鍵、共有URL、一時アカウント、署名付きURL、外部連携の認証情報を無効化または変更します。
6.生成AIの提供会社へ確認する
保存状況、削除依頼、学習・品質改善への利用、ログ保存期間、第三者アクセス、監査ログ、バックアップ削除、外部委託先への送信を確認し、回答を記録します。
7.顧客・本人・関係機関への報告要否を判断する
情報の種類、件数、第三者閲覧の可能性、契約内容に応じて、本人、顧客、委託元、個人情報保護委員会、所管官庁、保険会社、弁護士などへの報告要否を判断します。
法令上の報告義務は個別事情で異なります。重大な個人情報・機密情報が含まれる場合は、弁護士や個人情報保護の専門家へ相談してください。


同じ事故を防ぐためのチェックリスト
利用ツール・アカウント管理
- 会社が利用を認める生成AIを決めている
- 利用者とアカウント数を把握している
- 個人アカウントの業務利用方針を決めている
- 未承認のAIチャットアプリを把握している
- 退職・異動時にアカウントを停止できる
- 管理者が外部連携を確認できる
- 監査ログや利用履歴を定期的に確認している
- 半年または1年ごとにAIツールを棚卸ししている
入力情報の管理
- 入力禁止情報を具体例付きで定めている
- 顧客情報の入力条件を決めている
- 個人情報の匿名化方法を決めている
- 契約書や会議録の取り扱いを決めている
- ソースコードを入力できる環境を限定している
- ファイル添付前の確認手順がある
- APIキーやパスワードの入力を禁止している
- 入力前に情報を最小限にするルールがある
共有・外部連携の管理
- 会話共有リンクの利用方針を決めている
- 一般公開と限定共有の違いを周知している
- 不要な共有リンクを削除している
- クラウドストレージとの連携範囲を確認している
- メールやチャットへのアクセス権限を確認している
- プラグインやコネクタを管理者承認制にしている
- 不要なAPIキーやアクセストークンを無効化している
- 外部AIアプリのデータ保存先を確認している
教育・報告体制
- 入社時に生成AI利用ルールを説明している
- 定期的に生成AI研修を実施している
- 実際の情報漏洩事例を教材にしている
- 誤入力時の報告先を明確にしている
- 初動対応の手順を文書化している
- 報告者を不当に責めない方針を示している
- 情報漏洩を想定した訓練を実施している
- ルールを定期的に更新している
サービス選定・契約確認
- 入力データの利用目的を確認している
- 学習利用の設定を確認している
- データの保存期間を確認している
- データの削除方法を確認している
- 管理者機能の有無を確認している
- SSOや多要素認証に対応しているか確認している
- インシデント発生時の通知条件を確認している
- 委託先や再委託先を確認している
- データ保存地域を確認している
- 契約終了時のデータ削除条件を確認している
生成AIを全面禁止するのではなく管理すべき理由
禁止すると個人アカウント利用が見えなくなる
社員が個人スマートフォンや自宅パソコンで利用すると、会社が実態を把握できず、法人向け管理機能も使えません。事故が起きても報告されず、個人アカウントへ社内データが蓄積される可能性があります。
生成AIには業務効率化の効果がある
文書のたたき台、会議内容の整理、公開情報の要約、FAQ作成、プログラム作成補助、翻訳など、公開情報や架空データだけでも活用できる業務があります。
情報の機密度に応じて利用範囲を分ける
生成AIを使うか使わないかの二択ではなく、情報の機密度に応じて、利用可、法人環境限定、匿名化、個別承認、入力禁止を分けます。
ルール・技術・運用の3つで管理する
ルールでは利用可能ツール・入力情報・共有・報告先を決め、技術では法人アカウント・多要素認証・SSO・ログ・権限制御を用い、運用では研修・棚卸し・事故訓練・定期見直しを行います。
| 情報・用途 | 基本的な方針 |
|---|---|
| 一般公開されている情報 | 承認済みツールで利用可 |
| 自社で作成した架空データ | 利用可 |
| 社内の一般情報 | 法人向け環境に限定 |
| 顧客情報 | 原則入力禁止、必要時は匿名化 |
| 個人情報 | 原則入力禁止、専用環境は個別審査 |
| 契約書・人事情報 | 個別承認または専用環境 |
| 機密ソースコード | 契約・保存条件を確認した環境に限定 |
| パスワード・秘密鍵 | 入力禁止 |
| 未公開の経営・研究情報 | 原則入力禁止 |

生成AIの情報漏洩対策で最初に行うこと
1.利用中の生成AIを一覧にする
正式導入したツールだけでなく、社員が個人的に使っているツールも確認します。
2.入力している情報を確認する
ツール名だけでなく、顧客情報、会議録、契約書、ソースコードなど、実際に何を入力しているかを確認します。
3.個人アカウントを法人アカウントへ移行する
会社で継続利用するツールは、可能な範囲で企業管理のアカウントへ移行します。
4.最低限の入力ルールを決める
利用可能なツール、入力禁止情報、共有禁止事項、誤入力時の報告先の4点から始めます。
5.定期的な確認担当者を決める
情報システム部門がない中小企業では、総務、管理部門、経営者、外部IT会社などから担当者を決めます。
生成AIの情報漏洩に関するよくある質問
ChatGPTへ入力した情報は、必ず他の利用者に見られますか?
必ず他の利用者に見られるわけではありません。ただし、利用サービス、契約プラン、データ設定、共有リンク、外部連携、サービス側の不具合などにより、第三者へ表示される可能性はあります。入力する情報は必要最小限にしてください。
誤って機密情報を入力した場合、会話を削除すれば問題ありませんか?
削除だけで対応が完了するとは限りません。情報の種類、保存期間、共有リンク、外部連携、学習利用設定を確認し、社内の情報セキュリティ担当者へ報告してください。パスワードやAPIキーは速やかに無効化または変更します。
法人向けChatGPTなら情報漏洩は起きませんか?
法人向けプランには管理者機能やセキュリティ設定がありますが、誤入力、共有設定、過剰な外部連携、サービス側の不具合まで自動的に防げるわけではありません。入力ルール、教育、監査を組み合わせます。
生成AIを全面禁止すれば安全ですか?
一定のリスクを下げられる場合はありますが、個人スマートフォンや個人アカウントによる利用が見えなくなる可能性もあります。利用可能ツール、業務、入力情報、報告方法を明確にした管理利用も検討します。
中小企業でも生成AIガイドラインは必要ですか?
必要です。ただし最初から長い規程を作る必要はありません。利用できる生成AI、入力してはいけない情報、共有してはいけない情報、誤入力時の報告先の4項目から始められます。
まとめ|事例を知るだけでなく自社の利用状況を確認しよう
生成AI・ChatGPTに関連する情報漏洩は、社員による機密情報の入力だけで起こるわけではありません。共有設定、クラウドストレージ、外部アプリ、データベース、アクセストークン、サービス側の不具合も原因になります。
企業が見直すべきなのは社員の注意力だけではありません。利用ツール、アカウント、入力情報、共有設定、外部連携、報告体制を一体として管理する必要があります。
万が一、情報を入力してしまった場合は、削除だけで終わらせず、入力内容の記録、社内報告、影響範囲の確認、認証情報の変更、サービス提供会社への確認を行いましょう。
生成AIを全面禁止すると個人アカウント利用が見えなくなる可能性もあります。利用価値を残しながら安全性を高めるには、情報の機密度に応じて利用範囲を分け、ルール・技術・運用の3方向から管理することが重要です。
